マガジンのカバー画像

ばるぼらさんの全記事アーカイヴ

2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定です(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。テキストを発掘次第追加します。あとnoteの有料記事もここに… もっと読む
2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定の定額マガジン(インタビューは相… もっと詳しく
¥980 / 月
運営しているクリエイター

2020年7月の記事一覧

戸田ツトム:思想するデザイナー(2015年『アイデア』370号)

戸田ツトムは1980年代以降の「思想のデザイン」のイメージをひとつ形作った存在である。桑沢デザイン研究所に講義に来ていた松岡正剛との出会いをきっかけに1973年から5年ほど工作舎で活動、その後エディトリアル・デザイナーとして独立した戸田は、自身の『MEDIA INFORMATION』を皮切りに、『ISSUE』『ブリコラージュ』『WAVE』『GS』『スフィンクス』『W-NOtation』など80年代に生まれた雑誌に、これまでにない装いを与え、スタイルを確立する。工作舎に関わった

SUBURBIA SUITE再入門(90年代編)

音楽の話をしている最中に「『SUBURBIA SUITE』が~」と言ったら「ちょっと待って下さい、なんですかそれ」と話を止められる経験をしたことがありますか? ワタシはあります。ついさっき。これはいかん、受け継がれてないぞ、と思ったので、軽く説明します。たった一人のために(でも有料記事)。 「SUBURBIA SUITE」は一番最初は橋本徹さんが発行していたフリーペーパーの名前でした。Suburbia Factoryの橋本さんが発行するのが『SUBURBIA SUITE』と

有料
500

こんなところにこんな人:第06回・反抗のえらい人

昔の雑誌をめくってるとこんな人がこんなところに!というパターンがたまにあります。そういう小ネタシリーズ。 あれですね、岡崎京子先生が投稿していた雑誌ですが、今回は岡崎先生ではありません。

ジャンル名の起源:ソフトロックは誰が最初に言い始めたのか

これは昔自分のサイトに載せた記事を新しい調査のもと書き直したものです。 「ソフト・ロック」はいつから使われ始めたのか?「ソフト・ロック」という言葉がいつから使われたのかは、これまでほとんど定説のように「ハーパース・ビザールやアソシエイションのレコードから」という話が信じられてきた。この説の発祥となったのは『ソフトロック A to Z』(VANDA編)や『レコード・コレクターズ』2000年7月号のソフトロック特集だと考えられるが、実際ワタシもこの2つを読んでいたことで、最近ま

雑談:こういう仕事をしたい

「資料を探して調べること」と「原稿を書くこと」の2つを比べた場合、圧倒的に前者のほうが好きなため、誰かライターと契約して「ネタは渡すから原稿は任せる」という仕事をしたいなと常々思っている。ギャラは折半。リサーチャーというのかな。そういうマッチングアプリないですか? たとえば過去の出来事について。世の中には、調べるよりも本人に聞くのが一番正しいと思っている人もいると思うけど、本人に聞くと「現在の本人」が喋ることになるため、「当時の本人」との齟齬が出る。昔なら隠さなかったあれこ

遠回り

購入後に全編(02:45)を視聴することができます。

有料
50,000

日本のネットレーベルをまだ知らないアナタのために(2011年8月)

前回更新と同じくこれも「drillspin」というサイト用に書いたものです。今ウェブサイトが消えてるのでこちらに。2011年に初心者に薦めるならこの辺りだろう、とポップな選曲になっています。もしいま書くなら長谷川白紙は入れるでしょうね。 日本のネットレーベルをまだ知らないアナタのために 日本のネットレーベルの代表的存在であるMaltine Recordsが全国流通CD『MP3 Killed the CD Star?』をリリースしてから、8月4日で1年経った。ネットレーベルが

インターネットと音楽の歴史を辿って(2011年9月)

インターネットと音楽の歴史を辿ってミュージシャンはいつもインターネットに過剰な夢を抱いてきた。いや、彼らはいつも何か新しいことができないかと探し続けていて、今はインターネットの周辺に新鮮なものが現れやすい時代ということだろう。 ビョークの4年ぶりの新作アルバム『Biophilia(バイオフィリア)』が2011年9月28日に発売される。半年前はiPhone/iPad用のアプリとしてリリースされると報じられていたが、結果として通常のCDアルバムとアプリが別々に発売となるようだ。

トンパ文字と現代の視覚コミュニケーション(2014年『BiRD』6号)

これは旅行雑誌『TRANSIT』の姉妹誌『BiRD』6号の特集《エキゾチック・アジア 民族衣装を纏う人々》に書いたコラムですね。 トンパ文字と現代の視覚コミュニケーション

色見本帳用調査ファイル

2015年頃、色見本帳を出したいなと思っていました。ふつうの色見本じゃなくて、有名企業のコーポレートカラーのCMYK値が、ズバリ書いてあるような本。結局、量が集まらないのと、企業から訴えられたら嫌だな~ということで企画は頓挫したのですが、その時調べたCMYK値をサルベージしてここに載せます。基本的には公式資料からのみ引っ張ってきてたハズ。 ■ケータイドコモ・レッド

ブラジル音楽の再発見史 (2014年6月『TRANSIT』25号)

『TRANSIT』は旅行雑誌で、これは25号「美しきブラジル」特集用に書いた原稿ですね。 ブラジル音楽の再発見史

有料
300

エイティーズ・リヴァイヴァル史再訪(2014年『アイデア』365号)

これは『アイデア』365号の特集「From the 80s to the 80s 現代におけるエイティーズ新解釈」用に書いたものです。もうこの号はsold outになっているようなのでここで再掲。この原稿、「イラストの特集なのに音楽の話が長すぎる」と散々言われました。いいじゃないですか、音楽が先行してたんだから……と言ってたんですけど、まあたしかに長いです。わはは。 introduction1990年代末頃からの音楽におけるエイティーズ・リヴァイヴァルからしばらく間を置いて

有料
500

こんなところにこんな人:第05回・ヒップホップのえらい人

昔の雑誌をめくってるとこんな人がこんなところに!というパターンがたまにあります。そういう小ネタシリーズ。 これは今までの中で「あの人だ!」と連想するのが一番かんたんではないかと思います。

復活してほしいミニコミ(『本の雑誌』2014年11月号)

ミニコミとはミニマム・コミュニケーションの略で、マスコミの対義語として生まれた和製英語である。なぜマスコミの対義語が必要だったのかといえば、マスコミが自分たちの関心ごとを取り上げてくれなかったからだ。一説には一九六〇年の安保闘争の最中にマスコミが発表した七社共同声明からといわれるが、マスコミはいつからか読み手とコミュニケーションをとろうとしなくなり、一方通行の情報発信で済ませるただのマスメディアになった。自分たちが伝えたいことを、自分たちの言葉で、自分たちの力で届けなくていけ