最初のサウナ
【サウナを知った大学一年の秋】
高校卒業と共に新型コロナの感染拡大により、大学に通わず家で過ごす日々が続いていた。度重なる緊急事態宣言が発令される中、景気回復のために実施されたGOTOトラベルキャンペーンにあやかり、友人と二人で静岡県伊東市に小旅行に行った。その友人とは、高校2年からの付き合いで、おそらく今後このnoteに何度も登場するであろう。これより彼の名を「蛸」とする。理由は特にない。浴場に行き湯に浸かると蛸は言った。
「サウナ入らね?」
この言葉を言われるまで僕の脳内にはサウナのサの字もない、と言っていい程蚊帳の外だった。蛸は幼少期父親に連れられサウナに入ったことがあるらしく、懐かしさもあり入ってみたかったそうだ。そして蛸につられるがままにサウナ室の前に行った。人生初のサウナである。しかし、僕のサウナデビューはなんとも言えないものだった。そこのサウナは午後7時までだったのである。時計は午後10時を示していた。もうサウナは終わっているではないか。幸運にも鍵は空いていたので中に入ってみると、電気やテレビはついておらず薄暗い。しかし、まだほんのりサウナの熱は残っており、上段に登ってみると初心者にはちょうどいいくらいだった。体が芯からほんのり暖まっていくのを感じる。10分ほどで汗が噴き出てきて水風呂に行くことにした。なんの躊躇もなく水風呂に入る蛸が正直信じられなかった。
(いくらサウナに入ったからと言って。)
いざ入ってみるとやはり冷たい、冷たすぎる。しかし、途端に冷たさを感じなくなった。
「羽衣だよ」
蛸はそう言い羽衣の説明を終えた後あからさまに波を立てて水風呂から上がった。たまらず僕もシャワーを浴びにいくと、すぐにとは言わないが段々と違和感を感じ始めた。整いが近づいていたのである。
(おお、これがサウナか。。)
この瞬間、今後サウナを愛でるぞ!とはならなかった。ただただリラックス。ストレスばかりの僕の人生には全くない感覚だった。まるで炭酸飲料を飲んだ赤ちゃんのような、黒船を見たかつての浦賀の方々のような、たぶん。しかし、確かに自分の脳に新しい感覚がインプットされた瞬間だった。休憩を終えたところで再びサウナ室に入り(以下略・・・
この日二度サウナに入った。これが僕の人生初サウナの概略である。この後からいわゆるサウナーになって行くわけだが、ここでキッパリと断っておきたい。僕と蛸は間違いなくサウナに入る大学生だが、俗に言うドラクエ的なものとは全く異なる。心からサウナを愛し、他のサウナーへの敬意を忘れない。それとコロナ禍で疲れた体を癒したいという理由ではなく、(もちろんその理由もいいと思います。)ただ偶然サウナを知った時期がコロナと被っただけであり、コロナがない世界線でも大学一年の同じような時期に同じ経緯で知ることになっていただろう。
僕は、蛸とサウナにそれほど運命的なsomethingを感じているのである。
これでnote1投稿目を終えます。ただの大学生である自分に今発信できることは限りがありすぎるけれど、少しでもなにもしないままでは出会えなかった人との交流が増えらばいいなと思い今後も投稿させていただきます。そして、今はまだ発展途上真っ最中の自分が記録を残し続けることでいつか自分の成長を俯瞰してみることができたり、他の誰かになにか影響を与えられることができたらいいなとも考えています。
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