見出し画像

古都エステルゴムへ

ブダペストから日帰り旅行で向かったもう一つの街・エステルゴム。ここはハンガリー初代国王イシュトヴァーン一世が戴冠した大聖堂があることで知られています。また、ドナウ川をはさんで対岸はスロヴァキアという、国境の街でもあります。
ここもブダペストから船でいけないことはないんですが、先のセンテンドレまでで往路が約2時間かかったことを考えると、エステルゴムまでは5時間ぐらいかかりそう…というわけで、さすがに電車で行くことにしました。

エステルゴム駅

ブダペスト西駅からエステルゴムまでの電車は、ドナウの河岸は通らずに、内陸のほぼ最短距離を走っています。おかげでかなりの数の駅に停車したにも関わらず、所要時間は1時間ちょいでした。
到着駅は街はずれにあり、お目当ての大聖堂まではおよそ3㎞。駅の横のターミナルからバスを利用します。

大聖堂の足元にある公園に到着。この門をくぐって入り口に向かいます。
公園から見上げた大聖堂。ドームの下に足場が組まれているのが見えます。

今回の旅行はつくづくタイミングが悪かったようで、ブダペストの鎖橋も修復中なら、このエステルゴム大聖堂も大規模修復中だったんですよね。入ることはできましたが、聖堂内の半分ぐらいは床石がはがされていたり、ドーム部分はシートが張られて見上げられなかったり、祭壇にホコリ避けの布がかけられていたりで、かなり残念な状況でした😢
例のウィルスの影響で中断したり延期されたりしてた修復計画が、各地で一斉にスタートしてるのかも知れません。

聖堂内部。天井の真ん中は工事用のシートです。真下から見上げるとこんな感じ…という
写真が印刷されているんですが、実物は見ることができません。
正面の祭壇画は縦13.5メートルで世界最大だそうです。祭壇にはホコリ避けがかけられています。

いちおう聖堂内で見られるところだけは見てから外に出て、聖堂の周りを一周してみました。

大聖堂正面。下の方に座っている人がいますが、比較すると列柱の巨大さがよく分かります。
大きすぎて、この位置からではドームが見えません。
聖堂の裏手に回ると、ドナウ川を見晴らせるようになっていました。
あの橋を渡った先は、もうスロヴァキアです。

さて、せっかく国境まで来たのだから、ドナウ川を渡って対岸のスロヴァキアまで行ってみることにしました。大聖堂の建つ高台を降りて橋のたもとまで、のんびりと歩いていきます。

ドナウ川をわたるマリア・ヴァレリア橋。鉄骨のアーチが美しい橋です。
しっかり歩道があるので、歩いて渡れます。
橋の中ほどで国境を越えます。あの先はもうスロヴァキア。検問所とかは特にありません。

橋を渡りながらドナウ川の川面を眺めていたら、先日センテンドレまで行くのに利用したのと同じ船会社の船が下流方向から近づいてくるのが見えました。橋のすぐそばに船着き場があるようです。うーん、やっぱり船でドナウ川を上ってくるルートも良かったかなあ…と少しだけ後悔。

ちょうどお昼時でもあったので、スロヴァキア側で食事をとったんですが、支払いがユーロだったんですよね。まあ当然といえば当然なんですが、なんだかフォリントで支払うのに慣れてしまって、ちょっとビックリしたというか😅 川ひとつ隔てて別の国だということを実感した瞬間でした。

スロヴァキア側の川岸から見たエステルゴム大聖堂。このぐらい離れて眺めた方が、
その偉容が際立つ気がします。ちなみに聖堂の右横にある石造りの建物は昔の王宮らしいです。

このスロヴァキア側の街(シュトゥーロヴォ…と読むのかな?)は、エステルゴムよりさらに小さい田舎町。ドナウ河岸もブダペストのようなツーリスティックな賑わいはなく、静かにのんびり散策できて気持ちよかったです。こんな景色を眺めていると、せめて帰りは船にすれば良かったなぁ…なんてまたまた後悔。いわゆる「ドナウ・ベント」を船上から眺めるというのは、やっぱり魅力的な気がします。また行く機会があったら、次はぜったい船を使おう、と心に決めながら、再び橋を渡ってエステルゴムの鉄道駅へ戻ったのでした。