見出し画像

橋本遊郭を見学してきた①「旅館 橋本の香」(旧:三枡楼)

2022年6月某日、京都府八幡市の橋本地区に赴き、かつての遊郭に残る妓楼を見学してきました。

降り立った場所は京阪本線の橋本駅。大阪の淀屋橋から45分ほどです。
駅前にはこれまたなんともレトロな風情の洋食屋さんが佇んでました。残念ながらこの日はお休みのよう。

アサヒスタイニーは1964年に発売された小型瓶ビール。
オムライスなど美味しい洋食が食べられるそうです。行ってみたい。

駅から1分ほどで、今回の目的地である「旅館 橋本の香」と中国茶カフェ「美香茶楼」の並ぶ通りに到着。事前に見学希望の予約電話はしておきましたが、美香茶楼の前に見学&カフェ希望の方は電話をとの案内が出ていたので電話します。リンリン。

オーナーの政倉さんが出てきてくださいました。

旅館 橋本の香

まずは泊まれる遊郭「旅館 橋本の香」から見学させていただくことに。元遊郭「三枡楼」の建物を活かした旅館です。

外観。

こちらは漢方エステとして開業後、旅館業の許可を得て宿泊施設になっており、現在は漢方エステ施設&素泊まりの宿として営業してます。

玄関ホール

玄関ホール。おじゃまんしま〜す。
タイルの配色がカワイイ!
玄関左手の待合室。欄間からの光が良い。
玄関ホールにあった古い電話

中国出身のオーナー政倉さんが解説付きで案内をしてくださいます。政倉さんは、解体予定だったこの建物を「こんなに日本文化が残る建物をつぶしてはもったいない」と私財を投じて買い上げたそうです。

私なんぞは、簡単に「つぶすなんてもったいない〜」とか言うだけでなんもしないけど、こうやって実行できるのってすごいですよね…。おかげでこうして素敵な建築物を見学できてるのだからありがたいです。

2階

まずは階段をあがって2階へと。

この視界に入る部分だけでも意匠がすごい。
入り口上部の欄間部分にもステンドグラス。
美しい〜。階段上がってすぐのこの部屋で遊女と対面していたとか。
部屋の外側からみたところ。
廊下の天井の作りも扇型の凝りよう

2階の表通りに面していくつか部屋が並び、細い外廊下の窓には色の異なる色ガラスがはめ込まれています。この外廊下の窓から遊女が顔を覗かせていたのでしょう。

曲線部分がキュート
綺麗な色ガラス。今は同じものはつくれないそうです。
こちらの部屋にはピンクのガラス
こちらは黄色ガラス

2階の中央には一番広い部屋があります。障子の細工など作りが豪華。一番売れっ子の遊女が使う部屋だったそうです。

中庭があるので光に溢れ明るい。
スタイリッシュな障子デザイン
上の部屋のベッドの足元側の廊下。中庭に面してます。
2階の出窓部分。
2階出窓の側面は渋い。
お小便スペースことトイレ。

さらに奥、表通りと逆側に並ぶ部屋は、現在素泊まり用の宿泊部屋として使用されてます。

こちら側の奥の窓は色ガラスではなく、なにか布がかけられてるのかな?
一番奥の部屋は少し広め。

取り壊し予定だった建物をこれだけ綺麗に修繕するのは大変だったことでしょう…。エアコンもついてるし各部屋とてもこざっぱりとした部屋に整えられてます。一泊3500円〜5000円で泊まれるようです。

一通り2階をみたら1階へと。

こちら奥側の階段は、遊女専用の階段で客が通る場所ではなかったらしい。

一階

降りた先でまず目に飛び込んでくる1階出窓のアールデコ調のステンドグラス。

鮮やか
カワイイ!
アールがかった面に美しく嵌まるステンドグラス
綺麗に残っててくれてありがとうありがとう

詳しいガラスの種類のことはよくわからんが、よく見るとそれぞれのガラス自体、色だけじゃなくて柄やパターンの作りが違って見飽きない。

中庭から外側をみたところ。石灯篭なども当時のものだそう。
2階の出窓部分とは位置も作りもちょっと違う。
中庭地面のタイルは、建物に使われてたが剥がれ落ちてしまったものたち。
中庭は上から見るとこんな感じです。

最後に1階メイン、入り口から見えた部屋を見せていただきます。

床の間もあり、欄間の意匠はよくみると松竹梅?
和箪笥が気持ちよく収まっている。
本当に
色々な箇所が
見応えある〜
入り口付近に立派な金庫が。
低めの出入り口の上部に神棚があり、神様に頭を下げてお客様を出迎えるのだとか。

帰りは、脇にある別の出入り口から玄関ホールへと戻りました。

さてお次は同じ通りの三軒隣にある「美香茶楼」(旧:第二友栄楼)の見学へとむかいます。つづく…。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?