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『リワーク』に参加して

『リワーク』という言葉をどこかで聞いたことがある方はどのくらいいるのでしょうか。私はこの制度に仕事柄お世話になり感謝していますので、改めてここで紹介させてください。

『リワーク』とはreturn to workの略で、精神疾患を原因として休職している労働者に対し、職場復帰に向けたリハビリテーション(リワーク)で、全国52カ所に設置された地域障害者職業センターにて実施されています。


リワークの対象になるのは、主治医から診断書等によりうつ病等の精神疾患を有している人です。その目的な、生活リズムの構築と体調気分の自己管理、基礎体力、集中力、持久力等の向上、ストレス対処、対人スキルの習得です。
期間は12〜16週で個別に設定が可能で、公的サポートですので費用はかかりません。

支援対象である本人、雇用主である企業、主治医からの申し出によりスタートしますが、実際にお世話になるのは支援を受けるご本人ですので、本人の意思が重要です。会社が勧めても主治医が勧めてもご本人にその気がなければおそらくリワークそのものを継続することができない、あるいは成果がともなわないのではないかと思います。

というのもリワークはご本人自らが、主体的にかかわることが求められるからです。
まずリワークのスタートとして、症状がでははじめた経緯、周囲との関係、欠勤状況を整理し、記入提出します。企業側でもご本人とは別に用意します。
それをもとに支援センターのスタッフのかたが、ご本人とリワークの進め方や目標について合意形成を図りながらすすめていきます。
一例として、課題作成のグループミーティングに参加したり、ストレス対処のための講習を受けたりしますが、素晴らしいと感じたのは同じ悩みを持った仲間が周りにいて、それぞれどうして辛かったかと言うのを話し合うことができる機会をもてることです。

リワークの最終段階では、ご本人、企業、産業医、障害者職業カウセラーが参加し、会議を開催します。ご本人からリワークで得られたことを報告し、復職への必要事項について、参加者で合意形成を行う場になります。私も参加させていただきましたが、3ヶ月でずいぶん逞しくなられたと感じました。

平成29年の時点で、全国でのリワーク利用者は2459名、復職率は84.6%となっています。
私自身が、お一人ひとりにとことん寄り添うことまではできませんので、国がこのような制度を用意してくださっていて、感謝をしていますし、支援を受けた方が巣立っていくのは頼もしく思います。
病気の性質から再発する場合もありますが、万一、再発してもご本人は向き合い方を知っているのではないか、よりどころがあるのではないかと感じています。

一方、施設が開かずすぐに通えないと言うケースもありましたので、なかな精神疾患の方が全員通えるわけでもありませんし、リワークができる状態になるまでのハードルもあるのですが、もっと社会に身近になり、世間に浸透しても良いのではないかと思っていますので、共有させていただきました。

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