乾燥機を回す前に重さを計る

乾燥機が新しくなった。この乾燥機を何分間、回せば良いのか…ということで、実験というほどの実験ではないが、とりあえず実験してみた。
なお、この note は、文系文系した方々には読みづらい点があるかもしれないが、そこは軽くスルーしていただいても全く構わない。ざっくり読んでも、意味は通じると思う。

用意したもの

・体重計
・洗濯物(今回はバスタオル3種類)

できれば体重計は小数点以下が細かいものが望ましいのだが、とりあえず今回は、私が普段自分専用で使っている、100g単位で計測できるデジタル体重計を用意した。
なお、私は普段タオルではなく手ぬぐいを愛用している。このバスタオル3種類というのは、正確には足ふきマットや座布団などといった、バスタオルを使って作られたものである。もう少し補足説明すると、これは来客用としてお出しするには傷んでしまったバスタオルをリメイクしたものである。そのため長く乾燥機にかけるとボロボロになるため、あまり長時間かけられないという台所事情があるのであった…。

手順

1. 脱水の終わった洗濯物を抱きかかえて体重計に乗る(a)
2. 洗濯物を持たない状態で体重計に乗る(b)
3. 洗濯物を乾燥機に入れて乾かす
4. 乾燥機から取り出した洗濯物を抱きかかえて体重計に乗る(c)
5. 洗濯物を持たない状態で体重計に乗る(d)

イメージとしては、イヌやネコといったペットの体重を計る時のような感じである。全部で4回、体重計に乗る。それぞれの重量を順にa, b, c, dとすると、まず a - b で脱水が終わった段階における洗濯物の重量がわかる。そして c - d で乾燥機から取り出した洗濯物の重量がわかる。
基本的に b と d には差がないのだが、例えばポケットにスマホが入っているかどうかなど、微妙に違いが生じることも考えられる。そのため、かなり面倒ではあるが、念のため乾燥機を1回使うごとに4回の計測を行うことにした。

予想と仮説など

厚さによって乾きづらさに差が出ると言うが、実際のところ、どうなのだろうか?
今回、こんなアホみたいに何度も体重計に乗って私がやりたかったことは、こういうことである…

まず、脱水の終わった洗濯物の重量 (a) は、完璧に乾燥した洗濯物の重量 (a') に、水分の重量 (w) が加わっただけである、と仮定みた。

a = a' + w

新しい乾燥機を何分か使うことで、乾燥機から取り出した洗濯物の重量 (c) に含まれる水分 (w') は、もとの w よりも減っている。

c = a' + w'

ここで脱水の終わった洗濯物が完全に乾くとは、 a = a' となることだから、w と w' の差(乾燥機によって蒸発した水分の重量)が乾燥機を t 分回すことで、どのように変化するかを調べる。

dw = w - w' = f(t)

必要以上に長い時間、乾燥機を使うと、洗濯物が痛む。エネルギーのムダでもある。この f(t) がわかれば、乾燥機を回す最適な時間を求められるのではないか、と考えたのだった。

横軸に時間 t を取り、縦軸に蒸発した水分の重量 dw を取って f(t) のグラフを描くと、おそらく、ある直線の付近にデータが集まることと予想できる。何回か乾燥機を回してデータを集めて回帰直線を求めれば、乾燥機を回す最適な時間をグラフから読み取れたら良いなぁ…という気持ちで、こんなアホみたいなことをしてみた。

結果と結論と提言

こんなアホみたいなことをしてみた結果は、シンプルだけど奥深いものであった。
というのも、まず t = 30, 40, 50 のそれぞれにおける生乾きのデータは綺麗に一直線上にプロットされたのである。これは用いたバスタオルの種類によらず同一直線上にプロットされた。そして t = 60 の場合は、この直線よりもやや下にプロットされた。
乾燥機の受け付けてくれる洗濯物の重量のこともあり、60分以上回すようなことはしない。

「ある直線の付近にデータが集まる」という予想は、半分正解で半分不正解といったところである。生乾きだと直線上にデータは集まるという点では当たっている。しかし、完全に乾燥してもまだ乾燥機の回っているオーバーラン状態が発生すると、そのデータはこの直線よりも下にプロットされる。
ここでオーバーランには「仕方のないオーバーラン」と「回避可能なオーバーラン」があることに注意されたい。この乾燥機は10分単位でしか乾燥時間を設定できない。もう10分短くても完全に乾燥させることができたのであれば、そうすべきだ。しかし、もう10分短いと生乾きになるというのは仕方がない。

ともかく、こうして回帰直線を計算するまでもなく、小学生程度の算数の知識で解決できる結論を得ることができた。これからは、乾燥機にかける前に重量を計ることで、予めどれだけの水分を蒸発させれば良いかを調べ、それに見合った時間だけ乾燥機を回すことができる。

ところで、これは乾燥機メーカーさんに一つ提言したいと思う。乾燥時間を設定するのではなく、目標とする乾燥重量を設定するような乾燥機は、作れないものだろうか。
服を着る前に、合計の乾燥重量を計っておく。脱いだら洗濯をして、乾燥機にかけるのだが、そこで合計の乾燥重量を乾燥機に入力する。そうすると、入力された重量に達した段階で乾燥機のスイッチが自動で切れる…と、そういう省エネな乾燥機を作って欲しいと思う。
おそらくドラムの重量を計測するばねばかりのような構造があって、水分が蒸発することで軽くなるとばねばかりのバネが縮むことで「b接点」が切れるという感じのシステムで実現可能だと思う。タイマーよりは使う電子部品がシンプルになるから、製造コストも抑えられるのではないだろうか。

この記事が参加している募集

やってみた

何もサポートは金銭に限りません。「スキ」をすることやシェアすること、素直なコメントを残してくださることも、立派なサポートです。 それでも金銭的なサポートをされたい方は、どうぞご自由に。