見出し画像

勝手に動画分析 #39「絵・音・時間を効果的に使うモーション動画」

こんにちは、BYNDのNATUです。

BYNDではナビゲーターやTAとしてセッションに参加しています。

noteでは「週末にゆっくり嗜む動画」というコンセプトで個人的に気になった動画を毎回一つ取り上げ、4つのベース項目と1つのエクストラ項目の計5つを軸にその動画の唸るポイントを分析したり解説したりしてみたいなと思ってます。

今回は珍しくワンマンでのモーショングラフィックス作品。サウンド含めて全て一人で作ることにより作品の持つ強いメッセージ性をうまくコントロールしています。強迫性障害というテーマですが、まずは小難しいこと抜きに単純にビジュアルと動き、音を堪能してほしいと思います。


Check

 (via vimeo|Anita Gill)


Visuals & Sounds - Anita Gill


今回の5項目チャートはこんな感じです。

今回のエクストラ項目は「50%アナログ」。


そしてそれぞれ5つの項目のショートコメントがこちら。



[LOOK:★★★★]


手書きや切り抜き風のテクスチャを使いつつゴールドとモノクロを基調にしたシンプルなカラー。独特の世界観があるLOOKです。


[音:★★★★]


スイッチ音をメインに構成されています。面白い作りだなと思ったらしっかりとしたテーマ(メッセージ)があって、テーマを踏まえてからもう一度見たときに改めてこのサウンドデザインの良さを痛感します。音を扱えるからこそできる上手い演出だと思います。


[編集:★★★]


編集自体はシンプルなものの、各カットのつなぎ方や間のとり方には細かいところまでこだわっているのが感じられます。制作者が伝えたいメッセージに対してビジュアル・時間(編集)・音の3要素ががっちり組み合っているこの完成度は一人制作だからこその強みな気がします。

ほんの少しの揺らぎまでもしっかりコントロール。
細かいニュアンスのアウトプットはワンマンの強みかも。


[構成:★★★★★]


静寂と雑音、そしてスイッチ音。とめどない「Check」というものを音を主役に置きながらシンプルなグラフィックとモーションデザインを使ってうまく構成しています。厳密には音が主役というよりは、ビジュアルが強くなりすぎるのをしっかり抑えてきたというところかもしれませんが、それでもグラフィックとしてしっかり見栄え良く力強く表現しているあたりに抜けたセンスを感じます。この絶妙なバランスの構成に持っていける手腕がすごすぎる。


[50%アナログ:★★★★★★]


クラフト感のある見た目なのに動きはデジタルなモーションデザインというところでこの名称にしています。アナログっぽい表現はおそらくほとんどをエフェクトを主軸に作っていて、ベースをデジタルで作りながらフィルタ的にアナログ感を足すことで生まれるこの世界観はリアル手作りの表現とはまたちょっと違う味わいです。アウトプットとしてシンプルに面白く、とくにこの見た目でイージング(動きの緩急)が今風モーションというのはとてもカッコイイなと思います。




さて、以上いかがでしたでしょうか。

動画の面白みに少しでも触れてもらえたなら嬉しいです。

それではまた次回。NATUでした。

(Writer:スタッフ NATU)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?