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2021年ウィーン・フィルハーモニーのニューイヤーズ・コンサートのワルツに乗って思うこと

ウィーン・フィルハーモニー2021。
今年は、史上初の無観客開催となりましたね。

この約2時間、様々なことを感じ深い感動に包まれたので忘れないうちに記事にさせてください。

指揮者と団員の信頼関係から生まれた絶対的な安心感

コロナウィルスの影響で、無観客で行われた演奏会。指揮者は、巨匠リッカルド・ムーティ様です。イタリア人、79歳です。

(写真はアプリを使ってふざけて撮ったやつしかなくて、こんなコミカルになってます。すんません)
このお方は、2018年にもニューイヤーズコンサートの指揮をしておられ、今回で6回目のニューイヤーズコンサート出演でした。

この現状に誰もが持つ「一体どうなっちゃうの?!」という不安は、
リッカルド様のドーンとした大きな優しい安心感で包んで消し去ってくれました。
指揮者発表時からリッカルドさんなら大丈夫!と思わせてくれるような。。
とても心強い存在です。
きっと団員さんたちも安心して練習、本番に望めたと思います。
そして長年のウィーンフィルとリッカルドさんの築いた信頼関係からもより一層、想いは強くなったのではなかろうか。と思います。


そして演目も「春の声」「クラップフェンの森で」「皇帝円舞曲」といった超王道な曲目がふんだんに配置されて、ファンには「あぁ、ウィーンだ!!!いつものウィーンだ」と安心させてくれる演目でした。世界が謎のウィルスに脅かされとようと、ウィーンの音楽は変わらず、優美な世界でした。

世界中が繋がれる時代

今は、オンライン配信が可能になっているしウィーンフィルのニューイヤーズコンサートは、昔から日本でもNHKで生中継されるし、日本だけでなくヨーロッパの各民放も生中継しています。
夫の故郷ルーマニア でも生中継されて、いつも夫の祖母が楽しみにして見ていたそうです。

現場に観客はいなくても、世界中で待っているファンがいる。
そんなファンの期待に120%以上で応えてくれました。

でも、もしこれが70年前、100年前だったら、、コンサートは中止で終わってたでしょう。
だって、地球の裏側まで届ける術なんてありませんし、まず地球の裏側、はたまたすぐお隣の国だってこんなコンサートしてること、一体誰が知ってるというのですか。超富裕層くらいなのでは。。

たった数十年足らずで、世界中と簡単に繋がれるようになりました。
広大な地球が小さな村になったような感覚になります。
子供から大人、おじいちゃんおばあちゃんまでも簡単にウィーンの音楽を聴けるのです。
素晴らしい文明の進化です。

文明を開拓しつづけてくれた、多くの開発者の方、化学者の方、などなどにとても感謝したくなるのでした。

クラシックコンサートを聴くだけで、こんな気持ちになるとは。。。

女性プレーヤー増員でわかること

それと、今年の大きな特徴として女性プレーヤーが圧倒的に増えたこと
感動しました。

ほんの10年前は、あり得ませんでした。
私は小中高と吹奏楽部で、一時は本気でプロのプレーヤーになりたいとおもったことがありました。
それで、吹奏楽強豪校の高校に入学して吹奏楽に励みました。
名門ってだけあり、多くの有名なプロプレーヤーの方からレッスンを受けましたが、全員男性なんです。

吹奏楽部員は9割女子なのに、なんでプロになるのは男だけなんだ?
と不思議に思ってました。

すると、あるプレーヤーの方が「音楽の世界は男社会。だから、女には無理。女は普段から計算高くて、本気をあまり出さないけど、男は常に本気。馬力が違う。女には無理な世界なんだよ。」

と言われてました。(気を悪くした方ごめんなさい)
当時は「なるほど!」とすんなりと納得してました。笑
というのも、先生のおっしゃることが絶対だし、私自身も体力と肺活量がなくて、男の体に憧れたから。

けど、その常識はもう変わりましたね。
あのウィーン・フィルが証明しております。

ベルリンでもロシアでも、ニューヨークでもないウィーン・フィルが!!!

これは本当に凄いことなんです。

というのも、ウィーン・フィルは伝統・血統に重きを置いてきた楽団です。
ウィンナーワルツといって独特の流動感がるリズムがあります。
これを表現できるのは、伝統を守れる者だけ。それが血統!!!

という概念がありました。だから、歴代の首席プレーヤーを見ると、一族が首席プレーヤーで、2ndプレーヤーは2ndプレーヤーの一族、というような感じで受け継がれてます。

今はわかりませんが、昔は楽器も受け継いでいたそう。

私が小学生の頃読んだ音楽記事では”オーボエは100年近く修理を重ね楽団内で受け継いでる。”というのを読んで「すっげ!!!化石やん!!!てゆか100年前にオーボエなんてあったんだ!!ヨーロッパすっげ!!!」となったのが20年以上前。

また、私は高校生の頃ドイツにあるプロの楽団を目指す特別な音楽学校の生徒さんと交流したことがあります。
彼らが日本公演をしに来られた際、ホームステイを受け入れたのです。
その方も、「将来はベルリンフィルに入るのが夢」「ウィーンは、僕の家柄(血筋)じゃ無理だ。」と言ってました。

その楽団さんは、ドイツでもトップクラスの為世界中の楽団からスカウトが来るそうですが、ウィーンは無いと言ってました。


それくらい別世界のウィーン・フィル

が、今年。。。圧倒的に女性プレーヤーが増えていたことに驚きました。
でも、変わらぬ伝統あるウィンナーワルツ。。

王道の曲で私たちを安心に包んでくれたひとときを届けてくれました。

良き伝統は変わらずに、それでも時代に合わせて形態を変化できることを証明してくれました。

感動です。

まとめ

今激動の時代です。
コロナのことだけでなく、これからは多くの価値観が変わります。
教育、性別、言葉遣い、人間関係、働き方、家族のあり方、、、

常識という常識が覆ることがいくつもありますが、恐ることはない。
いつの時代も、必ず良い方向に転換する。
だから、私も変化に恐れず、受け入れてウィナーワルツでステップを踏みながら、軽やかに素敵な人になりたいなぁ

と思いました。


長くなりましたが、ここまで読んでくださってありがとうございました。
2021年を封切りに、どんどん時代は良くなることを願ってます。

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