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ポップ・クラウド・2011(2011年12月『DOMMUNE オフィシャルガイドブック2』)

何が変わったのかを思い出す。「最新キーワード」は寡占で先端を気取る道具から、プロフィールに大量に並べ(スラッシュで区切って)友達を探す名札の代わりになった。「カテゴライズできない面白さ」はただの孤立であって、物語もしくは文脈なしには誰も見向きもしなくなった。「知らないもの」はわかりやすく説明されるべきであり、でなければ必要のないものである。売れてるものは沢山あるが王道はない。グローカル、クロープン。本来個性だった技術は世界中に共有されていき、誰もが平均的に良い代わりに、誰もが個性の領域を侵食されている。みんな同じでみんないい。何もかもをフラットに楽しむことは、自分もそのフラットな選択肢に加わることだった。十年前なら天才だった君のことは、もう誰も気にしない。
ここではそういう時代のキーワードをある判断のもとに選択、配置している。オタクでありサブカルであり、マニアックであり一般的であり、日本的であり世界的であり、バラバラであり一つであり、非ネット的でありネット的でもあるだろう。排他ではなく誰もを飲み込む準備がしてあるかどうか。2011年に気になるのはその辺りだった。

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2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定の定額マガジン(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。あとnoteの有料記事はここに登録すれば単体で買わなくても全部読めます(※登録月以降のことです!登録前のは読めない)。『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』も全部ある。

2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定です(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。テキストを発掘次第追…

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