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我が家が地域工務店を選んだ経緯(2)

前回は家を建てようと思い立ち住宅展示場で検討を進め、ネットで情報収集をした末に、家づくり迷子になってしまった話をしました。

ネットで探しても、オガスタのような魅力的な地域工務店がこの地域に見つからず途方に暮れるなか、「そうだ、あの工務店はどうだろう?」と思い出したことがありました。それがK建設だったのです。

オシャレすぎて初めは候補から除外していた


当時、自転車で新興住宅地にある住宅展示場に通っていたのですが、サイクリング中にたまたま雰囲気の良い住宅を見つけました。

片流れ屋根のシンプルな外観で、外壁は真っ白な洋漆喰をベースに一部をピニー色の縦張り杉板とすることでアクセントにしており、庭には天然木のウッドデッキ、エントランスには大谷石のアプローチに、サクラなどの雑木が植栽されています。

それが、K建設のモデルハウスでした。

よく見ると、見学会受付中というのぼりが出ていました。当時は住宅メーカーで建てることしか考えていませんでしたし、聞いたことのない工務店だったので、こんな建築会社もあるのか~と、興味本位で飛び入りで見学させてもらうことにしました(実は見学には予約が必要でした。その節はご迷惑をおかけいたしました・・・)。


入ってみると、これまた、すごくオシャレ。木製の玄関ドアには真鍮のドアノブ、壁は漆喰塗りで、キッチン、ドア、棚は杉材やシナ合板を使った造作家具。床は存在感ある節ありの杉板。天井にはスノコ状に板が張られていて、入った瞬間に爽やかな木の香りが漂います。電球色の照明が天井ではなく壁についており、それがまた漆喰の質感と相まって素晴らしい陰影を生み出しています。

そして、床下エアコン暖房を採用していました(当時は知識なし)。

風呂は2階にあって、洗面脱衣室には壁なしでトイレがあるという海外のホテルのような間取り。「欧米か!」とツッコミを入れたくなります。

ちょっと圧倒されました。こんなオシャレな家があるのか、と。あまりにも当時の「手の届く住宅」というイメージからかけ離れていて、現実味がわきません。

なんとたまたま社長がモデルハウスにいらっしゃって、社長自ら住宅のコンセプトをノートPCを使って説明していただきました。これまたオシャレなことに当時としてはまだ珍しかったWindows surfaceを使っていました(プレゼンのスライドよりもよりもそっちが気になってしまった笑)。

正直、予習もなしで場違いなところに来ちゃったな―・・・という居心地の悪さに、プレゼンが頭に入ってきませんでした・・・怖くて具体的な価格の話なんて質問できず、そのまま退散しました。

なんか、高級ブランド店で値段聞くのは野暮じゃない?みたいな感覚に襲われたのです。

いいもの見たね、宝くじで1億円当たったらあんな家住みたいね~なんて妻と話しながら、この工務店を候補にするという発想は全く出てきませんでした・・・。

そのままこの記憶を封印し、住宅メーカーとの打ち合わせを継続していたのです。

これまで実際にみた建物の中で、欲しいと思えるのはK建設の家だけだった


実は、私はプレハブ住宅メーカーの家が“欲しい!”と思えていませんでした。展示場のモデルハウスを見学しても、あの時に感じた感動を越えることはなかったのです。あんな高級住宅を見ちゃうと、どれも見劣りするものなんだよ、これが現実的な住宅なんだよね、という思い込みが働いて、本音に蓋をしていたのです。

契約をせずに打合せを中止していたことが、本当に幸いだったと思います。もう一度自分の本音と向き合える時間を得たのです。オーガニックスタジオのブログを愛読していたので、地域工務店の住宅は、大手メーカーと大差ない価格で建築できる、ということも知っていました(もちろん、プランニング次第ですけど)。


そして再度住宅を検討することになったとき、真っ先に連絡を取ったのはK建設でした。


妻からは、「いろいろ建築会社はみたけど、あのモデルハウスは一番ありえない。」と否定的なことを言われました。おしゃれすぎて、あんな空間で暮らすなんてイメージが湧かない、と。

でも、プレハブ住宅メーカーの家は買いたいと思えないんだよ、価格だってプランニング次第で予算に合わせられるんだよ、としつこく訴え、半ば無理やり、再びあのオシャレなモデルハウスを訪れたのでした・・・

再度訪れて冷静にみると、そこにはオシャレという言葉で片付けるには申し訳なくなる「本物感」がありました。何とういうか、凛とした雰囲気が漂っているのです。
それもそのはず、そのモデルハウスは有名な建築家が設計したものだったのです。
・・・しかしビビりません。事前にネットで調べて知っていたから。


説明をしっかり聞いてみれば、断熱気密性もしっかり確保しており、不足はなさそうです。
モデルハウスは圧倒的にフラッグシップすぎて我々には現実味がありませんでしたが、ガルバリウム外壁、壁紙などのコスパの良い仕様を選ぶこともできるし、完成見学会でより現実的な事例も見ることができました。

何回も体験することで、妻も新建材ではなく自然素材に包まれた住宅で暮らすイメージができるようになったようで、理想の住宅像を共有することができました。

前回も書きましたが、良い提案を通すためには、決済者に理解してもらう必要があるんですよね。いくら話をしても、持っている情報量に差がありすぎる場合、共感を得るのは難しいと思います。その場合は、やっぱり実際に体験してもらうのが一番だと思います。


もう迷いはありませんでした。ここしかない!という確信がありました。やっとここまで辿り着いた!と思いました。

 

でも、家づくりはこれからが本当に長くなるんですよね・・・

 
今回はここまでです。
続きはまたの機会に。


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