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もし伊達や東城がドリブンズに入っていたら・・・ドリブンズの期待値采配の是非について

ドリブンズ監督越山のシーズン前のインタビューを聞いた限り、どうやら采配するにあたって期待値を予め設定し、それに準じて試合数も大まかに配分しているようだ。具体的には男3人は優勝経験もあるベテランプロであり1試合当たりのもし期待値を+2ポイント前後と仮に設定するならば、Eリーガーや2年目女流はデフォルトから低めの期待値-4ポイント前後を越山は設定するのかもしれない。いずれにせよ大事なポイントは女流の期待値がデフォルトで男3人よりも明らかに低く設定されている点だろう。

この記事の期待値とは2000試合打っての一試合当たり持ち帰る平均ポイントのことを示す。いわばその雀士の平均的な実力のこと。厳密には統計的に定義された期待値とは違うが、わかりやすさを優先しニアンスを大事にした。一例、多井で1試合当たりの期待値は+5ポイント、年間25試合で言えば125ポイントをコンスタントに持ち帰る実力。 

この期待値を元にフェアネスに試合数を配分させるのが戦略的にも理に適っているという。

ここで最初に断っておかねばならないのは後知恵バイアスによって今の大活躍から逆算して東城や伊達の期待値を上方修正してはならないということだ。なぜならドリブンズの楽屋ライブで村上はこんなことを口にしている。

うちのチームはどの女流が来ても登板回数は少なくなる。

ドリブンズにおいて女流の期待値がデフォルトであらかじめ低く設定されていることが村上の言葉からもはっきりわかるのだ。

ドリブンズはこの期待値にひたすらベットすることが長期的に正しい戦略だという方針を掲げ、具体的には男3人は25試合前後、女流は12試合前後と試合数の設計している。もしシーズン中に期待値へ収束するなら越山の采配戦略は正しいと結論できる。しかし麻雀においてその期待値が収束するにはそれこそ2000試合程度は必要になることが統計的にはわかっている・・・(最低でも1000試合以上は必須)。実際は一人あたり年間30試合にも満たない。

つまり期待値にベットし年間の采配戦略を立てること自体統計的に見た時、実は全くのナンセンスなのである

では、もし期待値にベッドするには90試合は短過ぎるなら、何にベッドし采配をすべきなのか? それは<期待値>ではなく<運>へベットをするべきである。風を丁寧にケアすると言ってもいい。

運にベットなどできるのか?疑問に思う方も多いかもしれない。しかしコロンブスの卵のようでもあり、言われてみればどうということでもないが実際にそれをきっちりしているチームはそこまで多くはない。

簡潔に言えば、シーズン中盤からチームで最もポイントを稼ぐ者の試合数を最も多く、最も-の選手の試合数を最も少なくするよう調整しシーズンを終えるというものだ。調子の良い者、運のある者をただ重用する、采配で気を配るのはシンプルにそれだけでいい。

であれば間違っても昨年のように+45の丸山が12試合で-384の村上が23試合という歪な采配はなくなる。この采配のおかしさがどうやら期待値を優先するドリブンズの監督にはまるでピンと来ていないようだ。

ミスすることが怖ろしいのではなく、真に怖れるべきは自らが正しいことをやっていると妄信し、その過ちに気づけないことだ。まさにドリブンズである。

もっとわかりやすく期待値采配の何がダメなのか具体例を挙げてみたい。もしドリブンズに丸山ではなく伊達や東城のようなMVP級の選手が新人で入ってきたとしよう。ドリブンズの期待値采配であれば女流へはデフォルトにおいて低い期待値が設定されているために、今年であれば伊達や東城の試合数せいぜい15試合+200ポイント前後になることが帰納的に予測される。(繰り返すが後知恵バイアスによって伊達や東城の期待値は上方修正することがあってはならない。)

すなわち伊達や東城の試合数を削ってでも、たろうや村上のポイント-200~300になっても彼らを25試合前後、ドリブンズは頑なに出し続けることになる。この期待値采配の最大のネックは 伊達や東城のような大活躍する可能性のある女流の飼い殺しをする点にあるとも言える

いずれにせよ一つだけ明らかなことがある。それは期待値を全面に打ち出し、女流を<育成枠>という詭弁によって試合制限したドリブンズが「Mの12名しかいない女流の内、ベスト10に6人も入るような未来のトレンドを読み切れなかった」のはまず間違いないということだ。トレンドの不可知は戦略にとって致命傷である。ドリブンズに女流の力を積極的に活用しチームに還元するという発想自体果たしてあっただろうか。

女流か男か、キャリアの長短、過去のタイトル数、ドラフト順位、出自団体のリーグ、一切を括弧に入れて色眼鏡で区別をすることなく、よりフラットな立場から選手の仕事ぶりをフェアネスに評価すること。そして常に運へベットし調子の良い者をとにかく前面に出して戦う采配戦略こそ、正しいと結論する。

ちなみにチームで最もマイナスの選手を最多出場させているのがセガサミーである。これも典型的な期待値采配であり戦略的に見て完全に間違っている。全面に出して戦うべき選手は東城でなければならない

結論

期待値をデフォルト設定し女流の試合数制限をかけて、90試合を采配する戦略は統計的に見て完全にナンセンスである。多井や堀がどれほど実力があり期待値が高かろうと例外なくシーズンもふつうに-で終えることもあるゲームこそ麻雀の本質そのものなのだ

この本質がわからないガチ勢バイアスについていずれじっくり語りたいと思う

野村克也という名将がいた。彼の本を100冊近く読んできたが、もし野村がMリーグの監督ならデフォルトで期待値を設定しそれへベットするようなウマシカ采配は絶対にしないとは断言する。

つづきをどうぞ

この期待値采配の愚かさがわからないウマシカガチ勢には是非 読んでもらいたいnote↓。


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