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【物理】等加速度直線運動

ここで学ぶこと…向きと大きさの概念/相対速度の考え方/等加速度運動の公式の導出


① 速度と位置

v には2つの表現方法があります.


速さ…スカラー量(向きなし,大きさのみ)
速度…ベクトル量(向きあり,符号をつける)

物体がどの向きにどれだけ移動したかを表したものを変位といいます.
移動距離と変位の違いは,例えば自分の家から駅まで歩くときは変位かな?違うよね.駅まで行くときに道路があり,曲がったり,寄り道することもあるでしょう.つまり普段家から駅まで歩くときは移動距離です.では変位はというとイメージは家から駅までずっと直線で歩く感じ.民家や線路があってもそのまままっすぐ突っ切って駅まで行くときが変位.要するに最短(民家や道路も横断歩道とかない危険なところを横切っていく)で行く方法の道のりが変位って感じ.一応イラストを載せておきます!

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② 等速直線運動


一直線上を一定の速さで進む運動を等速直線運動といいます.
ここで文字を分かりやすいように文字を以下のように定義します.
位置…x[m]/速度…v[m/s]/加速度…a(m/s2)/時刻・時間…t[s](加速度は後で出てくるのでわからなくて大丈夫./時刻は瞬間的、2 分20秒とか.時間は幅的,2時間とか.)下のグラフについて.

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 x-t グラフ.このグラフでは傾きが速度を表します.次のグラフは v-t グラフ.

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面積は進んだ距離(絶対値)を表します.例えば図だと1秒経ったとき速さ1の場合だとどのくらい進んだかというと1×1=1(水色の囲い)となります。0.5のときは0.5×1=0.5(緑の囲い)です.もっと踏み込むと v-t グラフの傾きは加速度になります.今回のグラフでは加速度は0です.なぜか加速度なのかは微分・積分を使うとよくわかります.

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なのでこれをtで微分すると,つまり v-t グラフの傾きを求めるのと同じです.微分すると 

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となり
加速度の単位と一致するわけです.よってこの V´を a に変えれば 

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となります.
以上の考え方をまとめるとこんな感じのこと操作をしているわけですね.

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微分・積分をまだ教わっていない人は習ったら復習してください.また,私の物理のやり方は本当に微積を使わないと無理!ってところ以外は使わないのでよろしくお願いします.基本的に大学入試なら微積を必ず使わないと出来ない問題はないので,周りに微積で解いている人がいたらすごいと尊敬しつつも僕たちは原理に乗っ取って勉強していきましょう!


③ 合成速度と相対速度

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例えば川が右向きに速度2で流れていたとします.そこに右向きに速度5で走る船を投入してみると,岸にいる観測者からすると船は右向きに速度7で走っているようにみえます.このように速度を足してみたときの速度を合成速度といいます.

相対速度は二つの観測者を比較してみましょう.
例えば、速度10[m/s]の中にいる A くんが後ろを走っているBくん3[m/s]を見たとします.

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A くんからみるとBくんは速度-7m/s(Bくんが遠ざかってみえる)で走っているようにみえます.つまり,このときの考え方は観測者Aくんの速度を0にしたと仮定したときのBくんの速度はいくらかということ.このようにして考える速度のことを相対速度といいます.では逆にBくんから見た A くんの相対速度を考えると10ー3=7で7m/sだと直感的にもわかるでしょう.この計算方法を一般化すると以下のようになります.

A からみた(A に対する)B の相対速度 V は

V=〔B の速度(相手)〕―〔A の速度(自分)〕

この考え方はなかなか便利でよく使います.僕はこの考え方をするとき乗視(乗って考えた場合の見え方の意味を込めています)と言っています!


④ 等加速度運動の3公式

人と新幹線は普通に考えれば速度は新幹線の方が圧倒的に大きいでしょう.では人と新幹線が同時刻にスタートしてから2秒後,どちらが速いですか.これは人の方が速い気がしませんか?このように長い目でみたら新幹線の方が速いですがスタート付近では少しの間,人の方が速くなりそうです.何が言いたいのかというと物体の運動の様子を知るには速度ともう1つ、速度自身の変化量もわからなければならなそうということです.そこで,単位時間当たりの速度の変化を加速度と定義します.また,速度が時間とともに変化することを加速度運動といいます.ちなみに速度の変化量の向き(円運動のときに役に立ちます)は加速度の向きってこともわかる人は理解してください(わからなくても大丈夫).速度の変化量が正なら加速度は正方向ということになります(どんどん速くなっていく).単位は速さを時間で割ったものなのでm/s^2(メートル毎秒毎秒)となる.そして一直線上を一定の加速度で進む運動を等加速度直線運動といいます.

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a=一定なので1秒で速度が a だけ増える(減る)ということです.なぜなら速度の1秒あたりの変化量が加速度ですからね.そうするとt秒後で速度は at だけ増える(減る)ことになりますね.そこでt=0のとき、V=V0とすると時刻tのときの速度は,

V=V₀+at

 となります.

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はじめの分 増えた(減った)分これが分かったところで次に,進んだ距離を求めます.一旦上の式グラフのを書くと上図のようになります.v-t グラフの面積は移動距離なので,面積を求めればいいですね.傾きは a で加速度です.よってグラフは直線となります.ゆえに右図のようにして面積(変位)を求めると 

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となります.実はこの式は少し補足があって、t=0のときx=0のとき
に成立しますもしt=0のときx=x0のときは上式にx0を足さなければいけません。このような最初に原点でなくx₀からスタートするときのx₀を初期位置といいます。これは問題を通して整理していくといいです.なぜ原点基準にしていないのかが分かります.一言で言うなら総合距離を求めるときとかに有効です.ほら、イメージがわかないでしょ(笑)。だから問題解いてみてくださいね.最後に,2式からtを消去すると

v²-v₀²=2ax 

となります.この式の利点は時間いらずの式ということ.これめちゃ意識してください.そうしないとこの式ができた理由もわからなくなりましね.以上の3式を下にまとめます!

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⑤ 重力加速度

空気抵抗を無視すればすべての物体は質量によらず同じ加速度で落下します.これを重力加速度といい大きさは g=9.8[m/s²]という値をとります.

問題を解くにあたっての言葉の解釈について
静かにはなす→初速度0
鉛直方向→重力がはたらく方向
水平成分→鉛直方向と垂直な方向
最高点に達する→速度の鉛直成分が0

座標軸方向を正として,計算します.

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