M3-2 美は乱調にあり グリッチアート(2010年12月『モダニズムのナード・コア』)
グリッチとは機器の不調・故障のことをいい、その際に生じるノイズの原因と結果が蓄積され、意図的に利用するアーティストが登場したことで、現在は一つのメソッドとして認識されている。
これはまず音楽ジャンルに多く登場した。スピーカーの音割れ、ギターのフィードバックはもとより、レコードなら針飛び、プチプチノイズ、スクラッチノイズ。テープならヒスノイズ、絡まり。CDなら音飛び。こうした物理的障害が引き起こすグリッチは、コンピュータ時代になって絶滅すると思われたが、実際はWAVからMP3へフォーマットを変換する際に顕著なように、デジタル特有の新たなノイズが発生することとなった。ハードウェア・グリッチからソフトウェア・グリッチへと移ったのである。
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