幸せな生き方≠種の保存に有利な生き方
(1)時代遅れな人間の脳
今、パソコンのOSはWindows10でしょうが、仮に今、Windows Vistaを使うと、外部との接続に不具合が起きると思います。
人間の脳にも、これと同じことが起きているのではないでしょうか。
つまり、大昔の生活に対応した脳では、何もかも機械化され、複雑になった現代の都会生活の膨大な情報を処理しきれなくなってきているのではないかということてす。
パソコンならば、バージョン・アップすれば良いのですが、人間の脳は直ぐにはバージョン・アップできません。
一部の人たちの脳には、まだ、処理能力に余裕があるのでしょうが、大部分の人の脳にとっては、情報量が、すでにその許容量を超えている気がします。
なのにそれに気づかぬままに、これくらいなら頑張れるだろうと無理をするから、結果として不具合が起き、鬱病や自死のような悲しいことが起きるのです。
人間らしい暮らしとは、いわば、人間の脳の許容量に見合った簡素な暮らしといえそうです。
(2)種の保存に有利な生き方≠幸せな生き方
普通、日常生活の様々な場面で、自然と湧き上がってくる感情や考え方は、その多くが人間という種の保存本能から来ています。
例えば、恐れは、外敵にあったときにすぐ逃げるように湧き上がる感情ですし、怒りは、外敵と戦わなければならない時、相手を打ち負かすように湧き上がる感情です。
更に言えば、ものに対する欲求も、飢えた人間が食べ物や、狩りの獲物を前にする時や、素敵な異性に遭遇した時にめばえる感情が元になっています。
どれも生存に不可欠な感情として、本能にプログラムされているものです。
日常生活では、大多数の人の頭には、このような感情が最初に浮かびます。
ですが、そういった本能に基づく感情に闇雲に従っていると、困ったことが起こります。
幸せになれないのです。
ともすると不幸になります。
例えば、脂肪やタンパク質を美味しいと感じる舌の機能は、飢えた人間が栄養価の高いものを食べた時、もっと食べたいと思うようにさせたほうが、生き残るのに有利だからだそうですが、その機能のせいで、多くの人が肥満に悩み、ダイエットに苦しんでいます。
つまり、本能から来ている感情や考え方に従うだけでは、人間は幸せにはなれない生き物なのです。
ではどんな感情や考え方に従えば良いのでしょうか?
(3)幸せになるために必要な、感情や考え方
幸せになるためにはどんな考え方や、感情を選んだらいいのか?
それは、新皮質と呼ばれる、人間の脳に特に多く見られる部分が司っている感情や考え方です。
つまり
思いやりの気持ちです。
仏教では、慈悲と言います。
西洋ではよく「愛」と言われますが、恋愛を連想させるので「思いやり」の方がしっくりきます。
(4)幸せになる方法
①腹が立ったら、反対に、「相手に思いやりの気持ちを持つ」と選んでください。
自分を苦しめるのは、自分の考えです。相手ではありません。
なので、自分の考えを選び直せば苦しむ必要は無いのです。
自分の考えを選び直せるのは自分だけです。
②誰かのために、何でもいいのですのでしてみて下さい。優しい言葉をかけるだけでも良いです。それも難しければ笑顔をみせるだけでも。
③自分の幸せと同じくらい、誰かの幸せを祈ってください。両親や兄妹でもいいのですし、今日会った人を思い浮かべても良いです。
元気が無くなったら、幸せを感じられなかったら、これらのうちどれかを一度試してみてください。かなり即効性があります。
思いやりの気持ちを持つと、不安やストレスの軽減に効果のあるオキシトシンという神経伝達物質が分泌されるんだそうです。
脳は使われるものではなく、使うものです。
同様に、感情や考え方は無条件に従うものではなく、選ぶものです。