神楽の世界にはまりこむ。移住したフォトライターの豊前神楽レポ
「ぶぜんノートさん、まだあの神社でやる神楽見たことないですよね。コロナでずっと開催できていなかったけど、今年はとうとうやるので」
移住して以来、仕事でもプライベートの山登りでもご一緒している、市役所の若い女性から、秋の神楽の情報をいただいた。
役所のすぐ近くで、森がそこだけ残ったような乙女八幡神社で神楽が奉納されるとのこと。
「夜の神楽がまたいいんです!」
歴史と写真が好きな自分にとって、なんて嬉しい情報と、見に行ったのは先月10月30日。
遅くなったけど、その時の様子をお伝えしたい。
豊前市に移住してから、神社の中に「神楽殿」という神楽を舞う建物があることに気がついた。
本殿、拝殿、そしてもう一つの建物が神楽殿だ。
神楽殿が無い神社もあるようだけど、基本は屋根がある神楽殿で舞う人たちを、周りの人が見上げるスタイルがスタンダードなようだ。
この神社では鳥居から道路に続く一本道に降り立って、神楽舞が行われて驚いた。
この神楽舞は走る神楽。
すごい速さで戦っている。
道の周りには地域の人たちが歓声をあげていた。
戦ったはずの鬼と人が、まるでスキップするかのように去っていく。
神楽はお昼から夜まで続く。
途中の食事は地域の人たちが準備して、神楽講の方たちは食事をとって休憩するそうだ。
夜の神楽も見に行った。
夜の神社と神楽、異世界のよう。
以上、2023年秋の豊前神楽「黒土神楽講」乙女八幡神社奉納の様子の一部をお伝えした。
国指定重要無形民俗文化財である豊前神楽は、以下6つの神楽構(保存会)により伝承されている。
岩屋神楽講
山内神楽講
黒土神楽講
三毛門神楽講
大村神楽講
中村神楽保存会
各神楽講が秋になると、市内50ヶ所余りの神社で秋の豊作に感謝し、神楽の奉納が行われるという。
豊前神楽の特徴は、そのダイナミックさ。
豊前市の山にたくさん史跡が残っている山岳信仰「修験道」の影響を強く受けていると言われている。
神楽講の人たちの年齢は様々。
幅広い年代の方が、舞い、皷を打つ。
子供の神楽もある。
大阪、広島、北九州、そして豊前にやってきたのだけど、神楽の魅力にすっかり取り込まれてしまった。
豊前市の地域おこし協力隊の第一期生だったという北九州市出身の女性も、豊前の神楽にはまりこみ、とうとう移住するようになったとも聞いている。
なのに、こんなにすごい文化が、移住元の北九州市にいた時ですら知らなかった。
同じ福岡県だったのに。
(地域おこし協力隊の女性は仕事で豊前神楽を知ったそうだ)
せっかく移住したのだから、この素晴らしさを僅かな力でも、より多くの人に届けたい。
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