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「ルール作るのはいつも現場知らない人」 フリーライター・橋本氏講演

2024年問題テーマに


トラック産業の将来を考える懇話会


 トラック産業の将来を考える懇話会・近畿(南海久次代表=佃運輸㈱)は5月27日、大阪市内のホテルで2023懇話会セミナーを開催し、元トラックドライバーでフリーライターの橋本愛喜さんが「行政と現場の温度差」をテーマに講演を行った。 
 橋本さんは、来年4月から自動車運転業務に年960時間の時間外労働の上限規制が適用されることについて、「現場のルールを作るのはいつも現場を知らない人。例えば、『430』運行一つとっても、4時間走っても止める駐車場がないからドライバーは止まれない。ドライバーは止まらないと違反、止まっても違反になる。法律を作る『有識者』にブルーカラーの人は一人も入っていない」と話し、法律を作る側と現場との間に大きな温度差があると指摘した。
 また、「2024年問題は、『荷物が運べなくなる問題』ではなく、世の中の物流に対する無関心・無理解によって現場が崩壊する問題だ」と強調。
「メディアは2024年問題を宅配で語っている。トンベースでは宅配の貨物量は全体で実質4~5%。それ以外が企業間輸送。頼んだレトルトカレーが届かなくなる問題ではなく、工場に入れる玉ねぎ・人じんなどの材料を運ぶトラックが動かなくなる問題」と指摘した。
 その上で、「2024年問題は、何よりも必要なのは『ドライバーの働き方改革』ではなく、国や荷主、世間の意識改革」と強調した。(6月19日号)

【写真】講演する橋本さん

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