別涙(わかれ)

11月17日(水)深夜、私は大変衝撃的な、そして辛いお知らせを耳にした。

私が長年(といっても一年と少しぐらいの新参者だけど)一番に推していた乃木坂46のメンバー・新内眞衣さんが、自身がメインパーソナリティを務める『乃木坂46のオールナイトニッポン』(ニッポン放送:毎週水曜25:00〜27:00)で、グループからの卒業を発表したからだ。

新内眞衣さんは2013年、乃木坂46の2期生としてデビューし、およそ1年ほどの研修期間を経て正式にメンバーに加入。現在、グループ最年長のメンバーとして幅広く活動。2016年にはオールナイトニッポンの水曜2部のパーソナリティに抜擢され、3年後に同番組が1部に昇格した際はメインパーソナリティとして続投した。

私が新内さんを知ったのも、このANNからだった。
コロナ自粛期間中の2020年、その前年からラジオを聴くようになった私は深夜ラジオにも進出し、その中でこの番組を知った。
人生で誰もが通るであろう「アイドル期」(一定の期間、アイドルに熱狂的・盲目的にハマる時期を指す私が作った言葉)をAKB48で過ごし、その後美空ひばり・ちあきなおみと一気に両親・祖父母世代の音楽に傾倒していった私は「もうアイドルにハマることはないだろう」と思っていたが、乃木坂46の名前はよく耳にしていたし、「アイドルがやる深夜ラジオはどんなものだろうか」と興味があったので聴いてみることにした。

その結果、見事にハマった。
乃木坂46というグループにハマり、番組にハマり、そして新内眞衣さんにハマった。
乃木坂を知るにつれて、推しメンの数は増え、いわゆる「DD(誰でも大好き)」の立派な仲間入りを果たしてしまったが、私の推し活の中心にはいつも新内さんがいた。
メンバー最年長ということからくる言動・仕草に現れる古臭さや、おっちょこちょいな一面を先輩・後輩問わずイジられることが多くあったが、それすらも愛おしく思える魅力が新内さんにはあった。

彼女にメールを読んでもらいたくて、必死に番組にお便りを送り続けた。
11ヶ月後、それが突然叶った時の嬉しさは今も忘れることができない。
しかも、その初採用ののちにまた2回も同番組でお便りを採用されるという幸運にも恵まれた。
一生、自慢できることだと思ってる。

そんなだから、先日の水曜深夜に彼女の口から卒業発表を聞いた時は、目の前が真っ暗になった。
女性アイドルは加齢に関して、何かと色々言われやすい立場である。
新内さんも現在29歳、三十路、アラサーである。
それだから、卒業の話は幾度となく口さがない人々の口からついて出た。
正直、私も卒業のことを全く考えていなかったといえば、嘘になる。
でも、心のどこかで「まだ続けてくれるだろう」という思いがあった。
有り体に言えば、覚悟が足りていなかった。
確実に迫り来る「卒業」という事実から目を背けてばかりいた。

最初は、ショックの大きさのあまり、しばらく何も考えられずにいた。
その後、新内さんにとっての初めてのソロ曲『あなたからの卒業』が初OAされた頃から、徐々に「ああ、卒業してしまうんだ」と実感として沸き始めた。

そして、佐久間宣行さんのANN0(2部)を挟み、元ニッポン放送アナウンサーであり、新内さんともANN0時代から親交の深かった上柳昌彦さんの番組『あさぼらけ』にて二度目の『あなたからの卒業』がかかった時、今まで堪えていたものが一気に溢れ出した。

あんなに泣いたのは、今まででもあまりなかったような気がする。
あれほどまでに胸が締め付けられ、苦しい思いをしたのは初めてのような気がした。
涙が溢れて、溢れて止まらなかった。
辛くて、悲しくて、どうにも止まらなかった。

その時にようやく実感した。
私は本気で、新内眞衣という一人のアイドルを心から愛し、応援していたのだと。
この、彼女を推していた1年と少しという歳月は、本気(マジ)だったのだ、と。

正直のところをいうと、ショックから完全に立ち直ったとは言い難い。
今でも心にポッカリ穴が空いたような気がしている。


でも、新内眞衣というアイドルを好きな気持ちは変わらない。
卒業までの間、そして卒業してからも、私は一生涯をかけて彼女を全力で応援し続けるつもりでいる。

彼女のソロ曲『あなたからの卒業』の歌詞に、こんな一節がある。

ありがとうしか言えない 好きになってくれて

今、新内さんに言いたい。


ありがとうはこちらのセリフです。
こちらこそ、本気で好きにならせてくれてありがとう。
あなたというアイドルと巡り会えて幸せでした。
大好きです。
これからも一生をかけてあなたを応援し続けます。

でもやっぱり、あなたのいない乃木坂46は想像できません。
辛いです。
悲しいです。
寂しいです。


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