【ネタバレ有】アニメ・虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会第10話「夏、はじまる」感想
今(1−9話)までの感想はこちらから
2020年12月5日、22時30分。ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のアニメ第10話が放送されました。
うっ…………上原歩夢さん!!!!!
たくさんメンバーたちのかわいいシーンや合宿回のお約束や今までの積み重ねを感じさせる場面があったのですが、どうしても脳が「上原歩夢」の4文字に占拠されてしまいます。
ただやっぱりそれだけでなくそれぞれにここすきポイントもあり、と思考がグルグルし。
もしかしたら個人回が終わったあとのインターバルとかのんびり交流回かも? と思ったらもちろんそんなことはありませんでした。正確にはそうでもあったので、それだけではありませんでした。
この記事はアニメ感想ですが、若干スクスタの各種エピソードのネタバレ(中核とかではない部分)を含む可能性があります。
アニメの内容についてはネタバレし散らかすのでご注意ください。
今回は新曲やMVこそありませんでしたが、タイトルカラーからして侑にフォーカスの当たったこの回においては、終盤の「スクールアイドルフェスティバルをやりたい」という意思表明がそれに当たるのかな、と考えていました。
1〜9話までのMVが同好会メンバーの決意、意思、成長などが形となった「象徴」のようなものだとするなら、「応援する立場だからこそできることがあるのかも」と口にした侑の言葉はそれに近しいように感じます。
ただなんでしょう、色々考えてもチラチラ彼女の幼なじみの顔が脳裏にカットインして感情がハチャメチャです。なんだこのアニメは、なんてこったい。
では以下より、限界乱文をしたためます。
なおこれは感想であって、考察や解説とは全く異なります。
高咲侑の「なにか」
侑「みんな、すごいな。自分のやりたいこと、しっかり分かってて」
侑「私も、なにか……」
今までの感想でも時折触れていましたが、やはりまだ侑の「なにか」(せつ菜の言葉で語るのなら『大好き』となるのでしょう)は見つからないまま。
下で触れる「スクールアイドルフェスティバルを開催すること」もその「なにか」ではなくて、「なにか」をはじめてみるための手段です。
もちろん、本人たちやこのアニメにとって大きな目標であることに違いはありませんが。
みんなのサポート以外に、侑が個人として打ち込めるようななにか。
明言はされていませんが、少なくとも侑が個人的に練習していたもののカケラは今回見ることができました。
音楽室で弾いていた「CHASE!」。3話では指一本ずつだけ、#が弾けず半音ずれていた演奏が、今話ではかなり上達していました。
1話で映っていた自室にはピアノやキーボードはなかったにも関わらず、両手弾きで譜面もなく、なんなら少し目を閉じながら。
作中経過時間は明確には表現されていませんが、1学期の途中から夏休み頭での出来事です。
まだサビしか弾けないという可能性もありますが、少なくともそれなりの時間練習しなければあそこまでは出来なさそうです。
ただ、侑自身は自分の努力も含めた演奏の出来に自信がない様子。
せつ菜「ピアノ、ずいぶん上手になりましたね」
侑「ううん、まだまだだよ。いっぱい練習したら、もっと上手くなるかな」
多分それは演奏自体に残るぎこちなさもあるでしょうし、得意なことを伸ばし、苦手なことを克服し成長していく同好会のメンバーの努力を、ライバルより中立の目線で、近くで見続けてきたから、というのもあるでしょう。
目の前にいる人が自身の憧れ、新しい世界を知ったきっかけのすごい存在だとするのなら尚更、素直に上達したとは思えないかもしれません。
ただ、それに対するせつ菜の返答はとても優しいもの。
せつ菜「私も、歌やダンスを何度も練習しました」
侑「何度も……か」
侑「やっぱり、何事も練習あるのみだね!」
せつ菜「ですね!」
侑の「まだまだ」という言葉を否定せず、上手くなったという感想をゴリ押しすることもなく。
直接「練習すれば上手くなりますよ」というのではなくて、ただ自分の経験を話す。
押し付けがましさはなく、決めつけもなく、しかし説得力は抜群です。
1話で侑の心を掴んだのは、せつ菜が何度も練習して上達してきたのだろう歌とダンスなのですから。
練習にも効率やら要領の良い方法はありますが、原則としてほぼ必ず要するのは反復練習。
夢中で打ち込み、形にしたなにかは、ときに誰かの人生を変えてしまうほどの光を放つことがある。
目の前に立つのは、その証と言っても良い存在です。
その彼女が伝えてくれる言葉だからこそ、侑は「何事も練習あるのみ」と笑って頷けたのだと思います。
優木せつ菜と高咲侑
上でも触れた音楽室での会話。
3話では光と影の位置で分かれて立っていたふたり。今回はせつ菜が月光の下に踏み込み、同じ光の下で対峙します。
この関係性や侑の「なにか」に対する展望、3話との対比、お互いの存在の大きさを実感し合う感情の質感がたいへん良いシーンでした。
また、侑が9話のED直前、客席からステージを見ていたときの感想を話した後の会話。
せつ菜「侑さんからは、そんなふうに見えてるんですね」
せつ菜「私たちに見えるのは、ステージからの景色だけですから」
同じ光の中で会話をしていたふたりが、せつ菜の移動とカメラの切り替えにより、グランドピアノの突上棒(上の板みたいなところと支えてる棒みたいなやつ)で隔てられます。
同じ輪にいても、立つ場が違う。だからこそ言えること、見えること、できることがある。
客席に立つファンである侑は「仲間だけどライバル、ライバルだけど仲間」という他の同好会メンバーとは違う、また別種の関係性があります。
せつ菜「あの……いつか侑さんの『大好き』が見つかったら、今度は私に応援させてください!」
侑「私の?」
せつ菜「はい! 侑さん自身の、『大好き』を」
立場が違えど仲間であることには変わりなく。せつ菜は、更に侑個人へ踏み込んでいきます。ところでこの最後のせつ菜の口調がめちゃめちゃに好きです。
応援してくれる人を応援したい。ファンはアイドルの歌やパフォーマンスから元気をもらいますが、更にその先、よりせつ菜らしい他者の持つ「大好き」の応援。
そもそも侑はせつ菜に対して「自分の夢が見つからない」だとか、そういったことを伝えたり見せたりはしていなかったように思えます(3話のせつ菜引退への潔さから多少の性格の類推ができるくらい?)。
けれどせつ菜の言葉は「いつか侑さんの『大好き』が見つかったら」と、反対に解釈すれば「まだ侑は自分の『大好き』を見つけていない」と気づいていたことを示唆しています。
あくまで劇中で描かれていないだけでどこかのタイミングで話していたり察されたりしていた可能性もありますし、筆者が忘却してるだけで3話でガッツリ喋ってた可能性もありますが、ともあれ悟るなり知る機会があって、かつせつ菜はそれを明言して切り込んだ。
下でも触れますが、歩夢とのスタンスの違いが見えてくる場面でもあると感じました。
あとこのシーンの冒頭の「音楽室の使用許可は取ったんですか?」で菜々の声出して3話の再現するやつ、「そういうの好きなオタクの好きなやつじゃん……(?)」となってしまいました。オタクがオタクの好きなことをしてくるの、ありがたい。
さておき。この対話を経た侑はある一つの構想を思い浮かべます。
たくさんの「ときめき」と「大好き」が始まる場、「スクールアイドルフェスティバル」です。
スクールアイドルフェスティバル
個人回9回を経た今話、おそらくこのアニメ、および同好会におけるひとつの大きな目標が示されました。
それは3話でせつ菜が囚われていた「大会」の「ラブライブ」ではなくて、「お祭り」の「スクールアイドルフェスティバル」。
「優勝」というものに縛られず、学校やソロやユニットという単位にすらも縛られず、スクールアイドルやファンの垣根すら越えて、お互いに熱の渦を作る場所。
3話で侑がせつ菜へ言っていた
「スクールアイドルがいて、ファンがいる。それで良いんじゃない?」
を形にしたようなお祭りです。
合宿冒頭で言っていたように、全員が全員やりたいことがバラバラで、個性にあふれたメンバーたち。
彼女たちや、これまで出会ってきたグループ、そのグループのメンバーたちが思い切り歌い、スクールアイドルのファンやまだそうでない人たちも集まって、みんなで「大好き」を溢れさせる空間。
その場ではきっとたくさんのスクールアイドルたちが誰かにとって、9話のフェスの観客にとっての果林、1話の侑と歩夢にとってのせつ菜になるはず。
今まで同好会メンバーの努力や魅力を知っているからこそ、侑は心の底から「やりたい」という気持ちを全開に、瞳をキラキラさせ、全身で語ります。
1話で受け取った「大好き」が3話でせつ菜へ巡り、9話までの過程を経て、月明かりの音楽室で侑の背中を押しました。
同好会として大きな目標ができ、部活ものとしてはこの上なく良い流れでクライマックスまでの筋道が立ったのだと思います。
爽快さ、ある種の解放感すらありました。
1話で「大好き」を受け取り、夢へ踏み出したはずのもうひとりの表情を除けば。
上原歩夢と高咲侑
今まで静かに、けれど確実に積み重ねてきたものが、今話でかなりその輪郭を見せてきたように感じました。
すぐ思い出せるシーンだけ出してみても、2話の侑がかすみへ「かわいい」と言ったことへの反応然り、下記で触れる5話のくだり然り、7話の遥に侑がときめいていたときの表情然り。
確かにこのふたりは距離感がバグってるしパーソナルスペースはぶっ壊れているし蓄積した思い出の量は桁違いなのですが、互いのコアの部分に踏み込んだことはあるのだろうか、という印象があります。
浅いとかつながりが弱い、というものではありません。
気兼ねがなく、距離が近く、一緒にいた時間が長いが故に、成長と共にお互いの中へ何か核のようなものができたとき、既にそこまで改まって話す機会がなくなるほどに関係が成熟してしまっていた、という表現になるでしょうか。
言葉がいらない関係性ができたがために、本当は必要な言葉でのコミュニケーションすらなんとなく流れていき、致命的にかけ違っている部分が生まれているような。
ただ侑自体も皿洗いのくだりで
「よろしく頼みますよ、歩夢おばあさん」
とか言っているあたり、
1話の
「私はずっと、歩夢の隣にいるよ」
という言葉に嘘はなく、侑視点からすればそのように行動もしているのだと思います。
時々とんでもねえ選択肢ミスみたいな対応が見えますが、それでも歩夢の願いには応えてきていました。
「スクールアイドルをやってみたい」という歩夢の夢を、支えながら一緒に見ています。
ただ侑の射程には同好会のメンバーも入っただけ。せつ菜との対話シーンにおいても
「せつ菜ちゃんやみんなの歌を聴くと、元気がもらえるんだよね!」
と表現しています。
せつ菜が特別で歩夢の順位が下がったとかではなくて、侑の中の特別な存在が増えただけ。
どうにもそこに対する認識やら優先度やら表現やらでなにかがかけ違っている気がしてなりません。
プールサイドのベンチでふたり並んで話しているシーン。
歩夢「侑ちゃんがあのとき、私のスクールアイドルの夢を一緒に見てくれるって言ったの、すごく嬉しかったな」
侑「スクールアイドルの夢……そっか。あのとき、歩夢が勇気を出してくれたおかげなんだ」
歩夢「?」
歩夢が「私の」って言ってるのに直後に「スクールアイドルの夢」って言うのがザラつきポイントです。
この段階で侑の頭では「スクールアイドル(同好会のみんな含む)の夢→それを一緒に追うきっかけになったのは歩夢のおかげ」というふうに、応援対象の射程がほぼ等しく同好会全体へ広がっている感じがします。
侑「歩夢の夢を一緒に追いかけて、今の私がいる」
歩夢「うん……!」
侑「そして、みんなとも!」
歩夢「えっ?」
今までの話ではたいてい心が癒されたり感動したりしていたシーンで流れていた劇伴をもってしても胃が痛くなってきます。
これまでも侑の「みんな」発言に歩夢が「えっ?」とナチュラルに疑問符を出すこわいカットはありましたが、ここでもこうなってしまうということは、完全にふたりの「夢」に対する認識のすり合わせができていません。
言う必要がなかったか、必要性の有無すら意識になかったか。
あと上原歩夢さん、1話で担当回があったが故になんとなく分かった気になっていたのですが、その心の内自体は全然明言されてないし実はあんまり分かっていない感じがします。
8話のしずくにも似ている部分はありますが、あれは「意図してそう演じていた」というこれはこれで超しんどい事実があり、対して歩夢は無意識に抑圧している感じがするような。
侑以外の前で踏み出している様子も、侑に対して踏み込む様子も、実はあまり見ていないような。
ふたりきりのお皿洗い中、昔話を振るシーンでも
歩夢「これからも、ずーっと一緒にいたりして」
という言い方で、「ずっと一緒にいたい」という願望として口にはしていません。
思えば1話のはじまりの言葉も「私の夢を、一緒に見てくれる?」という問いかけの形でした。
歩夢が問いかけて、侑が肯定する。歩夢から侑に積極的に「こうしてほしい」という願望が出たシーンは、実はほとんどないのではないでしょうか。
今まではそれでも心地よい会話と関係性が保てていたのかもしれません。ただ、それだけでは思い通りに立ちゆかなくなった。
上述したベンチのシーンと侑のスクフェス発言のところ、ポジショニングすらもしんどかったです。
ふたりで座っていたところから侑だけが立ち上がり、ベンチの後ろにはそれぞれ自身の足で立っているメンバーが並び。
スクフェスの構想を語り、それに盛り上がる面々の中、歩夢だけが立ち上がれずにいます。
ひとりだけ自分で立つことができないまま、周りの流れに合わせて「おー!」と腕を上げ。
踏み出して歩いたその先、差し出す手なしには立てずにいるようで、直接的な描写はそこまでないはずなのに何故だかずしりと重たさのあるシーンでした。
そういえば1日目夕食時にどんなライブをしたいか話していたとき、歩夢だけ具体的な展望みたいなものが挙げられていません。考えれば考えるほど気がおかしくなりそうです。
1話で同好会の廃部を知りさっぱりと諦めようとしていた侑。それを引き止めたのは歩夢の夢。
能動的に、自分から「始めよう」と誘い、その原動力は(現段階で描かれている範囲では)せつ菜にもらい、気づかされた自分の中の「ときめき」と「大好き」。
「何か」を見つけ、始めたいと呟いていた幼馴染は、自分たちと進む日々の中でまさにそれを見つけ出しつつあります。
ただそれは「歩夢の夢」ではなくて、「歩夢とみんなの夢」を一緒に追いかけることでもあり。
見つけつつあるきっかけは自分ではなくせつ菜との会話にあり。
ただ最初の一歩は歩夢の勇気にあることはもちろん分かっていて、「ありがとう」と言葉にしてもらえてもいる。
侑は嘘をついているわけでもなく、確かに歩夢の隣にはいるのだと思います。
歩夢の立場から、その心がどう揺らいでいるのか。
11話を待つしかありませんが…………超……しんどいですね…………。
上原歩夢と優木せつ菜
このアニメ感想はそういうベクトルのものではないので、これが歩夢ー侑ーせつ菜間でのトライアングルだとかは言いません。
音楽室帰りに起きたせつ菜の転倒、侑の抱き留め、上原歩夢は見たのシーンについては…………どうしましょうか。でもあれはただの事故なので……。
ともあれ。歩夢とせつ菜というふたりにおいて、対照的な部分が見えてくるのは事実です。
3話までの段階では、大好きなことを手放しスクールアイドルを辞めたせつ菜と、好きなものに素直になり始めようと踏み出した歩夢、という対照がありました。
ただその先。同じスクールアイドルという位置に立ったとき。
ぶつかり合いの先で自分の意思も他人の意思も尊重するようになったせつ菜と、まだぶつかることなく、初めの一歩以降は自分の意思を抑えている歩夢。
侑に対して「大好きなものを見つけることができたら、今度は応援させてくれませんか?」と踏み込むせつ菜と、一緒の方向を隣で見つめるけれど、向き合って踏み込む場面はまだ描かれていない歩夢。
せつ菜は応援してくれる侑の先、同じようにスクールアイドルが大好きな人たちのいる客席をも見ていますが、歩夢は2話で果林さんに諭された際に気づいた「伝える相手→応援してくれる人→侑」の先を、具体的に思い描けているのでしょうか。
どちらが良い悪い、優劣があるとかではなく、スタンスや立ち方が違っている、という印象です。
そもそもスクールアイドルとしての経験値も全然違うでしょうしそれはそう。
ただそれによるいろんな出来事やちょっとした関係性が……いろんなところでの積み重ねと合わさって……やがてなにがしかが起こっていくやつなのでしょう……。
侑からすればせつ菜は新しい世界を教えてくれた「はじまり」の存在、歩夢はその世界へ踏み出すきっかけをくれたもう一つの「はじまり」の存在。
どちらが欠けていても今の侑はいません。
せつ菜がいなければ、それこそ侑は歩夢と放課後に予備校へ通う毎日だったでしょうし、歩夢がいなければ、侑はただスクールアイドルを遠くから応援するいちファンとして過ごしていたかもしれません。
逆もしかりで、歩夢は侑がいなければ新しい世界へ踏み出すことは無かったかもしれませんし、せつ菜は己の思考をロックしたままスクールアイドルを辞めていたかもしれません。
つまるところ……みんな重要なので……あの……みんなが揃って心から笑っていられる未来がどうか……きますように……。
ほか、ここすきポイントなど雑記
・桜坂しずく
9話でも少しずつ自我を出してきていましたが、どんどん活き活きしてきていました。笑顔もいっぱい、年相応にはしゃぐ姿もありで大変かわいい。
ギアを上げてきたな……! と確信したのはアバン、テストでやばい点数(赤点で補習では?)を取ったかすみに対して
「22点でにゃんにゃん♡ かわいいじゃん!」
とポーズ付きでとんでもねえ煽りをしていた部分です。
だいぶスパイス強めです。煽りでなければ逆にやばい。このエッジの効き方は考えてもなかなか出るものじゃない気がします。楽しそうでなによりです。
ほかにも合宿の朝食についてエマさんの「みんなで卵かけご飯とかどう?」璃奈の「卵かけご飯……好き!」に続けて
「だったら、オムレツと目玉焼きとたまごサンド作って、たまごパーティーしませんか?」
と言っていたり。なんだか自己主張するときの内容のクセが強くありません? 確かに卵は万能食材ですが……。
ただこれを「周りと違うことを言って変だと思われること、違うと思われることが怖い」と叫んでいた彼女が言っているので、細かいことは色々横に置いておいて、「これだけのびのびいろんなことが言えるようになって良かったね……!」となります。
あと1日目夜、愛さんも触れていた通りお化け扮装がひとりだけガチすぎるのもらしくて良かったです。
8話より前の彼女だったら「合宿なんだから大人しく寝ないと」と止めるか、乗らず止めずで大部屋にいたままだったかもしれません。
その彼女がこれだけはしゃいでいる、という光景が嬉しく映ります。
ところで、下でも触れる枕投げについて。
彼女は(アニメ化に伴う設定変化がなければ)運動はできるものの球技は壊滅的に苦手。
この場合、枕投げはどの判定に入るんでしょう?
一応球の類似物として定義に入れることもできそうですが、形状や飛び方の性質が異なるような。
苦手判定が「自身の体から離れた物体を扱う競技」くらいの範囲だとすれば疑問なく入りそうです。
その場合、最後に開幕したのであろう枕投げ、1年の中で最もボコボコにされるのは下手したら彼女なのでは……。
・天王寺璃奈
お化けの扮装(白いでっかいフード)の上に璃奈ちゃんボードの紙を貼り付けていたのですが、愛さんがうっかり布の端を踏む→3人いっせいに転ぶ→倒れこむの間にボードが2回変化しています。
最初はお化けっぽいドロォ……とした顔、次に><という顔、最後に涙目のボード。
↑0:16〜あたりから。
これは……変面、あるいはマジシャンの才がありますね……。
ほかにもエマさんが挙手して発言した直後、その手を両手でパシッと握りながら言葉を続けるところとか、人懐っこさが見えてめちゃくちゃ可愛いです。
せつ菜の紫スープへの反応も決してヤバいとか不味いとかは口にせず、ただ割とボードは正直な璃奈ちゃん、すき。
そもそもアレを目にして試食を断らないのもえらい。
・中須かすみ
一部湿度が高いとはいえ今回は合宿回。合宿回といえば楽しいものです。
悪戯っ子な部分が出てきたり、スクールアイドルとしてのプライドも見えたり、合宿お約束の肝試し要素を回収したり、表情以外にも外見がコロコロ変わり話を華やがせてくれました。
ランニング序盤のシーンでペースを守って余裕そうに走る愛さんより前で走ってるの好きです。体力がついているのか、あとは後ろに下がりたくないと言う意地か。
シリアスかすみんだってとてもかっこいいですが、自然体で喋るだけで場が明るくなるのも彼女のいいところです。
特にED直前、侑とせつ菜がお互いを見て微笑み、それを見た歩夢が顔を伏せるという心ザラザラシーンの直後。
愛「よっしゃー! 次は枕投げ大会だぁー!!」
せつ菜「ふふっ、臨むところですよ!!」
かすみ「ひぃぃ〜! ハンデ有りでお願いしますうぅ〜!!」
でめちゃくちゃ癒されました。本当にありがとうかすみん。彼女がいなければ画面の前でうずくまってしまうところだった。
実際、運動神経抜群な部室棟のヒーローと、フィジカルもバッチリであろう、なおかつ前日に痛烈な一球を寝ながらにして喰らわせてきた相手が敵に回ったとなったら相当恐ろしいとは思います。
ハンデ……なんでしょう。愛とせつ菜は非利き手で投げるとかでしょうか。なんだかそれでも強そうですね……。
・宮下愛
ムードメーカーかつ、状況や話を前に進めることができる人。
今回も聡さと明るさを発揮しててたいへんいい感じでした。
中でも1年生と3年生が怖がらせあってじゃれてるくだり、電灯を消してビビらせる役というわりと楽しいポジションにつきつつ、せつ菜に1・3年が正座させられる中シレッと怒られない側にいるの、面白かったし立ち回りの良さが見えて好きです。
ただひとつ疑問なのは、1年生サイドはなぜ最初の標的に愛さんを選んでしまったのか。明るいからリアクションも派手っぽいとかでしょうか。
1年がたくらみを始めた段階で部屋にいたのは3年生と侑を除いた2年生。
せつ菜に仕掛けたら怒られそうだし、エマや歩夢にしたら悪いことした気になっちゃいそうだし、彼方は超然と動じなさそうだし、果林も(1年生視点だと)こういうのに強そう。
愛は仕掛けても怒らなさそうだし、もしかしたら反応が良いのでは? という感じでしょうか。
あと地味にかすみとのやりとりの仕方が好きです。雑なようで適度にイジる先輩とイジられる後輩の感じ、リアルの部活にもありそう。
年下相手に割と至近距離でデカめの水鉄砲攻撃を放ってるのも遠慮のない距離感という感じですき。
ところで鬼ごっこの鬼、彼方の体力は仮に平均前後くらいとして、残りがスイスの山育ちのエマ、フィジカルもバッチリ鍛えているせつ菜、天才宮下愛の並びで超エグいですね。よくもまあ勝負がある程度成り立ったものだ……。
愛さんに至っては水鉄砲も装備で確保の射程まで伸ばしています。
鬼に金棒、宮下愛に水鉄砲。時期的に炎天下で走り回ってそうなので、当てられたら当てられたで涼しくて気持ちよさそうですね。
・朝香果林
弱さも強さも見せながら日々進むお姉さん。今回は9話を超えてさらに深まった同好会メンバーとの仲や信頼が見えました。
読者モデルの仕事をしていて恐らく体型コントロールにも人一倍気を遣っているであろう彼女。
やや飯テロアニメの気もあるこの作品においてもなお、5話のエマとのデート以外ではあまり物を食べているシーンがありませんでした。3話で差し出されたパンも7割くらいエマにあげていましたね。
しかし今回はチーズの乗ったピザをにこにこと食べていて、なんだかこういうところでも距離の縮まりを見ることができた気がします。
あと何気に本編中に果林さんが「侑」と呼んだのは今話が初めてなんでしょうか。
「ほら! 侑も逃げるわよ!」
鬼ごっこがはじまったとき、当たり前のように立ったままだった侑を巻き込んでいくシーンがなんだか好きです。この強引さは親友譲りかもしれません。
違う立場ではあるけれど、こういう砕けた場では一緒に楽しむ。5話までどこか周りと距離を保っていた彼女が積極的にそうしている姿が素敵です。
あと鬼ごっこランニングのあと
しずく「結局、ランニングと変わらないくらい走りましたね」
エマ「汗もびっしょり〜」
果林「だったら、次はもう決まりね!」
で「合宿回といえば次はお風呂なのでは……?」と自然に考え、プールを見て「そっか水着回だ!」と思い至ったの、(視聴している己によこしまさがあったことは否定しませんが)現実世界で12月なのでナチュラルに感覚がそっちに寄っていました。
アニガサキほどの作品が夏というなら今は夏なのだ……慢心していました……。
・近江彼方
せつ菜の独創的なスープを軌道修正して美味しく仕上げたの、料理が上手いとか超えて錬金術師の領域に到達していませんか?
経験上、汁物で方向性を誤るとよほどのことでは修正不可能、辛めのカレー粉を放り込んで全てを覆い隠すという闇鍋の最終手段みたいな手くらいしかできないのですが、あのとんでもない色のやつを……「ちょっと」調整で……?
なにをしたかは全く見当もつきませんが、虹ヶ咲学園は一刻も早くより多くこの才能に投資した方が良いことは間違いありません。凄すぎる。
そして鬼ごっこのシーン。
寝たフリをしておびきよせ、侑の手をがっしり掴んでからの
「んふふ〜、捕まえたよ〜?」
という悪戯っ子な笑顔。かわいすぎる。
お姉さんでもあるけどひとりの高校生でもある、こういうところがたまりません。元々好きだけどさらに好きになってしまいます。
ほかにも3年組で仲良さそうに雑誌の話をしたり、果林さんがエマさんにメイクしてあげてるのを横で見てたり、3人揃ってお化けメイクしていたりと、1対1だけではない関係性の広がりが感じ取れて素晴らしいです。
・「みんなはどんなライブをしたい?」に対するそれぞれの回答
この記事はアニメの感想が主体なので細かくは書きませんが、この時空ではない1st〜3rd楽曲とそれに付随するキズナエピソードの波動を感じ、それが無理なく本人たちの口から「ライブでやってみたいこと」として語られているのが本当に素敵でした。
人間の描写の感覚も、こうした別時空の要素の入れ方も、バランスがよくて最高です。
ただそこで上で書いた通り歩夢だけなんか漠然としているのがしんどみポイントとしてのしかかってもくるわけですが、彼女もきっとそれを見つけられるときがくるのだと信じていますし願っています。
以上、10話を見た直後のオタクの感想です。
ちょっとだけアニメ本編以外のコンテンツの話をします。アニメ連動ラジオ「Radioアニガサキ」、通称「幼馴染ラジオ」についてです。ネタバレはしません。
このラジオはふつおたやアニメ感想のコーナーとは別に、「侑と歩夢の幼馴染仲良しチャレンジ」なるものがあります。
詳細は割愛するとして、毎回始まる前に挟まれるコーナー説明の文言。
「侑と歩夢はなんでも言い合える仲良し幼馴染同士!」
「仲良し」と「幼馴染同士」は事実として……なんでもは……言い合えていますか……?(今話終了段階)
次回は「みんなの夢、私の夢」。話のタイトルの色〜〜〜〜!!!!!
noteだと文字色がシンプルなのでアレなのですが、前段が黒、後段がピンクです。もうしんどいです。助けてください。お願いだから歩夢に笑顔でいてほしい。頼む……。
歩夢の夢は見つかるのでしょうか。侑に伝え、あるいはぶつけ合えるのでしょうか。
それは同じものなのか、違うけれど隣で歩んでいけるものなのか、それとも。
次話についてソワソワしているのはいつものことですし、「どうなっちゃうだろう……」と(話のクオリティは全然心配してませんが)不安になること(例:演劇部部長への先入観と言いがかり)もありましたが、ここまでおかしくなってしまいそうな気持ちになるのは初めてです。
なにをしようが時は過ぎゆくので、狂おしい気持ちのまま待とうと思います。
いや〜〜〜〜上でもたいがい色々書きましたがもう心がメチャクチャです!!
というかCパートがなかったから全然次への心構えができていません!! 次話へざわつく心へのクッションがない!!
楽しくて面白くて明るくて可愛くてエモーショナルさもある合宿回の中に今まで信頼と共に積み重ねられてきた「人間」の描写が穏やかにも不穏にも息づいていて、なんだかとにかくヤバいです。残り3話なのも意味が分かりません。
ただアニガサキへは今までの積み重ねによる厚く熱い信頼があるので、根本的には絶対大丈夫だろうなという安心感があります。
なので今感じている怖さみたいな感覚は、例えるなら人気遊園地のジェットコースターに乗る前のものに近いでしょうか。
よっぽどのことがない限り安全だけど、そういうものの性質としてお約束のように怖いというか。
ヒエエ!! 怖そう!! でも楽しみ!! という感じです。
別の視点でも、今話で明確に言及された侑の「何か」、侑の「大好き」も見えてくるのでしょうか。
次回の最新話直前生放送のゲストがマジで分からないとか、11話以降の流れはやっぱり読めないとか、楽しみつつ未知もありつつなこの期間をめいいっぱいに楽しもうと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?