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周辺環境の読み方とアプローチの関係 ※過去問の参照、解説あり

さよきすです。

一級建築士製図試験では敷地がどんな場所にあるのか、外構に設えるものは建物をつくっていくうえで非常に大事な情報となります。

今回は、特に敷地周辺環境の読み方にフォーカスしたいと思います。

昨今の試験では敷地周辺環境の情報量の密度があがっており、よりリアリティが増しています。

建物をつくるうえで敷地周辺環境にはヒントになる情報が凝縮されています。では敷地周辺環境の情報を、どのように読んでいますか。

市販されている一級建築士エスキス対策本なんかには、情報の優先付けの方法として緑や川など自然の多さ、開けているかどうか、隣に建物ありという情報から「◎」「◯」「△」「×」をつけると書かれています。

一級建築士製図試験の場合、建物を計画するにあたってそんなに単純には決まってきません。(↑ は部屋から見える景観にばかりフォーカスしている方法です。)

問題を解くにあたり、課題文をしっかり読み解くことが第一で、↑の方法は、課題文中に他に優先すべき条件がない場合に、よりベターな構成するために用いる判断方法と思います。(絶対に×というわけではなく、何を優先するかによります。以降で過去問を例に触れます。)

文字を目で追い、反射的に「自然がある」⇒「良い景観」のように変換することは「思い込み」であり、試験元の意図に則していないことになります。

以下の記事にも書きましたが、試験元のHPには

注意事項
「試験問題」及び上記の「建築物の計画に当たっての留意事項」を十分に理解したうえで、「設計製図の試験」に臨むようにして下さい。

と書かれています。

試験元は「試験問題を十分に理解」して試験に臨んでくださいと言っています。繰り返しになりますが、まず問題=試験元の意図、問いたい事なのです。

繰り返しになりますが、昨今の試験ではどんな地域に計画する建物なのか、周囲との関係性を示す情報の密度が高くなり、処理する条件も多くなっています。

とは言え、そんなに深く考えないでください。

敷地の中に書かれている文章を素直に捉えればよいのです。

では過去問を例に見てみましょう。

1.H27の敷地周辺環境の読み解きとアプローチ

H27の課題文に書かれている敷地の周辺環境に関する情報は以下です。
1.中核都市の市街地にあるにぎやなか商店街と公園などがある
2.敷地の形状、接道条件、周辺状況等は、「敷地図」のとおり
 1)2面が道路に面している。
 2)うち北側が歩道
 3)東側は歩行者専用道路(21時~6時自動車通行可)
 4)敷地東側には商店街がある
 5)商店街の北側には横断歩道がある
 6)横断歩道の北側には駅前商店街や商業施設がある
 7)駅前商店街の北側には駅がある

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