勝手に動画分析 #57「感覚がじわじわと切り替わる気がする」
こんにちは、BYNDのNATUです。
BYNDではナビゲーターやTAとしてセッションに参加しています。
noteでは「週末にゆっくり嗜む動画」というコンセプトで個人的に気になった動画を毎回一つ取り上げ、4つのベース項目と1つのエクストラ項目の計5つを軸にその動画の唸るポイントを分析したり解説したりしてみたいなと思ってます。
今回はオーストラリアのショートフィルムから。リアル感を逆手に取る演出が面白い作品。
Yeah The Boys - Short Film
(via vimeo|Stefan Hunt)
director: Stefan Hunt
creator & choreographer: Vanessa Marian
director of photography: Sam Chiplin
music: The Avalanches
今回の5項目チャートはこんな感じです。
今回のエクストラ項目は「なんか変」。
そしてそれぞれ5つの項目のショートコメントがこちら。
[LOOK:★★★]
リアリティ寄りの画作りながら光やカラーがしっかりと作り込まれているので、激しいカメラムーブや雑然としたロケーションの中でも余計なところに目がいかないようになっているのが上手い。
[音:★★★★]
BGMと映像がバチっと融合した作品ですが、音ハメと言うよりはミュージカルに近いシンクロ感。後半に向け段々と音と映像が溶け合っていくのがまた気持ちいいです。
[編集:★★★]
ワンカット撮影を主軸にしながらもカット繋ぎでシーンを大胆に切り替えていたりと流れの作り方が面白い。ワンカット撮影というシームレスな撮影手法にカット繋ぎという急な場面転換を組み合わせているのに作品への没入感を損なわず展開できているのが地味にすごい。
[構成:★★★★★]
構成&演出がうますぎる。登場人物の酩酊の進度ととも視聴者側の動画体験も不思議な方向にじわじわと誘導されていくんですが、この流れに全く隙がなく、気付いたら作品にどっぷりと引きずり込まれ、あれよあれよと言う間に見終わっています。8分間という長さを感じさせないおそろしい構成力。
[なんか変:★★★★★★]
なんか変、によるキャッチ力が半端無い。振り付けの存在に気付いてからはもう目を離せず一気にエンドロール。本当に徐々に徐々に「変」に気付かされるんですが、この塩梅がまた見事で気持ちよく違和感に乗っかることができるんですよね。視聴体験としてシンプルに興奮の覚える作品でした。いや見事。
さて、以上いかがでしたでしょうか。
動画の面白みに少しでも触れてもらえたなら嬉しいです。
それではまた次回。NATUでした。
(Writer:スタッフ NATU)