noteで3ヶ月間2万字500円のテキストを売った結果を公開するよ(数字つき)

以前、「noteで1ヶ月間3万字500円のテキストを売った結果を公開するよ(数字つき)」という記事を公開したら、そこそこ良い反応がありました。なので今回も売り上げ結果を報告してみます。

●なにをいくらで売ったのかを説明します

日本の1990年代テクノの歴史についての原稿「日本のテクノ史199X テクノはいかに聴かれ、作られ、語られたのか?」(約2万字)を500円で売りました。途中まで読めるようになっていて、全文は有料です。「全部読んで面白かったらお金ちょうだいね」という投げ銭形式ではありません。

●なんで売ったの?

この原稿は本当は商業出版される書籍のために書いたものでした。でもその書籍の発売予定が未定のまま数年間止まっているので、お蔵入りしないように出しました。かといって無料で公開するつもりもなく、原稿料の代わりが稼げたらいいな~と思っていました。「これくらい欲しいな~」と想定していた原稿料は5万円です。つまりnoteで5万円稼げればOK!ということですね。

●現在までの売上グラフを見てみましょう

で、その結果発表です。グラフにしました。(手作業)

結果、65人に500円で売れました。65×500=32,500円。手数料など引かれるので実際は31,988円。欲しかった5万円には届かず!残念でした。

図にも書いてますがかんたんに説明すると、8月7日に公開したものの「気づいた人だけ買う感じでいいか」と何も宣伝せずどこにもリンクを張りませんでした。そのまま数日は動きがなかったのですが、8月10日にテクノ系のライターさんがリンクを張って紹介してくれたので一気に広まりました(いろいろと異論も出てきたので興味のある人はTwitterで検索してください)。GIGAZINEのヘッドラインニュースにも載り、はてなブックマークは250usersでした。そのまま10日ほどコンスタントに売れ、48人が500円出しました。

そのまま1ヶ月放置したのち、自分でもリンクを張りましたが、自分の周囲の音楽好きはすでにどこかで見て知っていたようで、先月ほどの広がりはなかったものの、11人が新たに買いました。それ以降はポツポツと、たまに買う人が出てくる感じです。

●何人が見たの?

アクセスカウンターの数字は下記のとおりです。合計12891人が見ました。だいたい198人に1人がお金を出した計算です。

2015/08/10 - 2015/09/10 11305人(購入者49人)
2015/09/10 - 2015/10/10 1251人(購入者14人)
2015/10/10 - 2015/11/10 500人(購入者2人)

1万部も発行してない雑誌が世の中にはたくさんあるので、それよりは一応目に止まったんじゃないかなという数字です。まあ全員がテクノに興味があるわけではないでしょうし、無料だと思ったら有料かよ!と思ってすぐ離れた人もいたでしょう。

●サポート機能で送ってきた人もいた

noteに2014年10月から「サポート」機能というのが追加されています。これはクリエイターを金銭的にサポートする機能で、好きな金額を作者に送れるものだそうです。「日本のテクノ史」公開後、6人からサポートが届きました。金額と日時はこちら。

2015/08/10 13:05 100円
2015/08/10 19:38 100円
2015/08/10 20:41 500円
2015/09/10 16:18 500円
2015/09/16 05:57 100円
2015/09/17 21:09 500円

●この結果を見てどう思ったかというと(前回の続き)

前回の結果発表でも思いましたが、noteで食べる、というのは未だに無理そうです。商業出版向けのわりとガッチリ書いた原稿でも、3ヶ月でお金を出す人が65人ですから、まあ自分の感覚では積極的にnoteで質の高い原稿を公開しようとは思わない。

ただ、前回「noteで食べていく人が出てこないのはここがダメだから」と言っていた部分が、ちょっと改善されていました。たとえば、note運営側が一時期「note運営事務局のおすすめノート」というのをやっていて、「どこを読めばいいの?」と思ってるライトユーザ向けの軽いレコメンド機能ができてました(「日本のテクノ史199X」もこのおすすめノートに含まれました)。更新が止まってる様子なので結局続かなかったようですが、こういう機能がもうちょっと波及力を持つよう工夫すれば、売れ方も違ってくるのかもしれません。

また、前回報告時点ではクレジットカード決済しかなかった支払い方法ですが、現在は携帯キャリア決済(au、SoftBankのみ)も導入されていました。まだまだ手軽にお金のやり取りができるとは言いづらいとはいえ、ちょっとした前進といえます。

noteでコンテンツを発表するよりも、コピペだらけのアフィリエイトブログやまとめサイトのほうが稼げる、という現状は、ちょっと残念です。いや、知らないだけでnoteでものすごく稼いでる人がいるのかもしれませんけど、あまり話題になりませんよね。サービス開始当初「noteは儲かる!」と思って参入した人たちが、「どうやら思ったほど儲からない」と分かってキレイサッパリ消えていき、今は「別に稼げなくてもいいや」と地道に(もしくは遊びで)やってるホソボソ派の人たちが主流のように見えます。

結局、note事務局に動員力がないのが相変わらず課題ではないでしょうか。というところでおしまい。これより後ろにテキストはありませんが面白かったら投げ銭をどーぞ!

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