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通訳の仕事はまさにジェットコースター 基本の”キ”

こんにちは、ブライトウーマンワールド代表・通訳者のえりりん(高瀬惠理)です。
ただいま、私が加入しているオンラインコミュニティHUCで、note1か月チャレンジが開催中。代表のなつみっくすの呼びかけでなんと総勢50人ほどのメンバーが参加するというイベントになっております。私も、参加表明をさせていただき、🥝チームとなりました。(栄養満点だそうですwww)

これまでは、通訳者として経験した話やこれまでのキャリアと家事育児との両立などにフォーカスして書いてきましたが、よくよく考えると、そもそも通訳者ってどんなことしてるかいまいちイメージがない方もいらっしゃるのではないか?と考え、原点に立ち返りたいと思います。

通訳の種類

①逐次通訳:話者が話終わった後に通訳者がその言葉を聞き手の言葉に変換する手法(1人で1日対応することも)
②同時通訳:話者が話しているタイミングにかぶせて聞き手の言葉に変換する手法(同時通訳ブース*下記写真のようなシステムが必要、1人15分ー20分で交代、半日案件なら2人体制、1日案件なら3人体制というのが業界標準)
③ウィスパリング:聞き手の隣に座り、話者の話をささやき声で同時通訳していく手法(日本人ばかりの会議に1人だけ日本語が分からない人がいる、というような時に使われる)
④同時通訳、ウィスパリングの足して2で割ったような手法パナガイドと呼ばれるデバイスを使うこともあります。)
⑤RSI(リモート同時通訳):同時通訳を自宅など実際に通訳が必要な現場以外からリモートでアクセスして、同時通訳を行う手法。コロナ前から存在していたものの、コロナで需要が一気に加速。RSIに特化したプラットフォームもあるのですが、今回は割愛します。(同時通訳でなくとも、逐次通訳をリモート会議環境で行うというのも増えています。)

などなど、実は通訳と言っても、お客様の環境やニーズに合わせて様々な形態があるのです。もし、通訳者を頼むという立場にある方は、ニーズや環境をできるだけ細かに依頼先に伝えてみてください。コストは同じ(もしくは下がった)のに、会議の効率は上がった⤴などあるかもしれません。

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雇用形態

①社内通訳者
②フリーランス通訳者
どちらも読んで字のごとくなのですが、①の社内通訳者という立場の場合、正社員というより、派遣社員という雇用形態の方が多いような気がします。②のフリーランス通訳者の場合は、国内・海外のエージェントに登録して仕事を受ける、というのが一般的です。お客様と直接取引をされている方もいらっしゃいます。

通訳市場

これについては、なかなか書きづらいのですが、やはり東京とその他の地域では様相が違うように思います。(ある先輩から東京9割、その他地域1割の案件数と聞いたことも)私は、もともと大阪の市場を経験してから東京に来たので、通訳案件の数や種類の多さにびっくりするとともに、興奮したものです。ただ、コロナでリモート案件が進んでいることもあり、ここ1、2年でそんな状況も少しずつ変わってきているのかな、と。

通訳者の仕事と醍醐味

言わずもがなですが、通訳者の仕事を一言でいうと『言葉を訳すこと』。ですが、言葉を訳すとは具体的にどんな作業をしているのでしょうか。上で通訳の種類を説明した際に、聞き手の言葉に変換するという表現を使いました。意図的に使っています。なぜか。それは通訳者が行っている作業は辞書に載っている意味をそのまま持ってきているだけではないからです。

昔、ある企業でこういう経験があります。

「お菓子の”うまい棒”って何と訳しますか?」と。

うーん🤔うまい棒ってスナックよね、何でできてたかなぁ。小麦粉?とうもろこし🌽?いろいろ考えていると、

「”デリシャスバー”じゃないんですね。」と返ってきました。

確かに、辞書で引くと、うまい=delicious、棒=barです。でも、そもそもうまい棒を知らない人にただdelicious barと言ったところで、うまい棒またはそれに近いものをイメージしてもらうことはなかなか難しいかなと。

イメージできないものをイメージできるように手助けをする、聞き手が理解できる言葉に変換してあげる、というのが通訳者の仕事の真髄です。話し手と聞き手が同じ絵を見られるように。なので、話し手がうまい棒について特に説明していなくても、通訳者は"Umaibo"と言った後に、少し説明を挿入して通訳を進める場合もあります。

つまり、通訳者は話し手の話す流れに乗りつつ、それを自分なりの方法で聞き手に伝えていくとも言えるのですが、その作業がまさに『エキサイティング』。自分の予期せぬ方へ飛ばされそうになりながら、山あり谷あり、なんとか最後までたどり着く。通訳学校のある先生は、『ジェットコースター』と言われていました。
本物のジェットコースターは苦手だけれど、案件が終わった後のアドレナリンは何ものにも代えがたい。それでいてお客様にも満足していただけた日は、この仕事をしていて本当によかったな、と思えるのです。(そんな日ばかりでもないのですが。)


通訳キャリアの振り返りはこちら👇👇👇




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