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江戸川乱歩の作品年表

読んだ作品の簡単な読書録をつけてみます。 
リンク先は、YouTubeで朗読中の作品です。


大正5年【1916】

『火縄銃』
密室で銃撃された男。謎は一体…。
江戸川乱歩の処女作。

大正12年【1923】

4月
『処女作「二銭銅貨」のあとに』
探偵小説は俗悪じゃない。

大正14年【1925】

1月
『D坂の殺人事件』
探偵・明智小五郎の初登場作。
密室で死んだ古本屋の妻。犯人を探る探偵小説好きの私。そのもとに現れた明智小五郎。
私は、明智が怪しいと睨むのだが…。

3月
『日記帳』3月5日
それは、臆病すぎた恋の物語。亡くなった弟の日記帳に女性との葉書のやりとりを確認した兄は、好奇心と探偵心とから深読みしていくと…。

4月
『暗号記法の分類』
色んな暗号があるよ。

6月
『探偵趣味の会を始める言葉』
会を始めるよ。

7月
『白昼夢』
街頭で演説をする、妻を殺したという男。
皆笑って、誰も信じない。

『指環』
電車で婦人の指環を盗んだ男と、それをさらにくすねようとした男との舌戦。

9月
『國枝氏に』
國枝氏の批評に対する反論。きもちいい。

10月
『映画の恐怖』
スクリーンに大写しになる顔、あぁ、怖い。
『人間椅子』
女性作家のもとにある手紙が届く。
彼女のファンだというその手紙には、椅子職人のある告白が綴られていて…。

11月
『悪人志願』
自分が悪人だったらどれほど完璧な犯罪が出来るだろう、などなど。

大正15年【1926】

1月
『ある恐怖』
底無し沼、暗闇、様々な恐怖があれど、
一番怖いのは己自身。

『踊る一寸法師』
曲芸師たちの一座の宴会は盛り上がりを見せ、
一寸法師の緑さんを、
酔った勢いでいじめにかかる。
やがて緑さんに、
人体切断のマジックをさせることになるが…。

『毒草』
河原に生える、堕胎の効果がある草の話を友人としていると、多産で苦しんでいた婦人がそれを聞いていたようで…

2月
『覆面の舞踏者』
二十日会に入会した私が体験した覆面の舞踏会と、
その結果としてもたらされたある感情的破滅。

4月
『たね二三』
読者から送られてくる種。
長持の自動閉じ込めは冷蔵庫みたいで怖い。

『探偵叢話』
おもろい探偵小説があった。

『墓場の秘密』
墓場に埋葬された後蘇生する気持ちを想像してみたまえ、あぁ怖い。

『火星の運河』
圧倒的幻想&恐怖美。暗い森をさ迷う、女の体をした私、血を流し、躍り狂う、夢。

5月
『錯誤の話』
人の記憶あてにならず。

『五階の窓』
乱歩が初回を担当した連作短編。
社長が転落死する。

6月
『私の探偵趣味』
探偵に弟子入り志願したこともあるとか。

7月
『お化人形』
神戸の人形こわい。

8月
『声の恐怖』
持ち主から切り離された「声」はとても怖い。

『今一つの世界』
人間はもう一つの世界に憧れるもの。

『旅順開戦館』
パノラマの話。

9月
『乱歩打開け話』
同性愛の経験。

『浅草趣味』
浅草のネジレ。乞食たち。
写生する夫婦の非現実感に涙。

10月
『人でなしの恋』
女性が告白する物語。幸せな結婚をしたかに見えたが、夫は夜な夜な土蔵の中で誰かと愛を交わしている様子。女はその調査に乗り出すのだが…。

『鏡地獄』
鏡に魅入られた男の、エスカレートしていく「鏡好き」が辿り着く先は…。

『木馬は廻る』
木馬館の老ラッパ吹きは切符切りの若い娘が気になる。彼女にプレゼントをしたいのだが金がなく…恋のヤキモキと犯罪心理がブレンドされた短篇。

11月
『吸血鬼』
生きているうちに埋葬されたりするの怖い。

12月
『恋と神様』
初恋の話。

昭和2年【1927】

1月
『私の抱く夢』
すばらしい小説が書きたい。

4月
『参与官と労働代表』
印象に残る人物について。

9月
『探偵小説時代』
探偵小説時代が来た!

『本物の探偵小説』
小酒井さんの『稀有の犯罪』は本物だ。
探偵小説は創造だ!

10月
『探偵小説壇繁昌記』
探偵小説の隆盛を分析。

昭和3年【1928】

1月
『無駄話』
小酒井のネタ帳すごい、自分のネタ帳は記憶だけ。

11月
『最近の感想』
林檎は面白くないが静物画になると面白い。

昭和4年【1929】

1月
『芋虫』
戦争で負傷し、四肢を失い、言葉と聴力を失った須永中尉が妻の元へ戻る。妻の時子はその肉塊と獣のような情事を楽しむが、やがてその物言う目が煩わしくなり…
「ユルシテ」「ユルス」

3月
『ポオと通俗的興味』
ポオは思いつきが素晴らしい!

4月
『迷路の魅力』
迷路こわい。

6月
『押絵と旅する男』
汽車で乗り合わせた老人が持っている額の中の、生き生きとした押し絵。老人はその由来を物語はじめ…。遠眼鏡を逆に覗いて小さくなる、という発想がワクワクする不思議な物語。

『四つの写真』
小酒井氏との写真について。

7月
『楽屋噺』
自作についての思い出色々。
自信がなくてすぐペシャンコになる(笑)

8月
『妙な手紙』
読者から変な手紙が沢山来る。

10月
『ヴァン・ダインを読む』
ヴァン・ダインの探偵小説はおもしろいぞ。

12月
『文学史上のラジウム』
ポーの影響力はラジウムだ!

月不明
『世界的に稀有の作家』
小酒井不木氏について。

『筆だこ』
筆だこの話。鉄筆のせい。

『暗黒政治の魅力』
鉄仮面おもしろい。

昭和5年【1930】

2月
『孤島の鬼』
犯人の見えない殺人事件あり、サーカスあり、奇形あり、同性愛あり、洞窟探検ありと、乱歩のあらゆる要素が一作にまとまったような贅沢過ぎる長編小説。
ただし、長い。

4月
『夢野久作氏』
夢野さんおもしろい。

5月
『テトラガミイ』
四人結婚という説について。

6月
『小酒井博士と探偵小説』
探偵小説は科学的。

7月
『見えぬ凶器』
タネいくつか。作家は空想の凶器を使う。

11月
『一頁自伝』
少年時代や職歴のこと。

『性欲の犯罪性』
人は皆変態。

『蛭川博士』
『蛭川博士』おもろい。

12月
『猟奇の果白蝙蝠』

昭和6年【1931】

2月
『旧探偵小説は過去った』
時代が群集主義に向かい、私はついていけなくなった。探偵小説も、行き場を失った。どうしよう。
寂しさと時代の空気感溢れるエッセイ。

4月
『中将姫』
絵看板に昔の恋人を見る爺さん。

『人類史一飛び』
飛行機がんばれ!空想は発明に先んじる。
空想を笑うな。

『獏の言葉』
自らを獏に例えた乱歩の作家精神。

『目羅博士の不思議な犯罪』
猿マネと鏡と月光の妖術によって成される、
都会のビル群での首吊り事件の真相とは?
動物園で出会った若者が語る、語り形式。

6月
『「殺人鬼」を読む』
『殺人鬼』おもろい。

昭和7年【1932】

2月
『鬼』1931年11月~1932年2月
凄絶な殺人、奇怪なトリック。
山奥の村で起きた線路沿いの殺人事件。
面白い。

『妖蟲』
桜の花は虫みたい。

『トリックを超越して』
トリックとかじゃなく、面白いものを書きたい。

4月
『騎士道的探偵小説』
クイーンの推理小説は騎士道である。

5月
『恐怖王』1931年6月~1932年5月
大江蘭堂という全く役に立たない作家探偵が、
恐怖王と名乗る悪党に、後手後手の捜査を重ねる。
ちょっと展開が予想外でハラハラする。 

昭和9年【1934】

11月
『瞬きする首』1105
元禄時代の歌舞伎は、奇怪な趣味のものが多い。

昭和10年【1935】

8月
『郷愁としてのグロテスク』
グロテスクには郷愁がある。

昭和11年【1936】

7月
『レンズ嗜好症』
レンズ怖い。

9月
『残虐への郷愁』
大蘇芳年の無残絵がすごく良いと興奮する乱歩先生。「写実ではない。写実でないからこそレアルである。」

11月
『活字と僕と-年少の読者に送る』
『幻影の城主』と『私の探偵趣味』を、
一つにまとめた感じの内容。

昭和14年【1939】

12月
『暗黒星』1939(S14)年1~12月
狙われる伊志田家の人間、闇の中に消える犯人。
伊志田一郎は明智小五郎に助けを求める。
『地獄の道化師』1〜12月
女性を次々と標的にし殺害を企む道化師姿の犯人。被害者は白井という美青年でつながっているらしいが…。明智小五郎が道化師に挑む。解決パートの明智の弁舌が気持ち良い!

昭和15年【1940】

3月
『幽鬼の塔』1939(S14)年4月〜S15年3月
素人探偵・河津三郎が、五重塔の首吊り事件に首を突っ込み、巻き込まれ、犯人に辿り着く。探偵物語というよりもどこかオカルトな匂いがする事件である。
乱歩は気に入ってないらしい。

6月
『書斎の旅』
ギリシャに来てるよ。

昭和24年【1949】

9月
『私の机』0915
乱歩の机について。

昭和27年【1954】

『蒐集癖』0129
自分の記事などを集めるのこそ好きだし完璧に出来る。切手とか何が楽しいの?

昭和28年【1955】

3月
『外套と帽子』
外套も帽子も、似合わなくて哀しい話。

10月
『六十の手習』1030
三味線を習い出した話。

昭和29年【1956】

『私の本棚』0207
本棚について解説する。

昭和30年【1955】

4月
『月と手袋』
シナリオライター北村克彦と高利貸し股野、その妻あけみの物語。あけみに恋する克彦が股野を殺害、あけみと共にアリバイを考え逃れきる算段だったのだが…
「嘘を突き通すのは人間には不可能」という言葉が印象的。明智小五郎、名前だけ登場作。

6月
『私の顔』0612
片目が細いよ。

『忘れられない文章』0622
うつし世は夢、よるの夢こそまこと

7月
『防空壕』
空襲の夜の忘れられない出会いの話…のはずが…。

昭和31年【1956】

2月
『ヒッチコックのエロチック・ハラア』
ヒッチコックの奥さんの日本的心。
ヒッチコックの創作物語。

4月
『夜間人種』0405
夜型です。

5月
『私の履歴書』
色んなバイトしては長続きしない乱歩青年。

『わが家のミソ汁』0527
乱歩家の味噌汁。おいしそう。

6月
『海草美味』
ワカメ、コンブのおいしい話。でも味音痴らしい。

10月
『透明の恐怖』
透明ものを語る。
探偵小説は怪談の裏返し。

『きらいなもの』1019
自分がきらい。自分からは逃げられない。

11月
『わが青春の映画遍歴』
進歩の早いものはすぐ古くなる。

昭和32年【1957】

1月
『フランケン奇談』
印象的な人造人間もの三種。

10月
『妻に失恋した男』
妻に失恋して自殺したという男。
しかしそれは…。一人の刑事が語る事件の真相。

昭和35年【1960】

1月
『指』
事件で右手首を切り落とされたピアニスト。
その執念と情熱により起きる、怪現象。


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