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387万を集めたスナックのクラウドファンディングの始め方

スナック水中のオープン時、資金調達の方法のひとつとしてクラウドファンディングを活用しました。
実際にクラウドファンディングをきっかけに水中を知り支援してくださった方も多くいらっしゃいます。(ご支援いただいた皆様、ありがとうございました!)
開業時に良いスタートダッシュを切れたのもクラウドファンディングのおかげでした。今でも、開業時に行なってよかったなと思う資金調達方法です。

クラウドファンディングで重要なのは大きく3つ。今回はこの3つについて解説します。


ポイント1:募集ページの充実


まずは、募集ページを作らないことには始まりません。
このページで多くの人にプレゼンしなければいけないので、一番重要です。

とはいえ、どうやって書けばいいの?
プレゼンすることに慣れていない場合、人の心を動かす文章を書くのは難しい作業です。

そんな時は、モデルになる事例を参考にすることをおすすめします。
具体的には、自分が集めたい金額で成功している事例や、同じ業界の事例などです。

スナック水中もあるカレー屋さんの募集ページを穴の開くほど参考にさせていただき、当時の想いを全て書ききり、構成としては下記のように組み立てました。

  • 自己紹介(これまでやってきたこと)

  • クラファンに挑戦する理由(想い)

  • スナックとは?(スナックに興味を持ってもらう)

  • スナックとの出会い(ストーリー)

  • スナックを愛した理由(ストーリー)

  • これから実現したいこと(夢・希望)

  • 資金の使い道(クラファンについて)

  • リターンについて(クラファンについて)

  • 想定されるリスクとチャレンジ(リスク回避)

  • さいごに(メッセージ)

また文章だけではなく、イメージが伝わる写真を多く載せることも大事です。

コツとしては写真の上にテキストを載せて、流し読みでも内容を理解してもらえるようにすること。

想いをしっかり書くことは重要ですが、長い文章はあまり読まれない前提で書くことをおすすめします。

そして、書いたものは公開前に数人に見てもらい、意見をもらいましょう。

スナック水中も、募集ページで読みにくいところはないか、もっと表現を変えた方がいいところはないか、など何度もチェックしてもらいました。

結果として、約380万円もの資金を集めることができました。

ポイント2:リターンの金額設定

一番低いリターンを3,000円などの低い金額で設定してしまうと目標額が遠くなる印象です。

いろんなクラウドファンディング事例を見ても、5000円が最低ラインが妥当かと思います。

松竹梅で、5000円・10000円・30000円を基本に10,000円を一番のボリュームゾーンにするのがおすすめです。

スナック水中の結果としては、以下でした。

  • 5,000円:ちょい飲み!応援コース 162名

  • 5,000円:オンラインで!応援コース 26名

  • 10,000円:ボトルキープ!応援コース 77名

  • 10,000円:お花でお祝い!応援コース 53名

  • 30,000円:飲んで歌って!応援コース 19名

  • 50,000円:仲間と一緒に!応援コース 10名

  • 100,000円:たのしみ放題!応援コース 1名

  • 150,000円:通い放題!応援コース 1名

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合計349名、3,870,782円

期間としては1月11日〜2月21日。目標金額170万円に対し、227%達成!ありがたかったです。

支援額の推移

クラウドファンディング開催期間中に170万円達成したので、次のゴールは220万円を目標にし、募集ページも更新していきました。

注意しなければいけないのは、最初に設定した期間を変更できない点です。仕組みとしては目標金額が達成したから終了になるわけではなく、募集期間が終わると終了します。

クラウドファンディングの実施方式には、All or Nothing型とAll In型があります。

All or Nothing型は、目標金額を達成した場合のみ支援金を受け取ることができます。目標金額を達成しない場合、支援はキャンセルされ返金されます。

All In型は、目標金額の達成有無にかかわらず、集まった支援金を受け取ることができます。

1円以上の支援があった場合、クラウドファンディングが達成したとみなされ、集まった支援金額に関わらず、プロジェクトを実施する義務があります。そして支援されたリターンは必ず履行する義務があります。

スナック水中は、All In型を選びました。

リターン商品について

リターン金額と合わせて、リターン商品も重要です。

クラウドファンディングは資金集めはもちろん、広告宣伝の要素も含まれますので、リターンとしてクーポン等を配布し、一度お店に足を運んでもらうことが重要です。

スナック水中もオープン時は、クラウドファンディングに申し込んでくれた方に多く来店していただき、とても助かりました。

とはいえ、すべてリアル来店のリターンにしていないのもポイントです。

例)

  • 5,000円:ちょい飲み!応援コース 162名

  • 5,000円:オンラインで!応援コース 26名

このように、5,000円のプランでも来店型のコースと、オンラインで応援というコースを作りました。

オンラインのコースでは、オープン一週間前にオンラインでお店の様子を映したり、改めてどういう想いでこのスナックをオープンするのかをzoomでお伝えしたりしました。

オンラインのメリットは、遠方の方はもちろん、スナックに飲みにいきたいわけではないけど応援したい、という方に選ばれることです。

実際の運用について

オンラインスナックの手配や、リターンを選んでいただいた方のボトルの管理など、リターンの商品をお渡しする過程としてはけっこう大変でしたが、スプレッドシートを駆使して、なんとか乗り切りました。

実際にリターンが利用された割合としては、6〜7割程度だったと思います。


ポイント3:知人への声かけ

資金の集め方はクラウドですが、クラウドファンディングの支援者は80%~90%リアルな知人だと思った方が良いと思います。

実際、SNSでの周知はもちろん、一番効果があるのは知人の方への連絡です。

スナック水中では、この期間100~200人くらいに連絡をしたかもしれません。「知人に営業のように連絡するのは...」と、ストレスがかかったのも事実です。

ですが、どうしても実現したいこと・あったほうがいいと思うことを
応援して欲しいということは、そんなに変なことではないので思い切って連絡をたくさんしました。

ちょっとしたテクニックですが、クラウドファンディングをを公開する前に「もうすぐ公開するので、もしよかったら見てください!」という連絡は心理的ハードルも低いですし、直接的すぎないのでおすすめです。

スナックは地域に根ざした営業になりますから、その街で開催されるイベントなどに顔を出したり、人脈を持っている人に紹介してもらったりして、知り合いを多く作っておくとこういったクラウドファンディングで応援してもらえることもあります。

クラウドファンディグは共感が共感を呼ぶお祭りみたいなものです。まずは身近な人に熱狂してもらい、その盛り上がりの輪を少しずつ広げていくのが王道。

その前提があった上で、スナック水中ではメディアアプローチも実施しました。

地元の立川経済新聞へ取り組みをプレゼンさせていただき、その取材記事がYahoo!ニュースに転載されました。

そこから東京新聞や朝日新聞などにも取材いただき、少しずつ知人ではない方からもご支援いただけるようになりました。

(再掲:支援額の推移)


本当に地道なこともやっていて、ご支援いただいた方には個別にお礼のメッセージをしていました。

ご支援していただいた方が「支援しました!」とFacebookで投稿すると、それを拡散してくださる方がいらっしゃったりと、SNSでも広がっていきました。

どのクラウドファンディングサービスを利用するか?

国内には下記のようなクラウドファンディングサービスがあります。

  1. CAMPFIRE(キャンプファイヤー)

    • 国内最大級のプラットフォーム

    • 購入型・寄付型に対応

    • 幅広いジャンルのプロジェクトを扱う

  2. Makuake(マクアケ)

    • 新商品・サービスの先行販売に強み

    • 購入型中心

    • テクノロジー系プロジェクトが多い

  3. READYFOR(レディーフォー)

    • 日本初のクラウドファンディングサイト

    • 社会貢献系プロジェクトに強み

    • 購入型・寄付型に対応

  4. GREEN FUNDING(グリーンファンディング)

    • 環境・社会貢献系プロジェクトに特化

    • 購入型・寄付型に対応

  5. Kibidango(キビダンゴ)

    • 地域活性化や伝統文化に関するプロジェクトが多い

    • 購入型中心

  6. COUNTDOWN(カウントダウン)

    • エンターテインメント系プロジェクトに強み

    • アーティストや俳優のファンディングが多い

  7. MotionGallery(モーションギャラリー)

    • クリエイティブなプロジェクトに特化

    • 映画、音楽、アート、出版、舞台などのプロジェクトが多い

    • 手数料が比較的安い

  8. GoodMorning(グッドモーニング)

    • 社会課題と向き合い人のファンディング

    • 手数料が比較的安い


特徴別分類

  • 総合型: CAMPFIRE, READYFOR

  • 製品開発・先行販売: Makuake

  • 社会貢献: GREEN FUNDING

  • 地域活性化: Kibidango, FAAVO

  • エンターテインメント: COUNTDOWN

  • クリエイター支援: FUNDIY, MotionGallery

手数料

  • CAMPFIRE:17%

  • Makuake:20%

  • Readyfor:14%

  • Green Funding:20%

  • Kibidango:10%

  • COUNTDOWN:20%

  • MotionGallery:10%

  • GoodMorning:9%

※2024年7月水中調べ


各サービスの特徴、資金の集めやすさ、サイトの使いやすさ、手数料などを総合的に判断して選ぶことをおすすめします。

水中は、知人のご縁があったことと手数料の安さからMotionGallery(モーションギャラリー)を選びました。

クラウドファンディングには審査があり、実現可能な企画なのか、ちゃんとゴールに達成するのか、などを判断されます。本人確認の書類も必要です。

クラウドファンディングを検討している場合は、まず問い合わせをしてみて、審査に何が必要か確認しましょう。

まとめ

今回はスナックのクラウドファンディングについて、事例をもとにご紹介しました。ぜひ参考にしていただければと思います。

▼スナック水中のクラウドファンディングページ

▼スナックの開業についてはこちら

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