ひとりメーカーがノーコードで臨んだ、ECサイトのShopify移管
バタフライボードの福島です。
2016年からWEB素人が「モノづくり」を行いながら、ブランドサイトとECサイトを構築・運営を行ってきましたが、様々要因が重なり全面リニューアルを行いました。
▼こちらが完成したサイトURLです
https://butterflyboard.jp/
コードが分からなくても、1か月で完全自動化させたブランドサイト要素をもつECサイトがつくれた「構築プロセス」を共有させていただきます。
ひとりメーカーのこれまでのシステム
きっかけは2015年のクラウドファンディング終了後、「初代バタフライボード」を世に出す上でブランドサイトとECサイトを作りたいという思いに駆り立てられました。しかし、下記の前提条件が壁となりました。
・WEB素人である(30年前にBASICとFORTRANを授業で学んだ程度)
・副業でモノづくりをしていた(本業以外の時間はモノを作っていた)
・お金も時間もなかった(特許出願で貯金は使い果たしていた)
できない理由は山ほどありましたが、この条件下でできる事を模索した結果「Googleサイト」で製作を開始。しかし、とりあえずペライチページはできるものの物足りなさを感じ「ワードプレス」を使って自作をすることを決断。難しいイメージのあったワードプレスでしたが、意外にも良いテンプレートさえ見つかれば直感で何となく海外風のサイトができてしまいました。
ただし、ドメインやサーバーの設定はハードルが高かったので、情シスの友人に助けてもらいました。。。
で、次にECサイトは2016年時の簡単ECサイトの主流であった
・STORES.JP(現STORES)
・BASE
の2つで悩みましたが、月額手数料0円と簡単レベルに分があった「BASE」に決定し、1商材でEC販売をスタートしました。(この時点で海外サイトでよく見かけたShopifyの存在はしっていたものの、かなり遠い存在でした)
・ブランドサイト(さくらのサーバーにワードプレスをインストール)
・ECサイト(BASE)
・メール(Office365のメールサーバー)
ちなみに、ドメインはお名前.comで取得
リニューアルを考えはじめた理由
① ブランドサイトとECを一体化
ブランドサイトとECサイトはリンクで繋がっていたものの、購入動線がどうしても長くなることに加え、商品数が増えるにつれサイトの統一感に限界を感じ始めていました。また、販売メインのサイトというよりバタフライボードってどんな会社をメインにしたかった。
② 完全自動化
BASEのECでは会計ソフトとの自動連携はできていたものの、倉庫システムとの連携が今一歩(配送情報の自動送信など)のところがあり、完全自動化を実現できるECにしたかった。
③ 幅広い言語対応
海外から購入の問い合わせが増えてきたことに加え、今すぐではなくとも海外展開を本格化するためにも多言語化しやすいサイト構築をしたかった。
④ 積極的なEC
無名な会社が商品を販売するには並べるだけでは売れません。①のサイト共通化にも通づるのですが、会社やプロダクトを深く理解してもらう事に加え、購入して頂いたお客さんを深く理解したかった。
今なぜリニューアルを決めたのか
① ブランドサイトのアップデートについていけなくなった。。
WEB素人が故に、サーバーやワードプレスのアップデートについていけず、個々のプラグインをアップデートしていくとサイト全体が落ちる事件が3回ほどありました。(-_-;)
② 既存ECのデータ移管アプリの存在を知った
商品データや顧客データなどのデータ移管を自力でやるには時間が必要であったが、簡単移管アプリの存在を知り心が動きました。
③ コスト削減につながる
各ECサイトの手数料は比較サイトが多数あるので割愛しますが、手間を最小限に抑え、ECコストが下がることが分かった。
④ 新製品のページ制作タイミングだった
ブランドサイト用に新たなページを作るタイミングだったので、どうせ作るのであればこのタイミングしかないと思った。
という事で、やりたい事が出来そうなShopifyへの移管を決定しました。
Shopifyでのサイト構築フロー
⓪ Shopifyには2週間の無料期間があり、とりあえず無料テンプレートで遊んでみる(2日)
① BASE移行アプリで各種データをShopifyへ移行し、無料テンプレに入れ込み何となく使いやすそうと感じる(2日)
② 作りたい完成イメージを妄想しながら、Shopifyで作られたサイトを探しまくり、ノーコードで「やりたい事」と「できる事」を見極めていく(2日)
③ 無料テンプレートで移管データを使い作りこんでいくが、やりたい完成イメージに近づかないと判断(2日)
④ 有料テンプレートに手を付け始め、色々試しだす。ちなみにShopifyの場合、有料テンプレートでも購入せずにテストができる優れた機能がありました(3日)
⑤ 完成イメージの解像度を上げるため、絞り込んだ有料テンプレートを使ったサイトを見まくりpipline($140.00 USD)という有料テーマの購入を決める(3日)
▼こちらはShopifyテンプレ別に世界のサイトがまとめられており、めちゃありがたかったです。
https://www.shopistores.com/shopify-theme-pipeline/
ここで2週間の無料期間が終了しましたが、Shopifyの正式移管の覚悟を決めサブスク契約を行う。
⑥ ひたすらpipelineテーマで作りこんでいく(5日)
⑦ ある程度ページが完成したら、テストモードで自ら購入体験をして違和感をつぶしていく。特にShopifyの場合は基本海外仕様且つ海外有料テンプレを購入してしまったので、住所入力や言語部分がローカライズされてなく自力で修正する必要があります。しかし、意外に日本語のFAQや海外の動画解説が充実しているのでノーコードでもなんとか修正できました。(5日)
⑧ 倉庫との自動連携を行うために商品情報の紐づけを行う。ここは倉庫のシステムとShopifyが完全連携しており、完璧なマニュアルが準備されていたので解読&実装はスムーズにいきました。(2日)
⑨ 特商法、プライバシーポリシー、配送情報などのリーガル周りを確実にしていく。後から分かったのですが、外部決済サービスの審査でかなり細かい部分を突っ込まれました。。。(1日)
*4/14現在、コンビニ決済のセブンイレブンのみ審査待ち状態です。。
*4/27 無事審査が通過しすべてのコンビニ決済が利用可能になりました。
⑩ ドメイン移管を行う。ここは私にとって最も注意が必要なところではあったのですが、マニュアルがしっかりしているのと、念のため初期サイト構築時の友人にZoomで見てもらいながら移管しました(1日)
ここまで1か月の時間でなんとか仮オープンができる状態になりました。
⑨ 仮オープンして実際のフロー確認作業を行い、イレギュラーの対応方法をパターン化していく。
⑩ 決済周りの幅を広げていく。基本Shopifyのデフォルトは決済手段が少ないため、Paypal、AmazonPay、スマホ決済、銀行振込、コンビニ決済など自力で審査を受けていく必要があります。(ちなみにBASEの場合はBASE側が審査対象となるため審査の必要はありません)
⑪ 会計ソフトと連携をする。今のところ少しバグがあるのか、私の設定がおかしいのかデータ連携がうまくいっていません。。。解決するまではとりあえず手動です。
という事で約1か月でサイトを作りこみ、1か月の仮オープン期間を経てようやく本オープンとなりました!
Shopifyを使ってみた今のところの所感
①ページを作る
すべてが自由のワードプレスに対し、適度な制約があるShopifyというイメージで、私自身のレベルにはちょうどいい感じだと思いました。(SEO対策、バックアップ方法、翻訳方法、などわかりやすいUIで適度な決まり事があり使いやすい)また、無料のイメージ画像がかなり充実しています。
一方、トップページのバリエーションは多いものの、商品ページのバリエーションが少ないため、本格的に製作するのであれば、別途有料のノーコードページ制作APPを使う必要があります。また、日本語フォントと英語フォントのバランス調整などノーコードではできないこともあるので、これから要検討です。
②分析する
とにかくストア分析機能が分かりやすい。他のECでもデータを加工してまとめることはできるのですが、デフォルトでマーケティングサマリーが分かりやすく一覧できるのは、ひとりメーカーにとってはすごくありがたいです。
④決済
スマホ決済(PayPay、Line Pay、MerPay)を含めあらゆる決済手段に対応できるのはありがたいですが、各決済会社の審査に加え、各代行会社の決済を管理していかなければならないのはちょっと手間になります。という事で会計ソフトとの完全連携を急がねばなりません。。
*6/15 無事、会計ソフトfreeeとの完全連携が完了しました!
④届ける
やはり倉庫のシステムと完全連携はとてもありがたい。そして配送情報を含めたフォローメールも自動配信されるので、お客さんにとっても安心感を持ってもらえると思っています。
最後に
BASEのECはWEB素人がオンラインで販売するというハードルを極限まで下げてくれた本当に良いサービスでした。一方、Shopify はサブスク契約が必要ですが、作りやすさや使いやすさに加え、API連携(APP)による様々なサービスとの連携が優れていると思います。とりあえずは日々の運営をしながら少しづつカスタマイズを行ってきたいと思います。
今のところは、アマゾンや楽天などの大きなオンラインプラットフォームと自社ECを並走させながら、今まで以上にお客さんの理解を深め「プロダクトの進化」に繋げていきます。
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