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今回は高野さんという会社員の男性が若い頃に体験した不思議なお話です。 高野さんが関西にある某会社に就職して間もない20代はじめの頃のことです。 会社の創業20周年記念パーティーが開かれたことがありました。 彼が勤めている本社といくつかある支社、あわせて社員100人あまりが出席する立食パーティーでした。 その席で、高野さんは青山さんという、高野さんよりも10歳ほど年上の先輩男性社員と知り合いました。 彼は、高野さんと同じ大学出身で、今は支店勤務ですが、その前は本社の高野さん
今回はオカルト好きな大学生Kさんから聞いた彼の友人の話です。 2年ほど前のある夜、Kさんの携帯に電話がかかってきました。 時刻は午前2時過ぎ。 表示を見ると友人のSさんからでした。 普段の連絡はほとんどLINEなので、何だろう?と訝(いぶか)しく思いながら出てみると、電話口からはいきなり「今夜お前の部屋に泊めてくれないか」と慌てたようなSさんの声が響いてきました。 「どうした?なにがあった?」と聞いても、「わけはあとで話すからとにかく泊めてくれ」の一点張りです。 Sさん
今回もまた私の母方の祖父、多吉じいさんから聞いた昔話です。 祖父が10歳頃のことと言いますから、明治30年代の話だと思います。 多吉少年が住んでいた村の、とある四つ辻の一角に小さなお堂がありました。 人が10人も入ればいっぱいになってしまうほどの大きさでしたが、瓦葺きのしっかりとした造りのものだったといいます。 毎朝、村の年寄たちによってきれいに清掃されて、常に花や食べ物が供えられており、小さな子どもたちにも遊び場として親しまれていたお堂でした。 村の人たちからは〈辻神さ
今回は、私が中学生の時に父から聞いた、ほんの少しだけ不思議なお話です。 私の父は、県立図書館に司書として長く勤めていました。 昭和40年頃のこと、同僚に蜂谷さんという男性司書がいたそうです。 父よりは10歳ほど年下でしたが、その明るくひょうきんな性格で、司書仲間のムードメーカー的存在だったそうです。 そんな蜂谷さんが、ある日、とある書架(本棚)の前で一冊の文庫本を手にして、いつになく沈んだ表情で立っていたのだそうです。 彼が前にしていた書架は、誤返却の本を一時的に保管して
これは現在30代なかばのエリカさんという女性から聞いたお話です。 18歳の時、彼女は大学進学を期に上京して、都下のとあるマンションに住むことになりました。 都心からは少し離れていて、最寄り駅までの距離もややありましたが、彼女が通う学部のキャンパスには近く、経済的に無理をして学費や生活費を援助してくれる両親のことも考えて、比較的家賃の安いそのマンションに決めたのでした。 マンションは築20年の5階建で、全室ごく一般的な1Kの間取りです。 しかし、立地条件なのか築年数のためな