社会の進化を担うために、freee全社で「無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)」に向き合ってもらった話
Recruiting & Diversity推進室のmioです。
freeeには価値基準というミッション実現のために皆に持っていてほしい7つの考え方があり、1年間に7日、「それぞれの価値基準について考える一日にしよう」という価値基準記念日というものがあります。
freeeの他の価値基準記念日の記事はこちら▼
今回、「社会の進化を担う責任感day2022」として、アクセシビリティを実感してもらうことを通して、全社向けにアンコンシャス・バイアス研修をワークショップ形式で実施しました。
DEI(Diversity/Equity&Inclusion)に向き合うスモールビジネスに、何か参考になるものがあれば、と内容を「あえ共」します。
freeeではDiversity/Equity&Inclusionを大切にしていますが、Diversity/Equityを考える上で避けて通れないのが、アンコンシャス・バイアスです。
そもそもアンコンシャス・バイアスとは…
freeeではJM研修(マネージャー研修)の一環で導入していましたが、JMたちから「全社でもやったほうがいいのではないか」という反応を貰っていました。
社会の進化を担う責任感dayとは?
今回実施した「社会の進化を担う責任感day」は、freeeの価値基準の1つであり、freeeのメンバー全員に持っていて欲しい要素(2原則)である「社会の進化を担う責任感」について考えようという記念日です。
「社会の進化を担う責任感day」で実施しようと思ったのは、「社会の進化を担う」上でアンコンシャス・バイアスは切っても切り離せない関係だったからです。
社会全体がより良くあってほしいというのは皆が望むことかも知れませんが、実際になかなか進まないのは無意識のうちに「これが普通だ」と思ってしまい本質的な課題提起が難しいことに理由があると考えています。
これは、freeeのミッション「スモールビジネスを、世界の主役に。」を実現するために、とても重要な要素です。
自らが囚われている「思い込み」に気づき、行動を起こすきっかけを作れるようになることが、スモールビジネスや私達自身の環境をより良く変化していける一歩になると私は考えています。
アンコンシャス・バイアスをどう「自分ごと化」してもらうか?
行動を起こす上では「自分ごと化して考えられる」ことが重要でした。
研修自体も「会社がそう言うから」ではなく、研修を受けたあと「自分がこうしたい!」と思えるものにしたい(専門用語では、内発的動機づけ)に繋げられないか、というのが私の課題でした。
JM研修では、新しくJMという立場になる人たちにとって、普段のふるまいから気をつけることでもあったので、「自分ごと化」という意味ではタイムリーでしたが…全社員に自分ごと化してもらうためには…🤔
ここで普段DEI研修を一緒に担当しているmaxから、「アクセシビリティ研修を全社員向けにやりたい。自分ごと化して考えてもらうのにはどうしたらいいと思うか」という相談を受けました。
freeeはアクセシビリティについて、真剣に考えている会社です。
freeeのプロダクトのアクセシビリティは、まだまだ改善の必要がある状態ですが、会社全体の取り組みを加速させ、すべてのプロダクトでアクセシビリティが高い状態を実現したいと考えています。
そのような取り組みを推進するために、社内で作成したアクセシビリティガイドラインに準拠できるように環境を整えている一方、教育が追いついておらず、徹底しきれていないという課題があります。その背景にあるのは、「自分ごとにし切れていない」という課題です。
アクセシビリティを自分ごと化することで、結果的に自分自身のアンコンシャス・バイアスに気づき、「自分ごと化」できるきっかけになれるのではないか---。
そんなふうに考えて、私が考えていたことをお伝えし、研修計画を相談。アクセシビリティのブレーンたちを招集し、「アクセシビリティが損なわれている状態での不自由さを体感できる方法がないか?」という相談を行いました。
こうして完成したのが、「社会の進化を担う責任感day2022」のワークショップでした。
どんなことをやったのか?
アンコンシャス・バイアス研修を「自分ごと」と捉えてもらうために、意識したのは以下の3つでした。
会社が大切にしている考え方に準拠して意義を伝える
自分ごと化してもらうためアクセシビリティ上の「障害」を抱えてもらう
体感を通して自らの気づきを共有してアウトプットしてもらう
アンコンシャス・バイアスを考えてもらうのに、他人事になってしまい、自分たちに向き合ってもらえないと時間の無駄になってしまいます。
1.については前項での記載の通り、会社のミッション達成のためになくてはならない考え方だったので、改めて前提として共有しました。
2.については以下のような問いかけを行ってアクセシビリティワークショップをスタートしました。
「五感に不自由を感じること無く働くことが当たり前」の人たち(俗に言う健常者)が、自らの思い込みを実感してもらうことで、アクセシビリティとアンコンシャス・バイアスを実感してもらうのがワークショップの狙いでした。
ワークショップでは普段コミュニケーションを取っている5-6名で1チームを編成し、チーム内で役割分担を決めてもらいました。
ワークショップ中はオンライン環境であることを利用して、以下のように役割を割り振って「画面に表示されたテーマに基づいた雑談」をしてもらいました。
体感してもらいたかったのは、アクセシビリティが損なわれている状態でのコミュニケーションです。
社内でのコミュニケーションを通じて自分自身がアクセシビリティが損なわれている状況を体感することで、普段自分自身が当たり前だと思ってしてきたコミュニケーションが実は「アクセシビリティが損なわれているものだった」ということに気づくことができ、結果的に自分自身の「無意識な思い込み」に気付く仕掛けになっていました。
※運営側でワークショップのチーム分けは、「普段コミュニケーションを取っているメンバーで」という指定にしていました。
ワークショップのテストを実施した際、普段コミュニケーションを取っているチームと取っていないチームとで分けてみたのですが、コミュニケーションを取っていないチームの方が心理的負荷が高かったというFBが返ってきたためです。
普段気心が知れた人であればコミュニケーションをしやすい、一方で気心知れていないと負荷がとても大きいという気付きにもなりました。
ワークショップの反応とその後の展開
ワークセッションが終わったら種明かし。様々な感想を共有してもらいました。これが、3
にあたります。共有してもらったあとに皆にとっての「当たり前」が実は「当たり前じゃなかった」ということに気づけているような感想が出てきたので、大成功⭕
アンコンシャス・バイアスを自分ごと化する上では、「そのとき自分がどう感じていたのか」を言語化することがとても大事だと感じています。言語化を通じて自分自身の認識を改めるほか、その時の他の人の気持ちを知ることで、自分ごと化する幅を広げていってほしいと思っています。
ここまで来たら、あとはアンコンシャス・バイアスの事例を通じて自分で考えている「普通」「当たり前」を言語化してみるセッションへ。
社内の事例を共有し、「普通と思っている人」と「そうではない人」が感じるギャップの事例を共有しました。
事例の一つとして、freeeでは、社内用語やSaaS用語が数多く存在し、中途入社メンバーのキャッチアップが大変というエピソードを事例とともに共有しました。
※社内でよく壁にぶつかる事例は各社それぞれあると思いますが、異動者や中途入社者から出てくるエピソードは、全社で共感できるエピソードになりやすいなと感じています。
障害を通じてアクセシビリティの重要性とアンコンシャス・バイアスの体験を通じて感じて頂いた上で、実は日常生活を送る上で陥りがちなアンコンシャス・バイアスエピソードを具体的事例としてご紹介し、自分のバイアスを共有する会を実施しました。
先程のワークショップの共通体験から、社内のあるあるエピソードまで。少し長めの時間を取っていますが、楽しく話せたと感想の共有をもらいました。
具体的なエピソードは、体感して得た気づきから、アンコンシャス・バイアスの事例から着想を得たお話まで、様々。皆自分の身を振り返って意見をくださった点がとても印象的でした。
イベントアンケートの集まりもとっても上々。
アンケート回答者の皆さんにバイアスを感じるそっくりスイーツをプレゼント!としたからかも知れません。
ある意味これもバイアスですね。
最後に、研修を通じて利用したslideを共有します。
何かの参考になれば幸いです。
freeeは「あえ共freee」というマガジンから、freeeの事業や組織に関する情報を「あえて、共有」しています!ぜひ他の記事も読んでfreeeを知ってくださいね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?