見出し画像

劇場版Endless SHOCK感想2


 前回に引き続き、できたところまで。相変わらずSHOCK本編及びeternalの盛大なネタバレを含みますのでご留意ください。1幕がいつまでも書き終えられない…

●Scene5


It’s A Wonderful Day

 街中シーンのアンサンブルの衣装と小道具が結構変わりましたよね。ガイドさんのスーツケースを奪おうとしてるルンペンとか、最初私その動きに気がつかなくて、何でガイドさんは怒ってんねやろと見直して気がつきました。ついつい推しばっか観ちゃうからさ…照れ 街灯に飛びついて歌うシーン、下手側からのカットでるんるんな感じが可愛かったな…
 そういえば、アンサンブルキャストに目当てがいる方は、バックまでステージが明るめなこのシーンが一番目当てのキャストを探しやすいと思いました。私でも数人視認できたくらいなので。
 さて、真っ黄色のスーツに薔薇の花束で現れるタツヤが面白すぎて。何を吹き込まれたのよw 前に別キャストだった時には衣装が違ったので、キャストごとに面白カッコつけ衣装を選んでるんでしょう?(屋良くんの全身豹柄もすごかったけど)よりによって黄色スーツww薔薇の花束と指輪持って「お待ンたせ致しました!」じゃないんだわw このシーンのリカは赤チェックシャツ+デニムの印象が強い(ブルーレイの見過ぎだ)けどピンクセーター+白のショーパンになったんだね。タツヤ&リカで踊るとこ、「in the sky」でタツヤのハグをすり抜けてふふって笑ってるの小悪魔すぎるでしょう。(なんでも褒めるリカ厨の様相を呈してきた)
 でもね、考えてみて。全編通してコウイチが誰かのバックで踊るシーンてめちゃくちゃ少ないの。あとはショー中にタツヤとリカが2人で踊っているところで若干…くらいだけど大概次のシーンのためだったりフライング準備ではけてしまっていることが多いから。にこにこ2人を見守りながらバックで踊ってるのみると、ステージにさえ立っていなければ本当に“カンパニーという、孤児が集まった家族の気のいいお兄ちゃん”なんだろうなって思うと同時に、eternalのリカの発言を元にコウイチがリカの気持ちに気がついていたんだったらなかなか良い性格だぞと。コウイチあれでしょう、リカが真正面から告白してきて誤魔化せなくなったら「俺はカンパニーのことを家族だと思っているし、お前のことは大事な妹だと思ってるからそういう目ではみられない。けど幸せになって欲しい。」とか言い出すタイプでしょう!?リカはお前と幸せになりたいんだよ!!!
 コウイチが指輪と花束を受け取った後の渡し先がおばちゃんじゃなくてオネエサンになってるじゃない。オネエサン、ピンクのウィッグ置いて去って行くのなんで?て疑問が強すぎるし、ウェストサイドのとこのシーンでリカがそのウィッグ被りながら踊ってたり応援の時振り回してたりするの、謎がすぎる。左右に分かれてバトル直前のお手手ちょいちょいってして煽りに煽るタツヤ、見たことある中では歴代で一番柄が悪くて笑う。タツヤは動きにくそうな衣装でよくあんなに動くわね。
 ナオキさんの演奏シーン伸びた部分、元々、あの短さでナオキさんスカウトしようと思ったの!?て感じてたとこだったから、ある程度の演奏尺があって、かつ、みんながあれだけ盛り上がって、て言う描写が入って納得した感ある。コウイチが声かける前のタイミングでコシオカがナオキさん捕まえてて(結局取り逃してしまうとはいえ)流石お兄さんポジだなと思った。ただあの盛り上がる場面でコウイチとタツヤだけ輪に入ってない意図をちょっとはかりかねている。カンパニー内で秀でて浮いている才能の象徴?単にキャラクタ位置の強調?

夢のその先

 この曲は最近に導入したからまだサントラに入っていないんですよね。音源が欲しい。「まもなくメジャーデビュー♪」でみんな一斉に踊りだすのが微笑ましくて仕方ない。頼むからここの幸せなところで時を止めてほしい。この後から人間関係に急激にヒビが入ってつらくなってきます。

 タツヤの台詞の、
「俺が…」
(音楽ストップ)(集まるカンパニーからの視線)(みんな少しタツヤに向き直る)
「俺たちが注目される…」
のところ、確かにタツヤは自分本位な言い方をしたかもしれないけれども、みんな一斉にその反応を一人に向かってすると圧が強すぎるので可哀想になってくる。
 マツが「行こうぜー!!!」ってスベッて哀れにミナトに慰められててくれなきゃ私のメンタルがへし折れてた。

 コウイチの「大劇場だからいいとは限らないんじゃないかな」「最高のショーができる場所、俺はそこを選ぶだけだ」の台詞は、焦っているタツヤにとっては余裕をかます発言に取れてしまったんだろうなとわかる。
 ただ、同じくコウイチの台詞で前の場面に、「オーナーが新しいことに挑戦させてくれたおかげ」とあったこと及び、舞台ラブのコウイチの性格を鑑みると、単純にやりたい演出が大劇場だからこそできないということもあるのではないか?と深読みしてしまう。箱が大きいとステージいっぱいの演出をしようとしたときにそのスペースを埋めるだけの人数やセットも必要となるし、一つ演出を変えるにしてもどうしても大掛かりにならざるをえないのではないだろうか。まあその後の場面でオーナーが思い描いたとおりのステージができる旨の発言をしているので、コウイチの肩を持ちたがるオタクの妄言ですが。なにしろ「俺はそこを選ぶだけだ」の話し方も、以前より迷いの強い、自分でもどうすればいいか考えあぐねている、超人コウイチの人間らしさが感じられる演じ方に変えてきているので、つい。

 そして1幕のリカはタツヤを煽りに煽る台詞が多いので、ここでも案の定煽る。
「これもコウイチのおかげね!」「何言ってるのよ、コウイチがいなくちゃ始まらないじゃない!」
 現状焦りが非常に強いタツヤの地雷ですね。リカを怒鳴りつけた後のタツヤの舌打ち、焦る自分を自分でもどうにもできないタツヤの焦燥感、急激に冷えるカンパニーの空気。「周りが見えなくなったらおしまい」この後繰り返し登場するフレーズです。胸に痛い。

 コウイチは帰ってしまうタツヤを追いかけるようにミナトに言ったり、マツにも「お前だけは何があってもタツヤのそばにいてやってくれ」と伝えるあたり、かなりタツヤのことを気にかけている様子があります。オーナーを除いてカンパニーは基本的にコウイチについていくスタンスの中、昔から一緒に育ってきてコウイチの凄さを目の当たりにしているにもかかわらず「いつかお前を追い越してやる」というスタンスで隣に並ぼうとしてくれるタツヤはきっとコウイチの中で特別で、大切な家族だったのだろうと切ないです。致命的にすれ違っている。一回ちゃんと話し合って。
 リカがタツヤを気にして「大丈夫かな?」て小声でコウイチに声をかけるところとか、映像版ならではかな、と思うカットでしたね。リカを連れて帰るコシオカもいいお兄ちゃんだよ…。

 みんながいなくなってオーナーとコウイチのお話しシーン、オーナー相手に少し弱いところを見せるコウイチですが、迷いのあるままみんなのためになるならと大劇場行きを決める。
 オーナーは、孤児の集まったカンパニーにとって母であると同時に、舞台人としてのコウイチにとっては昔大劇場で活躍していたスターなので、母に弱音を吐く気持ちはありつつ、舞台人としては先輩に無様な姿をさらせないというような葛藤もあるのかしらと見ています。
 コウイチがはけ、オーナーのDon't Look Backに入る前のピアノの数音、不安な感じのメロディーにって言って光一さんがピアノと相談していた、メイキングだったかドキュメンタリーだったかを思い出します。こんな細かいところまでこだわってるんだよなぁって再認識する。


●Scene6


Introduction~Dancing On Broadway

 単純に細かすぎて伝わらない好きポイントの話をすると、この曲でセンター後ろからなんかわざとらしく駆けてくるコウイチの走りが割と好きです。なんなんあれ。
 オフブロードウェイのステージとの比較で舞台セットがあからさまに派手になります。華やかなショー、見ていて楽しい。女性ダンサーが踊りながらきゃーーて言ってるの見るとどうにもショーパレのダンを思い出す。手拍子部分楽しくて手拍子したくなるのをこらえる映画館。円盤が欲しい。
 そしてこの曲は、リカもタツヤもペアで生前のコウイチと楽しそうに一緒に踊れる一番最後の曲です。明るい曲が無性に切ないね。コウイチは「この喜びをいつまでも」「僕らの夢は終わらない」って歌っているのに。表情を見ているとタツヤとコウイチが一緒に踊っているところ、本当に楽しげなんだよ。なんのしがらみもなく楽しく仲間で踊っていられる世界線があったら幸せだったのにね……。

Memory of Skyscrapers

 タツヤソロへのつなぎもかねての曲だと思うのですけれど、私の理解が甘い。解釈に自信がない。
 オンの先に何が見えるのか、まだ見つけられていないコウイチがそれでもステージを愛しながらオンブロードウェイのステージを走り続けることを止めない的な…?何?心象風景?曲の途中で左右からスモークが入るから尚更心象風景かしらって。
 曲中のステージ上の動きとしては、まず全員前の曲の終わりのポーズでストップモーションのまま、タツヤとリカだけ動ける。ふたりはコウイチに構わずはけて、盆が回ることでコウイチ以外の前の曲のメンバーが動きを止めたまま去る。照明が落ちているうちに、バックにいかにもなアンサンブルがポーズをとっているところで背景スクリーンが発光(摩天楼風景→白発光)、ステージ半ばに左右からスモークが焚かれたのと相まって現実感がない印象なんですよね。

「グラスにうつりこむ 摩天楼のネオン 過ぎ去りし日の記憶を 夜空の彼方へ 輝き 色あせず」
「おもいはあの日あの時のまま 見果てぬ夢を追って 光と影の中 この街で 生きていこう」
はオーナーの小劇場でカンパニーみんな仲良くショーを作っていたあの時がコウイチは一番楽しかったんだろうな…となんとなく納得していますが、
「生きていこう 思い出抱きしめ ただひとり 明日を(歌詞最後"を"であってる?)」がむつかしくない?
 思い出抱きしめ、ただひとり?カンパニーはまだコウイチについていっているのに?もうこのあたりでコウイチは完全に自分を踏み台にしてみんなが上を目指してくれるために悪者にでもなんでもなってやるという孤独感が強くなって(人はそれを自棄という)、結構メンタルが限界なのかなという解釈に落ち着いています。
 おそらくカンパニーみんなが頼る先は、以前はオーナーとコウイチに分散していたものが、すべてコウイチに集まってきている。本当はただ良いショーが作りたかっただけのコウイチは、オンで評判が落ちてしまうと、家族同然に大事に思っているカンパニーの舞台人としてのキャリアが終わってしまうという重圧を背負ったためか、小劇場を出てたったの半年でこんなに追い詰められている。
 それはそうとここで蝶ネクタイをほどきシャツを開ける仕草が色っぽくて好きです。初見の時、え!あれほんとに結んであったの!?て思った。あの衣装、シャツだけになると光一ソロのIN&OUT衣装ぽくて好き。あんなにビジュアルが最高なのに私の解釈によるとあの時点でもうメンタルが限界なのか…。

Put your hands up

 ドラムがなった瞬間ビックバンドビート始まる~~~!て思ったDオタいっぱいいたでしょ。そもそも屋良君岸君やってた頃の階段タップダンスもミニーちゃんのピアノのシーン思い出してましたからね私。
 油断していると、ポールダンスやら、ラップやら、スネアドラムやら出てきてびっくりしました。突然ディビジョンラップバトルが始まったかと思った。曲のアレンジがラテンなのも、歌詞がラップなのも、ひらひらの衣装もタツヤによく似合っていて、ナオキさんの演奏も曲調にすごくよく映えてかっこいい。マツも長めに歌っててうれしい~!とりあえず音源をください。いつもかっこいい~て呆然と聞いているから実は私ここの歌詞がわかっていないことに気が付いた。不覚。歌詞カードが欲しい。俺がtop of the worldなことしか覚えてない。
 この曲のサビ部分ではタツヤの頭上でぐるんぐるんドローンが回っていて、視覚的にすごく楽しんで見られる。
 ライバルソロ曲って、そのキャストに似合うようにアレンジが色々されてると思うのだけど、光一さんの中でタツヤに似合うイメージがこれだったのか、それとも上田くんの希望も入ってるのか、気になります。なんかに出てた? まあ演出堂本光一なので基本的には光一さんの方針なんだろうなと思っているのですけれど、SHOCKにないジャンルの音楽持ってきてくれたおかげでまたSHOCKの幅が広がったなって楽しく拝見しました。
 曲の終わりにまたスモーク…そして始まってしまうSOLITARY(死)

SOLITARY

 ステージは暗め、スモークが焚かれる中、響く足音とともに現れるコウイチ。ハットを目深に被り表情は視認できない。立ち位置につき、顔をあげ手を上に伸ばす、赤のピンスポット。上を向いている場面は引きのカットで表情が映らないが、ここは曲的に真顔だと思う。整ったお顔の真顔って凄みがあるよね。この足音が私には破滅への足音に思えてしまって響く足音がもうすでにつらい。
 この曲はコウイチ含めみんなの衣装が最高で、いやもうホント最高で、コウイチはご存知のとおりきらきらの刺繍がいっぱいついた黒のドレススーツにきらきらの腕がシースルーの黒シャツなんですけれど、なにしろジャケットの裏の鮮烈な赤地に銀の刺繍、それを強調する振り付けが最高。おみ足の左側にアシンメトリーに入った銀刺繍も最高。3日くらいずーーーっと360°全方位から見て過ごしたい。
 周りの皆さんも衣装最高じゃないです?黒と赤って何でこんなに色っぽいのだろう。黒スーツに赤手袋ってフェティシズムを感じるな…と思ってたら男性陣のジャケットの裏地がサテンシルバー…もうこれはずるい、ずるい。曲終盤でコウイチの後ろでリカが踊って、真っ赤なお手手がコウイチの身体の前に来るの、好きすぎてエンドレスリピートしたい。

 さて、この演目ではストーリー上、機材トラブルが起こりタツヤが下手からステージの立ち位置に出られず、Show must go onの為にコウイチがタツヤの立ち位置を果たす選択をとる。タツヤはタツヤで何とか間に合わせようと上手に回るが、当然時間は足りないため、衣装を軽く羽織った不完全な状態で飛び出し、マツザキに上手袖に押さえ込まれる。
 この後の楽屋場面で「あの曲はオレとお前(リカ)の見せ場だろ!?」とのタツヤの台詞があることからも、曲中はリカとタツヤのペアダンスが本来なのだが、では本来のSOLITARYとはどのようだったのか?私の中では答えが出ません。少なくとも2サビの後、というかリカと組んで踊ったよりも後にステージ中心で踊るのはこのカンパニーとしてはコウイチな気がするし、後述するeternalの台詞を鑑みても途中でセンターはコウイチになるはず。後述するとおり、Endless SHOCKとしてのストーリーの中のSOLITARYには納得しているが、劇中のカンパニーがショーとして行うSOLITARYのストーリーには疑問が残る。曲のお話構成として、リカとタツヤが踊っていて、コウイチが正面に出てメインとなりステージに独り残され、リカから拳銃を渡され、自害する。本来リカとペアを組まないのなら何故リカがコウイチに拳銃を渡すのか?まぁ事務所の系譜としては、アンダルシアに憧れての路線であろうし、私も好きだし、かっこいいし、でも謎。やっぱアンダルシアだからなのかな…必ず行くからそこで待ってろよ(フラグ)。しくじったのはトニーではなくタツヤ(本来はスタッフ)だった。いや、流石に冗談です。
 
 話がそれました。
 曲の終盤、アンサンブルの並びが、ステージ上にXを描きその中心にコウイチが立つんですよね。左右の女性の手を次々と取り、流してゆく。確かeternalで、曲終盤の場面で停止して、メインキャストが周りに並び、コウイチについて述べる部分があったと思うのだけど、そこで「SOLITARYの意味は孤独。ステージ上のダンサーは次々と去り、最後にはコウイチひとりになる」みたいな内容の台詞があって、今まで深く考えたことがなかったこの曲の題名がそこで腑に落ちたんですよね。よく考えると、ここの曲は、変更前はlove&lonelinessなので、いずれもコウイチの孤独を強調する意味合いでしょうか。
 オンの先が見えず、迷いを抱えたまま誰にも頼ることができず走り続けて、余裕のなくなってしまった、切羽詰まったコウイチの孤独、この後の衝突へ向けた破滅への着実な歩み。


つらいけど次のscene7感想頑張るぞーーー!現実が多忙すぎていつになるかわからんです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?