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M3-2 美は乱調にあり グリッチアート(2010年12月『モダニズムのナード・コア』)

グリッチとは機器の不調・故障のことをいい、その際に生じるノイズの原因と結果が蓄積され、意図的に利用するアーティストが登場したことで、現在は一つのメソッドとして認識されている。

 これはまず音楽ジャンルに多く登場した。スピーカーの音割れ、ギターのフィードバックはもとより、レコードなら針飛び、プチプチノイズ、スクラッチノイズ。テープならヒスノイズ、絡まり。CDなら音飛び。こうした物理的障害が引き起こすグリッチは、コンピュータ時代になって絶滅すると思われたが、実際はWAVからMP3へフォーマットを変換する際に顕著なように、デジタル特有の新たなノイズが発生することとなった。ハードウェア・グリッチからソフトウェア・グリッチへと移ったのである。

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2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定の定額マガジン(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。あとnoteの有料記事はここに登録すれば単体で買わなくても全部読めます(※登録月以降のことです!登録前のは読めない)。『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』も全部ある。

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