人外度高めの人外キャラをキャラデザする話 〜外見編〜
この記事は、定期ゲアドベントカレンダー丙・21日目に寄稿させていただいた記事です。内容はタイトルの通り。ひたすら人外の話をします。大丈夫ですか?
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!CAUTION!
人外キャラの話なので、下記含むさまざまな生物のイラストや説明文を載せます。何かしら苦手なものがある方はご注意ください。
あと、生物の説明について、学問的な正確さは保証しきれません。「創作ならこんなキャラデザもあるんだな~」程度の感じでお読みください。
突然ですが、人外キャラ、好きですか!?
この記事を書いてる人は大好きです。
しかし一口に「人外」と言っても、その種族は千差万別多種多様。「人外とは何か?」という定義の話ともなると、人外好きの間でも議論が紛糾し、戦争になるところ。
この記事では、いわゆるモンスター・クリーチャー系の、フォルムが人間とはかけ離れた架空種族のキャラデザについて話します。「こんな人外を作りたい」というぼんやりしたコンセプトから、人外らしい外見を組み立てていく方法の解説です。
人型ベースの人外や、ケモノ・獣人系キャラの話は割愛します。そのキャラデザのコツだけで記事が3本くらい書けてしまうので…。
メカ・ロボット系も話が別です。メカデザできる方記事書いて…とか言ってたらりくもさん(イバラPTM)が書いてくださいました。多謝…!!というわけで、メカの解説は他の記事にお任せします。
こんな方向けの内容です。
そしてこれ以降、便宜上主にモンスター・クリーチャーを指して「人外」と表記することをどうかお許しください。毎回「モンスター・クリーチャー」って書いてると…長過ぎて…。
記事の内容は、大きく3つのパートに分かれています。
とても長い。1万字超えてる。適当に読み飛ばしたり、お好きなところだけつまんだりしてください。
これ誰が書いてるの?
はじめまして。ルランと申します。覚えていてくださる方はありがとうございます。
騒乱イバラシティで、Eno.969「一人と一匹」のPLをしていました。参加された皆様、本当にお疲れさまでした。
人外が好きです。人間より好きです。
いつも人外のキャラデザに悩みまくっているので、これまでに考えたことをこの機にまとめておこうという魂胆です。あわよくば誰かの役に立つといいな。
こういう怪文書に出番を与えてくださるアドカレ主催とそのサポーターの方々、毎年ありがとうございます。
記事内で作例に使用する人外キャラはすべて、私の創作キャラか、定期ゲに敵NPCとして提供させていただいた人外です。
コンセプト編
それでは人外キャラを作り始めましょう!!まずは、「こんな人外を作りたい」というコンセプトから。
人間キャラを作るときも、キャラの背景や、ロールでの目標などを設定すると思います。人外キャラも同じですが、それとは別に考えておきたいことが2つあります。
その人外の「生態」と、「人間と交流できるか」です。人外キャラは、この2点が外見に大きく影響するからです。
コンセプト編1:生態を決める
人間キャラはある程度フォルムや動きが決まっていますが、人外のキャラデザはゼロからのスタートです。キャンバスには人型の素体さえなく、まったくの白紙。
そこで生態を決めると、おおまかな姿を考えやすくなります。空を飛ぶなら、翼があるかも。水中を泳ぐなら、鰭があるかも。
あなたの作りたい人外は、どんな生き方をしていますか?
なんとなくでいいので、次の5項目あたりが考えてあると、キャラデザを固めやすいと思います。
最初から5つ全部埋まらなくても大丈夫です。人外キャラを送り出す舞台に合わせて、必要そうなところから決めましょう。
そんなのアイデアがないよ…!という方向けに、それぞれの生態の一例も挙げてみます。
創作なので、生態の組み合わせは自由。海底に二足歩行種族の文明を築いてもいいし、宇宙空間で星を食べて生きてもいい。己の性癖に刺さる生態を組み合わせて、君だけの最強の人外を作ろう!!
コンセプト編2:人間と交流できるかを決める
人外オンリーの舞台でない限り、創作キャラの多くは、人間かそれに準ずる種族です。「人間と交流できるか」は、その舞台における人外キャラのポジションを左右します。
今回は、「人語を話せる/話せない」と「意志疎通できる/できない」を軸に、人外キャラの交流能力をざっくり4タイプに分けて考えてみます。
あなたの作りたい人外は、どのタイプに当てはまりますか?
もし、定期ゲPCとして人外キャラを作るなら、「人間と意思疎通できる」人外の枠に収めた方が安全だと思います。ロールしやすいからです。
そして、その親しみやすさを、外見でも表現するといいと思います。人間たちに「ボク悪い人外じゃないよ…!」と、第一印象からアピールしていきましょう。
「人間と意思疎通できない」人外は、交流においてロールの難易度が跳ね上がります。対話の場に話が通じない存在を突っ込むのだから、それはそう。あえて敵対的に振る舞う(荊街でのアンジニティ側)とか、別のロール対策を打つ(対話できるキャラを添える)とか、ロールに工夫が必要だと思います。
逆に、敵・悪役としては、「人間と意思疎通できない」人外が向いています。話が通じないし危ない存在なので、気兼ねなくボコボコにできる!こちらも危険さを外見で表現して、エンカウントした人間たちに「共存の道などない」ことを一目で”””わからせ””””てやりましょう。
…第一印象を逆手に取って、「危険そうなキャラデザで交流を試みる」あるいは「親しみやすそうなキャラデザで敵に回る」手もあります。
版権キャラで例を挙げるなら(リンク先はネタバレを含む紹介です)、前者の異形系はこの子とか。後者の一見カワイイ系だとこの子とか。
個人的には、定期ゲのロールでやるのは上級者向けな気がします。相手のPC・PLに、「第一印象とのギャップに最後まで付き合ってもらう」ことを迫るため…。
コンセプト編3:「親しみやすさ」と「危険さ」の表現
というわけで、人外キャラは「親しみやすさ」や「危険さ」がひと目でわかる外見に作ろう!!…どうやって!?
基本は、自分自身が「親しみやすそうだ」「危険そうだ」と思うキャラデザをめざせばいいと思います。一応参考として、キャラデザの実践に入る前に、外見が与える印象の調整方法を少しだけ説明してみます。
人間が好感を持ちやすいものには、ある程度パターンがあります。その1つが、人間の赤ちゃんや動物の幼獣の姿です。「ベビースキーマ」と呼ばれているそうです。
親しみやすさの表現は、これを利用するとやりやすいです。赤ちゃんぽさを全部入れる必要はなく、要素の数で赤ちゃん度を適当に調整しましょう。
逆に、警戒心や忌避感を覚えるものにもパターンがあります。人間の歴史の中で、人間が痛い目に合わされてきたものの姿です。
危険さの表現は、この辺の人類のトラウマを利用するとやりやすいです。ただ、マジの恐怖症の人も結構多いので、描写のリアルさはほどほどに。
…でも、最終的にはやっぱり自分の感性に従ってくださいね!!自分が好きだと思うもの、自分にとって恐ろしいものを表現した方が、絶対面白い人外キャラになるはずです。
全身編
いよいよ、作りたい人外のコンセプトを具体的な外見に落とし込んでいきます。
まずは、コンセプトを元にして全身のフォルムを決めます。人外の外見は何でもありなので、どんなフォルムにするかは己次第。俺たちは自由…!
…とはいえ、何の指針もなしにキャラデザするのは大変すぎる。既存の何かをモデルにすると楽です。モデルから人外をキャラデザする方法は、個人的には3パターンあると思っています。
それぞれ、作例を挙げながら説明してみます。
全身編1:一つの種族・生物を改造する
いちばん簡単。
何か1種をモデルにし、パーツやカラーリングだけ改造します。ドラゴンなどのフィクション存在はもちろん、実在の動植物でもよし。コンセプトに合う種族なり、己の性癖に刺さる種族なりをとにかく1種、決めましょう。
モデルが実在の生物なら、目立つ特徴を誇張したり変形したりすると、架空の種族らしくなると思います。たとえばこれは、「霊獣」のコンセプトで鹿と金魚をモデルにしてみたキャラデザ。鹿は角を、金魚はヒレや鱗を誇張しました。
もっと手軽に、実在の生物に少しパーツや模様を足すだけでも、わりと架空生物っぽくなります。こちらは実在の鳥「ケツァール」をモデルにした創作鳥。長い尾と鮮やかな羽はそのままで、飾り羽根の数と色数を増やしています。
同じ種族でも、シルエットの一部やイメージカラーを変えれば、結構違う印象になります。このドラゴン2匹は、父子の設定でキャラデザしたもの。ほぼ同じフォルムで、パーツと色をマイナーチェンジしています。
なお、当然ながら版権の人外キャラを下敷きにするのはNGです。そんなこと言われなくてもわかってる方が大半だろうけど…!著作権侵害がNGなのは、人間キャラも人外キャラも同じです。
全身編2:複数の生物をキメラにする
先ほどよりちょっと手の込んだ方法です。
何種類かの生物を、いい感じに混ぜます。モデルを複数決めないといけませんが、モデルの選び方とツギハギの仕方で個性を出せます。気分はマッドサイエンティスト。
モデルにする生物のフォルムを保ってキメラにする方法と、フォルムを崩してキメラにする方法があります。
フォルムを保ってキメラにする
元の生物のフォルムを、そのまま生かしてツギハギします。なんとなく見たことある姿の範疇に収まるので、架空の種族でも実在感を出しやすいです。
上半身+下半身など大きめにパーツを切り分けてくっつけたり、大きく切り取った胴体に別種の足や頭などの小さなパーツをくっつけたり、大まかな形を崩さないようにツギハギしましょう。
どんな印象の人外になるかは、モデルにした生物によります。
可愛いイメージの生物、無害そうな生物をモデルにすれば、人間と交流できる人外を作りやすいです。こちらは、家畜になった生物のパーツを集めてみた人外。頭、胴体、脚、角…と、パーツ単位で違う生物から取ってきています。
肉食獣や、攻撃的なフォルムの生物を元にすれば、危険そうな人外にしやすいです。こちらは「クラーケン」のつもりで作った、タコ×棘のある巻貝のキメラ。柔らかい身体に殻をかぶせるとか、弱点を隠すようにツギハギすると強そうな感じ。
動物×植物など、離れたもの同士の組み合わせは、意外性を出しやすいかも。こちらは犬×海藻。動物の胴体はそのままで、尾や手足などの末端だけ別の生物に変えると、離れた組み合わせでもフォルムを保ちやすいです。
実在の生物×架空の種族のキメラにすると、実在生物の説得力と架空種族のファンタジーさをいいとこどりできてお得。こちらはクラゲ×クーシー(犬の妖精)、深海魚(デメニギス)×カーバンクル。
フォルムを崩してキメラにする
元の生物のフォルムを崩し、ちぐはぐに混ぜて異形にします。見慣れない姿が違和感を与え、不気味さや恐ろしさが出ます。人類(巨大主語)、見慣れないものを恐れがち。
気味の悪い印象になりやすいので、人間と交流できない、敵・悪役の人外作りに向いていると思います。
元の生物のパーツを細かく分割し、頭→腹、腹→背…と付ける位置をずらしたり、パーツを重複させたりするとフォルムを崩しやすいです。
こちらは、エイをベースに顔を頭部から腹部にずらしてみた人外。広がった身体全体を口に見立てて、牙を身体の外側に並べました。頭から顔をなくすとお手軽に異形になる。
獣らしい四足のフォルムを崩したくない場合は、足の数を増やしたり、足以外の場所を崩したりするといいかも。こちらはラーテル×ヤマアラシ。身体が崩れて中身が見えたり、血管や内臓が露出していたりするデザインは、フォルムが獣でも不気味。
モデルの生物が取りそうもない、不自然な姿勢を取らせるのも異形っぽくなります。こちらはウツボカズラ×ハシビロコウ。ハシビロコウの直立不動のイメージに反するよう、ウツボカズラの湾曲に合わせて前傾姿勢に。
傷跡やパーツの欠損があると、激しい戦いの経験や、腐敗したような老獪さを感じさせます。特にアシンメトリーなデザインは、体型の不自然さがわかりやすいです。
こちらは、キメラにしつつパーツを壊してみた人外。人外は人間より頑丈!このくらいじゃ死なない!と自分に言い聞かせて、思い切って壊しちゃいましょう。
全身編3:非生物をモデルに組み込む
さらに頭をひねる方法です。
機械や鉱石、日用品など、非生物をモデルにして、生物に落とし込みます。モデルにした非生物が持つ機能や印象を、人外キャラに付与できます。
非生物の形を似ている生物のパーツに見立てたり、パーツを部分的に置き換えたりするとやりやすいと思います。
こちらは、生物(マンタ)と衣装(フード・燕尾服)を混ぜた人外。マンタのフォルムを衣服に見立て、頭をフード、尾を燕尾服の裾にしました。
衣装的な外見は、十分な地位や知性、文明がある設定と相性がいいと思います。あとまあ人造とか元人間とも相性いいんですが…。
頭を丸ごと無機物と挿げ替える「異形頭」は、定番中の定番。ついでに、「骨」をそのまま肉体にするのもあり。描くのがめちゃくちゃ大変になるけど…!!!
こちらはシャチの骨格+注射器。人間の夢を吸い取る幻獣の設定でした。骨格はそのままだと難しすぎるので、適当に簡略化。尾びれは骨格だとないので足しています。骨人外には適度な嘘も必要。
もっと極端に、生物のフォルムだけを保って、全身の素材を非生物にするのも架空種族っぽい。金属や鉱石を素材にすれば、綺麗な印象になります。
パーツ編
最後に、細かいパーツについて。
角、牙、爪、翼、尾。人外には魅力的なパーツがいっぱい。何より大切なのは己の性癖に正直にパーツを付けることですが…パーツの付け方にも、最初に考えた2つのコンセプトを生かすといいと思います。
その人外の「生態」と、「人間と交流できるか」。
空を飛ぶものに翼を、肉を裂くものに爪と牙を。言葉を発するなら口があるかも。意思疎通できるなら、瞳や耳に表情が表れるかも。
コンセプトをパーツに反映させると、その人外が与える印象を補強できます。
個人的に、特に大切だと思っているのは瞳と口です。瞳と口に特徴を持たせるだけで、ガラリと印象が変わる気がします。
また、瞳と口で作る表情は、全身のフォルムで醸す雰囲気以上に「人間と交流できるか」の第一印象に影響しやすいです。顔アイコンの使用機会が多い定期ゲPCなら余計に。
表情が読み取りやすいほど親しみやすく、表情が読み取りにくいほど危険そうに見えます。
瞳、口と、そのほかのパーツについて、それぞれ説明してみます。
パーツ編1:瞳を考える
瞳は、その生物の生態とその個体の感情を、わかりやすく表すパーツ。人外キャラは、単眼・多眼など、特徴ある瞳にもできます。
まず、瞳孔の形。人外キャラの生態を表現できます。代表的な形は、縦長、横長、円形の3つ。縦長は夜行性や肉食獣、横長は草食獣、円形は人間と同じでニュートラルな印象。コンセプトや好みで選ぶといいと思います。もちろん、もっと風変わりな形で個性を出すのもよし。
瞳の数は、一対二個がいちばん安定。特別な印象を与えないので、コンセプトに合わせて味付けしやすいです。迷ったらこれ。とりあえず生。
単眼・多眼でも、左右対称で顔に収まっているなら、まだ強烈な異形にはならないと思います。瞳が2個ではない生物は結構実在するので、生物モデルの人外キャラには割とありがちなデザインです。
数が増え、本来の顔の配置からずれていくにつれて、異形度が上がってきます。
瞳の数や形を問わず、動きやハイライトで視線を付けたり、瞳を細めた表情を見せたりすると、「意思疎通できそう」感が出せると思います。アイコンタクトできること、視線で感情を表せることがめちゃくちゃ大事。人間自身が視線でコミュニケーションする生物だからですね。
表情を持たせづらい瞳でも、瞳孔を使って視線の方向をハッキリさせると、多少「意思疎通できそう」感が出るかも。
反対に、ハイライトの入り方が不自然な瞳や、瞳孔の向きが安定しない瞳にすると、危険な人外感が出せると思います。表情が読み取りづらいので、意思疎通できそうもなく見えるからです。
これはイバラシティで使用していた多眼のカットイン。胡乱な目付きを目ざしていました。
もっと極端な例として、瞳らしい瞳がないキャラデザもできます。どこを見ているかわからず、アイコンタクトもできないので、謎めいた雰囲気や怖い雰囲気にしやすいと思います。
こちらは敵NPCに採用いただいたカットイン。話が通じなさそうな方が良いかな…と勝手に思って描きました。
パーツ編2:口を考える
言葉を発し、ものを食べるパーツ。その人外が何を語り、何を糧に生きているかが表れます。
その口で笑えるかどうかも大事です。笑える口があることは、親しみやすさを一気に上げてくれます。
わかりやすく印象を作るのは牙の有無。牙があるといかにも肉食獣っぽいので、その人外の危険さや強さを表現しやすいです。牙が鋭くて大きいほど危険そうに見えます。
牙があっても笑うことができれば、親しみやすそうに見せられます。人間キャラの笑顔と同じで、口角を上げればいいです。牙を見せながら笑えば、人外感と親しみやすさのハッピーセット!!
人間含む哺乳類の口は上下に開くので、横方向や円形に開く口にすると、異形度が上がります。
また、口は数と位置が異形さに直結しやすいです。瞳が複数ある生物は地球上にも結構いますが、口が複数開いている生物は滅多にいないのです。
口を1個でも増やしたり、位置をずらしたりすると、それだけで強い個性になります。こちらはだいぶ思い切った口の配置にした人外。
瞳と同じく、口らしい口がないキャラデザもあり。声を発するパーツがなく、一見会話できそうもないので、謎めいた雰囲気になると思います。こちらも敵NPCに採用いただいた人外。戦闘中のセリフがないキャラだったので、じゃあ口もなくていいかなと思って…。
あと、鳥系の人外では、口がくちばしになります。ここまで行くとマニアックな話ですが、キャラによってくちばしの形に変化を付けても面白いかも。
パーツ編3:そのほかのパーツ
瞳と口以外の部位も、「生態」と「人間と交流できるか」のコンセプトを反映させると面白いかも。人外キャラデザに使えそうなネタを、挙げるだけ挙げてみます。
以降の説明は、あくまでアイデア出しの手助けを狙うもので、この描き方が正しいということではありません。繰り返しますが、何より大切なのは己の性癖に正直にパーツを付けること!!です!!人外キャラデザは自由!!どうか自分の好みを優先してください。
耳・角
頭のデザインが物足りないときに気軽に生やすといいです。逆に、既にある生物から外すと、特徴が消えてしまいパッとしなくなりがち。
定期ゲPCなら、動く耳はアイコンでの感情表現にも使えると思います。飾り羽根やヒレで代用するのも手。
脚・腕・指・爪
立ち姿に影響するパーツです。移動時の姿勢や、道具を使うかどうかに合わせてみるといいかも。
どちらかというと描き方の話ですが、パターンを紹介してみます。
翼
生やすと強そうになるパーツの筆頭。飛ぶ生き物は長距離の移動性能が抜群に高いので、人間キャラを乗せて運ぶ設定もできます。翼の付け根から胸筋にかけてをたくましくして、上半身にデザインの比重を置くとリアル。
神聖さや悪魔っぽさも出せます。
尾
泳いだり飛んだりする生物では、移動の要になっているパーツ。陸生だとそこまででもないので、使い方がいろいろあります。
現実ではコミュニケーションにもめちゃくちゃ使うのですが、定期ゲだとアイコンにしにくいのが難点…ロールで描写してみるとか。
体表
親しみやすいデザインとしては、羽毛か体毛のもふもふ系が安定。鱗や甲羅だと頑丈で強そう。粘膜や軟体は、気味悪さや異形さを出しやすいと思います。また、色や飾りで個性が出るところです。文明的な人外なら、編んだり染めたりすることもあるかも。
色を変えたり光ったりする能力を持つ設定もあり。アイコンの用意が大変だが…!!!!
植物系のパーツ
形にバリエーションがありすぎるので、描くときや資料検索で役立ちそうな話だけ載せておきます。モデルにする植物をこれと決めてキャラデザに組み込むのが早いと思います。
衣服・装身具
現実ではほぼ人類の専売特許。その分、文明や知性があるイメージと結びつけやすいです。
以上、パーツの話でした。
ここで挙げられなかったパーツもたくさんあります。何でも付けてみるといいと思います。創作は自由。
基本的に、パーツが多くて豪華なほど、強くて偉そうに見えます。弱い人外の設定にしたいなら、あえてパーツを削るのも手です。
定期ゲPCの場合、豪華にしすぎるとカットインなどを作るのが…超大変になります…!!!!描きやすい程度に部分的に豪華にするのもありだと思います。
おわりに
このめちゃくちゃ長い記事をここまで読まれた方、お疲れさまでした。本当にありがとうございます。
ここまでの人外キャラデザの話を一言でまとめると、
使えるネタは何でも使おう!!
何でもいいです。目についたもの、好きなものをモデルにしてください。面白そうなモチーフはどんどんぶち込んでください。その闇鍋じみたレシピから、あなただけの種族が、ここにしかいない生物が生まれてきます。案外どんなものでも、生きた人外にできる…はず!!
人外キャラの創作は、人間キャラよりとっつきにくいかもしれません。でも、人外キャラが増えることで救われる人外好きの命があります。本当にあります。少なくとも私は、今まで何度も誰かの創作人外に性癖を救われてきました。人外キャラデザは慈善事業です。
この記事が誰かの創作の助けになり…人外キャラデザが少しでもやりやすくなれば!幸いです!!
それでは、よき創作ライフを!!!!
人外キャラの内面編は?
…と、いうわけで、人外キャラの外見の話でした。じゃあ内面編は!?
人外キャラの内面設定や、人外っぽく見せるロールプレイのコツは、これまでのアドカレでもう記事を書いてくださった方がいます。やったー!!ありがとうございます!!これで身も心も人外だ!!!!
2019年アドカレ
2020年アドカレ
勝手ながら紹介させていただきました。私の目が節穴なせいで見落としている記事があったらごめんなさい。
ロールする上での基本的な注意事項は、人間キャラと変わらないと思います。どんな奇抜な化け物をやっていても、中の人は人間同士ですからね。
おまけ:資料になるWebサイト
最後に、キャラデザの参考資料になりそうな写真や動画が見られるWebサイトも紹介してみます。内容にある程度信頼性がありそうなところ(※筆者調べ)(※信用しないでください)に絞りました。
アイデアが出ないよ〜!とか、異種族の身体の作りわかんないよ〜!ってときに眺めると便利です。
実在の生物について、正確かつ詳しく知りたいなら書籍の図鑑類を見た方がよいと思います。ただ、リアタイでガンガン投稿される写真や動画が見られる点ではWebサイトがめちゃくちゃ強い。
動物大図鑑 ナショナルジオグラフィック
自然科学系の情報誌:ナショナルジオグラフィックが作っている動物図鑑。世界中の脊椎動物が画像付きで詳しく見られます。長年雑誌を作ってきた機関だけあって、写真がとても綺麗。
NHKアーカイブス
NHKの動画アーカイブ。動物の名前で検索すると、その動物の映像が記録されていれば動画が出てきます。姿勢や動きを見たいときに参考になるかも。
CT生物図鑑
生物のCTスキャンを見られる変わったサイト。収録数は少なめですが、骨格や筋肉などの内部構造が見られます。骨人外とか描きたいときに。
日本の鳥百科 サントリーの愛鳥図鑑
BOSSコーヒーとかストゼロとか売ってるあのサントリーの図鑑。なぜかずっと愛鳥活動をしている企業で、内容は結構な充実ぶり。鳴き声まで聞けるのがすごい。鳥の声RPの参考になる(そんなRPする人いる?)。
みんなで作る魚図鑑
ダイバーのネットワークが運営している、ダイビング中に水中撮影された写真を集めたサイトです。生きて泳いでいる魚の姿が見られるサイトは結構貴重な気がする。Web上の魚類図鑑、釣ったあとの写真が多いので。
爬虫類図鑑
爬虫類ショップが公開しているWebサイト。飼育できる爬虫類・両生類の情報が中心。カメやトカゲなどをいろいろな角度から見た写真が載っています。
昆虫エクスプローラ
昆虫図鑑を作っている、老舗の個人サイト。研究機関や公的機関のサイトではないのですが、昆虫画像の収録数は折り紙付き。姉妹サイトで昆虫以外の生物も見られます。
エバーグリーン植物図鑑
日本の植物を中心に、投稿写真で図鑑を作っているサイト。いろいろな角度から撮った植物の写真が見られます。植物系のWebサイトだと観葉植物の情報が多い中、野生・原生の種類が多いところがえらいと思う。
花好きを応援!総合花サイトみんなの花図鑑
花を育てている人の投稿で花図鑑を作っているサイト。花の色や誕生花から検索できます。花言葉も載っているので創作向きな気がする。
そのほか、各大学や研究機関が独自の生物図鑑を作っていたり、動物園や水族館が飼育動画を公開してくれていたりします。写真や動画が見放題!便利な時代〜!人外キャラデザに悩んだらとりあえず検索だ!!
ただ、画像検索でパッと出てくる写真は、説明が誤っていることも多々あります。メジロの写真が「ウグイス」で載ってるとか本当にある。
特定の生物をモデルにするなら、この写真誰が撮ったんだろう?種族合ってる?というところは、資料検索で気に掛けると安全だと思います。
これで本当におしまいです。長い!!お疲れさまでした!!
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