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ばるぼらさんの全記事アーカイヴ

2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定です(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。テキストを発掘次第追加します。あとnoteの有料記事もここに… もっと読む
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2021年7月の記事一覧

小ネタ:YMO『Tighten up』ジャケット

古書店歩いてたら見つけたのでこれはもうササッと。 YMO『Tighten up』のアメリカ盤。上のは12インチバージョンですが7インチも同じデザインです。色加工が激しく、YMOの中では結構好きなジャケットデザインです。なんかレジデンツ『Diskomo』っぽさもあるし(?)。 デザイナーはLou Beach。あれです、YMOの1stのアメリカ盤ジャケットイラストを描いた人。電線芸者。 で、さっきの『Tighten up』、これじゃん!という。

本の註釈(2008年未発表)

そういえば2008年に書いたこの註釈、世に出してないんだよな。別にもう二度と出ないだろうからここで供養しよう。なんの註釈かは察してちゃん。●で数字がついてるのはページ数です。 註釈●2-3

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「印刷物と渋谷系」講義録(2021年)

2021年7月18日に「ゼロから聴きたい渋谷系」というオンライン講座のゲスト講師として一時間くらい喋ってきました。ワタシのテーマは「印刷物と渋谷系」。ここではそこで喋った内容と喋り忘れた内容をミックスして記事にしておきます。 一から全部書き起こしても無駄なので、あくまで何を話したか分かる感じで、ササッと読み飛ばせるようにやりましょう。先行して発表した方の話題に出てたから省略した部分は、ちょっと補っています。

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日本ダダ小史(2016年「ゲーテ・インスティトゥート」)

既成の価値観を否定し、それまでの美術史を切断した芸術運動「ダダ」。この動向に日本でもっとも早く反応したのは、美術家ではなく詩人だった。

スタジオボイスのキーワード(『STUDIO VOICE』2009年4月号)

これはバックナンバーのすべての表紙を載せるページに、スタジオボイスの特徴といえるキーワードを10個考えて解説してください、というお題のキーワード部分です。

スタジオ・ボイスの時代(『STUDIO VOICE』2009年4月号)

『スタジオ・ボイス(以下SV)』の創刊は一九七六年だが、話は六〇年代から始まる。

雑談:あえて抵抗しない

1993年12月19日、渋谷PARCO part 1でトークイベントが開催されました。

ポップ・クラウド・2011(2011年12月『DOMMUNE オフィシャルガイドブック2』)

何が変わったのかを思い出す。「最新キーワード」は寡占で先端を気取る道具から、プロフィールに大量に並べ(スラッシュで区切って)友達を探す名札の代わりになった。「カテゴライズできない面白さ」はただの孤立であって、物語もしくは文脈なしには誰も見向きもしなくなった。「知らないもの」はわかりやすく説明されるべきであり、でなければ必要のないものである。売れてるものは沢山あるが王道はない。グローカル、クロープン。本来個性だった技術は世界中に共有されていき、誰もが平均的に良い代わりに、誰もが

インターネット・ミーム(2013年『MASSAGE』9号)

いまインターネットで話題の……という枕詞はちっとも信用できないくせに、二つ三つのサイトで見ただけで「これはキテるっぽいぞ」とすぐに思ってしまうクセが抜けないよね。インターネット全体を見渡すことなど誰にもできないと十分理解しているからこそ、自分のアクセスした範囲が自分にとっての世界なんだと判断してしまうよね。あれやそれの情報をチェックすることで何かを成し遂げたような気分になって、もうコンテンツを消費することさえしなくなってきたよね。ブラウザの履歴はチェックとコミュニケーションの

渋谷系までの渋谷東西戦争(東急VS西武)(2009年未発表)

渋谷の東西戦争勃発!というとアウトローの話みたいで不穏ですが、今回するのは東急と西武の話です。両社がしのぎを削って開発しあったことで、渋谷という街が発展してきた側面があります。その歴史のおさらい。 東急のルーツは田園都市開発会社です。住宅を建てて売る、というのがメイン事業でした。住宅を高く売るには、土地の価値を高めなくてはなりません。そこで鉄道を引っ張ってきて(東急鉄道)、駅前に百貨店を作って(東急百貨店)、バスを走らせ(東急バス)、便利でみんなが住みたくなるように街を開発

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雑談:今度のイベントで何見せようか会議

また更新が止まってしまった。7/18に美学校の「ゼロから聴きたい渋谷系」というオープン講座に出て何か喋らなくちゃいけなくて、それの準備を考えてたらあっという間に時間がすぎていってしまった。ワタシ、ずっと言ってるんですが渋谷系の本を書いてまして、本を読んだときにびっくりさせたいから、あんまり渋谷系に関することを表で発信してないんですよ。同業者にパクられたら嫌だし……。このnoteは例外的にちょこちょこ書いてるんですけどね。 で、その美学校のでは「印刷物と渋谷系」について話す予

秀英体──平成の大改刻(2011年3月『アイデア』345号)

秀英体は大日本印刷株式会社(以下DNP)がまだ前身の秀英舎と名乗っていた時期に自社開発したオリジナル書体の名称で、改刻を続けながら、金属活字から写植、デジタルフォントへと受け継がれ、誕生から百年経ってなお前線で利用されている伝統的な和文書体である。二〇〇六年一月から「平成の大改刻」と銘打った秀英体ファミリーの大規模なリニューアルが始まり、従来の秀英明朝の全面見直し、秀英角ゴシックのリデザイン、秀英横太明朝や秀英丸ゴシックなどより多様化した需要に応えるための新書体を加え、秀英体

文字を歪ませるデザインの話

文字をぐにゃ~ってするデザイン。2000年代末以降の、とくにインターネットを中心にデザインの世界で大ブレイクした手法である。説明するより見たほうが早いだろう。こういうヤツ。 Trend Listでは「Scanned」というタグでまとめられている。コピー機などでフラットベッド(読み取りのガラス面)に紙を置いて、読み取りアーム(ウイーンって動く光るやつ)の動きに合わせて紙を動かすと、同じところが読み込まれたりズレたりして、こうした出力が生まれるわけだ。 ただ、スキャナがない時

セゾン文化とパルコ文化

よく勘違いされてるなと思うので少し解説。 1980年代の日本の文化現象として「セゾン文化」というのを聞いたことがあると思います。堤清二率いる西武流通グループ(→西武セゾングループ→セゾングループに改称)の文化戦略として、西武美術館、西武劇場、スタジオ200、六本木WAVE、リブロ、リブロポート……といった世界中の前衛文化を紹介する場を用意した、類まれな企業活動です。しかしその中にたまにファッションビル「パルコ」が入っていることがあるんですね。それはちょっと違うのでは?という

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