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ムーミンの物語を読んで、いら立っていたじぶんへ

みなさん、ムーミンはご存知だろうか。

ムーミントロールのムーミン。
全体的に丸っとしたフォルムでなすびのよう長い顔とでーんと出ているおなか、ちょこっと生えている耳とすっと長いしっぽ、くるっとした目がかわいい、あのキャラクター。

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なかなかいい感じに描けた。

このムーミンが、わたしは、なんだか、とても好きなんです。

なんといっても、キャラクターがかわいい。
ムーミンは丸っとしていて、ただただかわいいんですね。なでまわしたい。ムーミントロール一族そんな体系だから全員無条件にかわいい。スナフキンがやたらイケメンなお兄さんで、とてもツボ。ミィは不気味な顔してるのに、かわいいとかほんと反則。

もう一つの心くすぐるポイントは、イラスト。
作者のトーベ・ヤンソンが描く世界にとても心惹かれて。自然の多いイラストを見ると、ここに行ってみたいなぁと思うし。色鮮やかでかわいいなぁとため息が出てくる。グッズもどれもかわいくて。ムーミンストアに行くと舐めるようにグッズを見ている。

去年、森美術館でムーミン展が開催され、数多くのイラストを見ることができ、心洗われる時間を過ごすことができた。
直近の開催地は、あべのハルカス美術館だそう。
https://moomin-art.jp/


ムーミンのキャラクターやイラストに心惹かれるものの、実は、物語は知らなかった。幼少期に読んでいるのだが、まったく内容を覚えていなかった。

ムーミン好きと言うのであれば、本の内容も知っていたほうがいいのではなかろうか。よりムーミンの世界を理解できるしね!

そう思ったのがだいたい2,3年前。
書店に行き、書棚にあった『たのしいムーミン一家』と『ムーミン谷の冬』を購入した。

いざ、ムーミンの世界へ!
意気揚々と読んでみる。ムーミンの世界をしっかり楽しめるかと思いきや、予想外の読後感を得た。

まさかの、いら立ち。

ムーミンを読んで、まさかこんな気持ちになるなんて…!
ショックは大きかった。大好きなキャラクターの物語を楽しめなかったのが悔しかった。
正直、これ以上は読むのが苦しかったので、他の小説は買っていない。


あの、いら立ちの正体はなんだったのだろうか。

ふと、そんなことを思い出した。
2,3年前の記憶をたどると、キャラクターがまったく自由すぎることに、混乱してしまったのかもしれない。
かみ合わない会話、じぶんがやりたいことを好き勝手行動するキャラクター、ぶつかりあって衝突する様子。
みんな自由すぎてなんだかよくわからんぜよー!

どれだけのものだったのか確かめるべく、わたしはまた『ムーミン谷の冬』に手を伸ばした。


『ムーミン谷の冬』は、冬眠中のムーミンが、本当は眠っているべき冬の季節に目が覚めてしまうところから物語が始まる。冬の世界と、冬の世界を生きる住人たちにはじめて出会って、ムーミンの世界が大きく広がっている様子を描いている。

ムーミンの話に出てくるキャラクターは、それぞれがとても自由だ。
以下、わたしが自由だな、、と感じたポイントをあげておきたい。

まず、ミィ。
箱滑りをしたいからという理由で、眠っているミムラ姉さんをボール箱から追い出し、ソリにしてしまう。
ムーミンの家から勝手にものを持ちだしてじぶんが使いたいように使う。
例えば、ムーミンママが大切にしていた銀のおぼんはソリに、ナイフはスケート靴に早変わり。

次に、おしゃまさん。
冬の間、ムーミン一家の「水あそび小屋」で勝手に生活している。
ムーミンの家のベンチを燃やす。
気に入らないヘムレンさんを追い出そうという話を持ち出してくる。

ムーミンのご先祖様もでてくる。
ムーミンの家の暖炉に引きこもってしまう。
家具の配置も自分好みにいろいろ変えてしまう。
飾っている絵も逆さまに。

そのほか、覚えの悪いリスが忠告を忘れて死んでしまったり、冬の嵐で住処を奪われたものたちがムーミン谷にはジャムがあるそうだという噂を聞きつけて勝手に集まりジャムを食べ、超絶陽キャのヘムレンさんは疎まれていることにも気づかずじぶんの価値観押し付ける。もう、カオス。なんでそう行動するのかわからない。

数年前のじぶんは、このカオスに溺れていたのだ。


ただ、わたしは気が付いた。
自由が過ぎるのは、自分がしたいことをそのまましているだけなんだと。

ミィはそのとき一番楽しくスリルがあることをしたい。
おしゃまさんは、冬に生きるものたちがお互いが過ごせるようにしたい。
ご先祖様はじぶんが快適なように過ごしたい。
リスはそのとき覚えていることを一生懸命やってるし、住処が奪われたものはなんとか生き延びたいし、ヘムレンさんはじぶんが素晴らしいと思っていることを、ただただ伝えたい。

何が大切なことなのかを理解できるだけで、どのキャラクターも愛せてしまうのだ。


ムーミンの物語を読んで、いら立っていたじぶんへ

お互いの価値観を理解して、受け入れることができれば、案外いろんな人とやっていけるかもよ。
じぶんの価値観を知ることも、自由へ踏み出す一歩かも。


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ムーミンの世界では、ここまで自由に過ごしていて、なんでみんなで生活することができるんだろうか。それを読み解くことで、じぶんらしく生きるには? 他の人を受け入れるには?という話ができそうな気がしてきた。
もう少し深めてから、またnoteを書きたい。

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