どんな人と働きたいですか?という質問で我が身を振り返る話とtips
LINE人事の青田さんにお声がけいただき、HR Advent Calendar 2020「○△に大切な□×」をテーマに12/20を担当させていただきます。私自身、錚々たる執筆陣の皆さんが書かれているステキな内容を読者として楽しみながら今日に至っています。この記事もご笑覧くださいますと幸いです。
なんでもやってるDMMで人事責任者をしている林です。
最近、当社の事業数を正式に数えたところ58個でした。社内ではこれから更に立ち上げる予定の事業の話を聞いたりしながら、中の人としても本当に色々やってる会社だなあと日々感じることができる、そんな会社です。
育成,制度,採用,労務,HRBP,データの人事領域を管掌している役割の一環で、新卒採用の選考プロセスに登場していまして、面接の場面で学生の方々から色々と新鮮な質問をもらいます。
いずれの質問にも誠意を持って相手に伝わるように出来る限りの言葉を尽くすわけですが、自分の経験が増えていくにつれて断言できることは減っていき、分かることが増えると分からないことも増えるなあという感覚に陥っています(余談でした)
さて、タイトルにある質問、面接官を担当されている方であれば一度は受けた経験があるのではないでしょうか。みなさんはどのように回答していますか。
本稿は、自分自身がいつも回答しながら、「お前自身はどうなんだよ」と心の中のリトルミーがツッコミを繰り返している内容を書きつつ、就職活動をしている頃の自分へ伝えてあげたいtipsを添える、そんな構成で進めていきたいと思います。
あなたは、どんな人と働きたいですか?
好奇心と実行力が高いレベルでバランスしていて かつ 知的誠実さを備えている人物
以下キャプチャのようなイメージで、私は右上でありたいと思っています。
自分自身が関与する特定領域,プロジェクト,チームにおけるThought Leaderであり、自ら前線に赴くDoerであり続けたいです。
なお、ここでいう好奇心は一般的に意味する”ものごとを探求する根源となる感情”のようなものよりも幅広く捉えていて、いわゆる三遊間に課題や問題があるときにそれを主体的に詳らかにする苦労を厭わない姿勢も含みます。平たい表現で言い換えると「落ちているゴミを跨がないような基本性格」です。
(こういったフレームは便利なのですが分かり易さが先行してしまうところが悩ましいですね、実際は4象限にキレイに分かれるはずもなくグラデーションであり状況や論点により個人であっても多地点にプロットされるものだと思っています)
それぞれの特徴を少し補足します。
【左下】好奇心(低) × 実行力(低)
学習性無力感のような状態もここに当てはまると思っています。
個人的には人間誰しもパチっとハマる環境があれば花が開く可能性を秘めているものと信じているタイプですが、原因の個人or組織は別として保守傾向が比較的つよい状態。
【左上】好奇心(高) × 実行力(低)
意識が高いことそれ自体は良いことだと思っています。
考えは深いものの、バランスを間違えると批評家になりかねない状態。
【右下】好奇心(低) × 実行力(高)
「拙速は巧遅に勝る」と言われていてこれ自体には私も大賛成です。
ただし、拙速であることを選択しているという自己認識なく無闇矢鱈に突撃しようとするような蛮勇では任せられる仕事が限定的になりがちな状態。
【右上】好奇心(高) × 実行力(高)
もうステキです。
自律的に課題を発見して診断して企画して実行して解決するひと。
知的誠実さが象限間の移動を支援する
この象限を分けて個人をプロットすること自体は頭の体操みたいなもので何を生み出すわけでもないです。
もっとも大事なことは、自組織に入社した個人が組織内での体験や出来事を通じて漸々と右上の象限へ移動することができるかどうかを想像することにあります。
勿論、それを実現するために企業側の努力が必要なことは大前提で言わずもがなですが、個人の特性として重要な要素に絞込んだ時に大切なことが「知的誠実さ」だと考えています。
(素直さとか言われたりもしますが、個人的には相手の意見をただただ丸呑みすることまでを是とするような危ういニュアンスが含まれてるような気がしており、知的誠実さという言葉を好んで使っています)
知的誠実さを備えている人物の行動特性をあげるとするならば以下のような感じで、、、
・興味があることをすぐに調べる
・分からないことをそのままにせず調べて学ぶ
・第一人者や現地からの情報取得にかかるコストを進んで取る
・自分が知らないことを謙虚に知らないと表明できる
・自分は誰に対しても相対的に劣る部分があることを知っている
・自尊心を保つ目的ではなく相手に伝わるように言葉を尽くす
・自尊心が実力よりも前に出すぎていないこと
・相手の自尊心を傷つけずに尊重できる優しさがあること
・形容詞での虚飾ではなく事実描写を意識した会話ができる
・相手のことばを鵜呑みではなく自己責任で咀嚼して受け入れる
などなど
書いていて凹みますね、自分まだまだです。
学びの消化吸収を早めるtips
こういった知的誠実さを備えた言動を仕事の基礎的な振る舞いとして身につけるために、学生時代なのか就職したばかりなのか、昔の自分へ伝えたい。
日常の体験することすべてについて、出来る限り意識的にインプットしながらアウトプットする癖をつけるということ。
具体的には「それどうだった?と聞かれた時に自分の意見を明確に応えることができるように言語化すること」です。
具体と抽象を行き来する、スループットの処理量が日常から多い人は学びの消化吸収が早いなあと感じます。クイックラーナーといいますか、なにか体験した事象や、誰かの体験談や主観情報を摂取しながら、それらをメタ化して自分の状況に置き換えつつ咀嚼することができる。
中途採用においても、未経験で別職種にチャレンジして早期に活躍するような方々はこの特徴を強く保有しているような気がします。
(あ、具体と抽象と言えば、まさにこの本は参考になると思います「具体と抽象」)
映画を見た、本を読んだ、人の話を聞いた、何かしらの意思決定が行われた、ニュースを見た、何でもいいです。自分のスタンスを決める、その瞬間の完成度はどうでもいい、ただただ、自分の見解を明確に答えられることが重要だと思っています。
知的誠実さを持ち合わせていれば、自分の答えに固執することなく相手の意見を聞いて、かつその意見のコアとなる部分を選りだして自分の意見との違いを照らして、違いを違いとして純粋に受け止めて、事柄を理解する引き出しとして自分の中にストックすることができる。
こんなイメージでしょうか。
学生時代の私は理解できないかもしれないので、もっとシンプルにいうと、「まあとにかく、勉強会とか参加した時に質問がいっぱい思い浮かぶような状態であり続けろよ」くらいが良い気がしてきました。
お前はどうなんだ
いつも反省してばかりです。
正直、言語化を諦めてしまったり、面倒だなと楽な方に流れてしまったり、まだまだです。
自分自身の好奇心=課題の質は変容しているのか、実行力は強くなっているか。
理想を掲げて逆算しながらも、落ちているゴミを跨がずに課題を発見しては手を突っ込んで解決して、現在地点からの進歩を仲間と一緒に手をとりあって楽しむことが出来る、そんな生き方でありたいと思うばかりです。
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