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GTGSアジェンダブログ(3):日本のスマートシティと経済回復

世界経済フォーラム第四次産業革日本センターのスマートシティプロジェクトチームより、アジェンダブログが公開されました。プロジェクト長のRushi Rama、プロジェクトスペシャリストの平山雄太の共同執筆でお届けです。

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イノベーターのジレンマ

定刻に到着するバス、ミスの少ない行政――日本は従来の「アナログな」システムを効率的に運用する能力に長けていたためにデジタル・トランスフォーメーションに遅れをとってしまったのかもしれません。イノベーターのジレンマともいえる状況にもがくなかで発表された日本の「デジタル庁」の新設は期待と熱意をもって迎えられました。デジタル社会の実現に向けた、この新たなイニシアティブとビジョンは、何百万人もの都市住民の生活を向上させ、経済成長を促進するというスマートシティの将来性と一致しています。

トップダウン、ボトムアップの変革

国レベルでの後押しといえば、日本のスマートシティ関連法律の代表格「スーパーシティ法」です。その肝は、都市のデジタルトランスフォーメーションに向けた官民連携の強化、そして異なる行政管轄区域間におけるシステムの「インターオペラビリティ(相互運用性)」にあるといいます。

都市レベルも変革に向けた舵が切られています。同ブログでは、自治体やパブリックセクターによって推進されている都市レベルでの変革の動きを紹介。捺印を廃止した福岡市や、参加型民主主義のプラットフォーム「Decidim(ディシディム)」を導入した加古川市など、さまざまな取り組みを挙げています。

競争から協調へ

これまでの都市は、どちらかというと互いに競争関係にありました。認知度や投資誘致を競い、システム構築などはそれぞれがベンダーと個別交渉し、連携することなく進めてきたわけです。その結果はベンダーロックインや嵩む設備投資といった状況を招きました。G20 Global Smart Cities Alliance (GSCA) は、こうした非効率的な競争関係を協調関係に転換し、スマートシティという新しい取り組みについて規模に関わらず様々な都市が互いに学びあい、グローバルな基準を具体化し、共有する活動を展開。GSCAは現在、プライバシー、インターオペラビリティ(相互運用性)、ビジネスモデルなどの重要な課題に関する議論の収斂を主導しています。

GTGS、スマートシティセッションは4月7日(木)19時から!

個別最適化を目指すのではなく、グローバルで開かれた市場において人々の暮らしを改善していくために、デジタルサービスをどう実装するべきか。GTGSでは、国交省・赤羽大臣がスマートシティセッションに登壇し、世界のリーダーと議論を交わします。お楽しみに!

4月7日(水)19:00-19:45【国交省・赤羽大臣登壇!】
経済復興とスマートシティ(Economic Recovery with Smarter Cities)

パンデミックに起因する経済悪化は、米国だけで1兆ドルに達する地方財政危機を引き起こすと予測されています。地方経済を再起動するために、技術はどのような役割を担えるでしょうか?そして、限られた予算の中でどのようにアーバン・テクノロジーに投資していくことができるのでしょうか?

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執筆
世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター
ティルグナー順子
大原有貴(インターン)

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