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ウェブメディアの編集長が文章の直しをやってみた。

ウェブメディア編集長で執筆指導の講師が文章の添削を行います!と先日SNSで募集しました。(添削・てんさく=文章の直し)

応募があったので早速直します。

文章ならなんでもOKという条件で募集しましたが、今回はメルマガです。

森山たつをさんが運営している「サムライカレープロジェクト」のメルマガで、サムライカレーは「学生に海外で日本のカレーライスを作って売らせる」という非常にユニークな海外インターンです(注・イメージ画像はサムライカレーと関係ありません)。

酷い文章だと書き直すレベルの添削をやりますが、そのままでも問題ない位しっかり書かれていたので今回は細かい直しが多くなっています。

では早速添削開始ということで。
※画像で赤字の部分が添削箇所です。

内容
サムライカレーメルマガ
読者数約500人。この3年間でサムライカレーに資料請求をしてくれた人。
目的
文中にある動画(2種)を見てもらうこと
Webページをみてもらうこと
LINEにメッセージを送ってもらうこと
サムライカレーに申し込んでもらうこと

まずはタイトル、取材を受けた媒体は明記した方が良いです。あえて伏せて興味を引く書き方もありますが、この場合はタイトルなので具体的に。信用につながるのと固有名詞は非常に強いヒキがあります。

先日「電通発言」が大騒ぎになりましたが、電通発言について書いた記事でも「これだけ大騒ぎになったのは電通という固有名詞が理由」と説明しました。

固有名詞とはヒト・モノ・コトに関する具体的な名称です。ある人とか某企業といった書き方はせず、問題が無ければ名称をハッキリと書いて下さい。理由もなく名称を伏せたり曖昧にする人は結構多かったりします。

固有名詞を入れた方がエピソードとして具体的になって信用度も増します。特に有名な固有名詞であるほどヒキはより強くなります。

一方で電通発言が誤報として大問題になったように、固有名詞絡みで間違えたりおかしな事を書くと大炎上します。

というわけでタイトルでも本文でも固有名詞はガンガン入れましょう、でも慎重に、という事で。

メルマガでも記事でもタイトルで読まれるかどうかほとんど決まりますので、一番こだわるべき個所です。

「この」を削除
「マスコミ的に」→「マスコミで」

こそあど言葉は不要なら削除した方がスッキリします。
マスコミ的にの部分もスッキリと。

このくらいであれば好みで決めても良い程度の部分ですが、文章の無駄=贅肉を徹底的に省くと文章全体の読みやすさが劇的に向上します。一個一個のちょっとした読みにくさは大した問題ではないんですが、量が多いと読者のストレスになって最終的には途中で離脱されます。

そうならないように文章のストレスを徹底的に取り除くべき、ということになります。自分はこれを「小石は徹底的に取り除け」と説明してます。

文章・文体に個性はいらない、白米のような文章を書いて中身で勝負を、とアドバイスすることもありますが理由は同じです。

「先月募集開始した」→「先月募集を開始した」
「申込」→「申し込み」

誤字脱字とまで言えないですが漢字が6コ並ぶと読みにくいので修正。
「申込書」ならいいんですがこの場合は「申し込み」で。

参加申し込みの状況について、この時期でこの人数は凄い勢いという意味だと思いますが、スムーズに理解できないので直してます。多さを強調する際に半数というワードもイマイチです。

「という」は文章を組み立てる際に便利でつかいがちですが、多用すると読みにくくなります。出来るだけ削った方が良いワードです。

「の」の重複を修正。
「もらって」→「頂いて」

「の」の重複はルール違反なだけでなく実際に読みにくいので別の表現で。「アナウンス入り」の個所も「の」の重複なので修正。

「もらって」はお客さん向けに丁寧に書いている文体に統一するために「頂いて」に修正。


「見れば」→「見て頂ければ」
「人」→「方」

ここもトーンの統一の観点で修正。
ビックリマークの後は空白を入れるのも原則。

「カレー」を文中に書き加え。

メルマガ読者には言わずもがなかもしれませんが、何の販売??とハテナマークが頭に。その直前に「12/24〜1/7」とあり、その後で「12/31夜から1/1朝まで」と日付が二つあったのも混乱の原因かと。

主語を省いた方がスッキリするのが日本語の特徴ですが、意味が通らないのではダメなので、初見の人も対象ならこの場合は主語アリで。

「できる」→「可能or頂ける」

「出来る」は「可能」「頂ける」どちらかの方がスムーズかと。
ここもトーンの統一で。頂くは多用すると鬱陶しく見えるのでスッキリ読めるように可能を選択。

「ちなみに」は問題ありませんが、トーンを統一するなら「なお」に。

トーンの統一は基本中の基本ですが、時々あえてブレさせて注意を引いたり目出せるのもテクニックの一つ。意図的にやるのは問題ありませんが無意識でしたら注意を。


「多いです」は文章として美しくないので変更。
「多いのです」でもOK。

「しかし」が短い間隔で使われていたのと、無くても平気だったので削除。
どうしても必要な場合は別の言葉にするなど。この場合は「しかし」を「ただし」に変えるなど。

接続詞は削除すると文章がスッキリして読みやすくなります。接続詞は思った以上に文章にブレーキをかけるので徹底的に削除で。特に「だから・それで・すると」などの順接は不要。無くても平気なら削除する、なおかつ無くても読めるような文章にする、という感じで。

「という」を削除。
その他不自然な個所の修正など、これまで説明した趣旨と同様に細かい直し。

以上、添削終了です。元の文章でも普通に読める内容だったので直しはわずかで時間もあまりかからず終わりました。

文字数で2400文字程度でさほど長くはありませんが、この長さでこの内容、書き慣れていない人ならここまでしっかり書くのはまず無理です。

冒頭に書いたように、チマチマと細かい直しになった理由は元の文章がそのまま公開できるレベルでしっかり書かれていたから、という説明になります。

公開添削を希望する方は中嶋のTwitterかフェイスブック、シェアーズカフェの公式サイトからご連絡を。ボロクソに文章を直されても良い方、お待ちしてます。(添削の可否はこちらで判断しますのでご了承下さい)。

森山さんのサムライカレーに興味のある方は以下のリンクからどうぞ。公開添削にご協力ありがとうございました!!

中嶋よしふみ シェアーズカフェ・オンライン編集長 ビジネスライティング勉強会・講師 

宣伝

今回取り上げたメルマガはコンテンツであると同時に宣伝・広告の側面もあるため、企業なら広報や宣伝の人が書く内容です。実際には文章のプロではない人がこれらの文章を書くのは非常に大変で、苦手な方も多いと思います。

多数の企業でメルマガやLine、オウンドメディアが当たり前のように運営されているため、文章を書く機会は劇的に増えているのが現状です。外注する場合も決して安くありません。

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今回のように自社で作成したコンテンツの添削・アドバイス、あるいは外注したコンテンツの確認(セカンドオピニオン)を希望する場合はこちらからからお申込み下さい。ホームページの基本的な文章の添削・アドバイスも可能です。


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