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さるぶつ道場 剛体にはたらく力のつりあい3解答

鉛直面内で静止する物体2:コの字型

 問題はこちらです.

 点Oを釘に掛けて,鉛直面内でなめらかに回転できるようにしているので,点Oの位置から見た重心の位置は,鉛直線上の真下です.したがって,図1のように重心の位置を求めれば,自然と角度 $${\theta}$$ は求まります.重心には全ての質量が集まっていると考えて,平面の問題を1次元上の問題として考える練習をしましょう.
 力のモーメントを計算したい人は別解のように考えてください.力のモーメントは,回転軸から作用点までの距離(位置ベクトル)と力の積(外積)です.図2のように,平行四辺形を長方形として計算できるようになると,随分簡単に考えることができます.それぞれの力が回転軸から見て,どちら向きに回転させる力かを判断しましょう.

図1

 一様な針金なので,図1のように各辺の重心はそれぞれの辺の中点a,b,cである.辺OAと辺BCの2辺の重心は点 a , cの中点 d である.1辺の質量を $${m}$$ とすると,点 d には $${2m}$$ の質量があることになるので,全体の重心は線分 bc を点 b 側から 2:1 に内分する点 G である.線分 OG は鉛直線上にあるので,各辺の長さを $${l}$$ とすると $${\overline {Ob}=\frac{1}{2}l}$$ ,$${\overline{\mbox{bG}}=\frac{1}{2}l\cdot \frac{2}{3}=\frac{1}{3}l}$$ より,

$${\tan \theta =\frac{\frac{1}{2}l}{\frac{1}{3}l}=\frac{3}{2}}$$

別解

図2

 1辺の長さを $${l}$$ ,各辺の質量を $${m}$$ として,点Oのまわりの力のモーメントのつりあいを考えると,

$${m{\text g}\cdot \frac{1}{2}l\sin \theta-m{\text g}\cdot \frac{1}{2}l \cos \theta -m{\text g}\left(l\cos \theta -\frac{1}{2}l \sin \theta \right)=0}$$
$${\sin \theta- \cos \theta -2\cos \theta +\sin \theta =0}$$
$${2\sin\theta=3\cos \theta}$$
$${\tan \theta &=\frac{3}{2}}$$

 重心については,こちらのブログを参考にしてください.また,力のモーメントについては,こちらのブログを参考にしてください.

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