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『弗箱シーモン』楽士のつぶやき

イベント概要 予約完売いたしました。


第786回無声映画鑑賞会

[ラリー・キートン・チャップリン 新春ニコニコ大会]

2024年1月30日(火曜)午後6時30分開演 (午後6時開場・終映予定9時5分)
日暮里サニーホール コンサートサロン
 荒川区東日暮里5-50-5 ホテルラングウッド4階  電話 03-3807-3211
(JR鉄 京成線・日暮里舎人ライナー線「日暮里駅」東口より徒歩2分)
一般2000円 学生1600円 前売、電話&E-mail予約1500円
子供(中学生以下)1000円 会員優待券1000円
電話&E-mail予約は公演前日の午後6時まで受け付けます。
(予約完売いたしました。)
併映作品は、チラシとリンクをご参照ください。出演者 澤登翠に代わり、山城秀之、樗澤賢一、尾田直彪が代演いたします。

上映作品ごとに、楽士の目線から楽曲解説などをシェアする3回連続投稿の1回めは、「弗箱シーモン」です。
楽士とは、無声映画を説明する「弁士」に対して、生演奏を担当する役割を指します。

澤登翠先生は怪我のため、療養中です。1日も早い回復をお祈りいたしております。


ラリー・シモン(Larry Semon, 1889年7月16日 - 1928年10月8日)

ニコニコ大会 喜劇王たちのイメージ音と色


アメリカ喜劇の特集プログラムは、「ニコニコ大会」と呼ばれるのですが、今年で5年目の担当演奏となります。映画史上の三大喜劇王と称されのは、チャップリンキートンロイド の三方。
ラリー・シーモンも大人気だったそうですが、残っているフィルムも少なく、私が関わった作品たちも、大切に残ったフィルムを繋ぎ合わせたようなエネルギーのこもった印象でした。

私なりの各喜劇王たちの弾き分けのキャラクターなのですが、オリジナル楽曲のテーマソングを設定しています。楽器を作ったり、チューニングに興味を持っているので、物理的な大きさ、質から出てくる音を想像するのがとても好きなのです。

チャップリンのマイテーマは、C調です。トニック(主音)が強め。圧倒的なCコードを感じます。そしてマイ分類の色わけはモノクロに対しての赤。まぁ、これは私個人のイメージなので、勝手にそう思っています。チャップリンの動きを含め、その他のキャストの動きにも、全て、拍子を感じられるので、おのずとBPMを指定されるので、私はチャップリンが一番、ハイレベルになります。使用モチーフは、オリジナル以外は、作品によってがらりとかわりますが、概ねクラシックの有名曲が多いです。

キートンは、C調なのですが、ドミナント(属音)であるソを感じます。鳥の目線というか、高いところから見下ろしているイメージ。テーマ色は空色。使用モチーフは、作品によってかわるのですが、モーツァルト「フィガロの結婚」から「手紙の歌」など、どこか突拍子もないところから頭にポンっと閃いてくるのがキートン作品です。「プロコフィエフ」の作風も、キートンっぽいですね。「古典交響曲」はよく出てきます。
著作権の問題で使用は控えていますが、「スティング」の世界観も、キートンっぽいって思っています。

ロイドは、F調を感じるのです。もし、ロイドが笛の素材で、どうにかして吹くことができたら、Fだと思うのです。色は麦わら色をあてていることが多いです。今回は、ロイドの作品は上映されません。

ラリーの音イメージとジョージ・ガーシュイン(George Gershwin)

ラリーは、今回、イベントタイトルの冒頭にきています。呼び物という立ち位置ですね!


ラリーのテーマのみ、短調で、Dmで、テーマはドミナント音の「ら」から始まるので、私が楽譜がわりに描くサウンドデザイン表には、「らっら」と表記されています。むらさき色のイメージ。ラリーのテーマは、今作では中盤以降の乱闘シーンから登場するのですが、それ以降、ラリーが本気出していくに従って、リズムが「スウィング」「シャッフル」(はねる)と、リズムのバリエーションの幅が広がっていくように演奏しています。ラリーが生きていた時代よりも、ほんの少しばかり「先取り」をするのが、良いのかなぁ〜と、ラリー作品の時には思うのです。

「とっぽい」とか、「シャレオツ」みたいな、ちょっとクールでダンディで、影があるようで、情に厚くオトボケっぽいような。ラリー本人に関しては、そんな音楽をあてているのですが、その背景や自然描写などは、なるべく本物嗜好、ゴージャスな感じにしています。  2021年に本作を片岡一郎弁士の説明で伴奏をした時から、ジョージ・ガーシュイン(George Gershwin)の作品をいくつかオムニバス配置をして、一貫性を持たせています。(JASRAC  管理再開の曲)

あの曲、なんだっけ?モチーフ使用曲の紹介

モチーフで使用するのは、作曲者の没後70年経過をしたパブリックドメインの作品となります。使いたい曲が保護期間の場合には、コード進行のみを借りたり、小節を跨ぐ前に変えたりしています。以前、著作権包括の商業施設などで演奏する場合には、「クレージーキャッツ」など無声映画をリスペクトしたそれっぽい曲を耳コピして弾けて嬉しかったのですが、普段は差し障りのないように留意をしています。

「二人でお茶を」 Tea for Two ヴィンセント・ミリー・ユーマンス 1946没

「Fable  5拍子」 アメリカの古い音楽教科書より 変拍子好きなので、隙あらば、変拍子を入れています。気難しいお偉方のシーン。

「Hoe-Down」1990没のアメリカの作曲家 アーロン・コープラントのバレエ「ロデオ」の一節なのですが、この部分は、アメリカの創世記 カウボーイとインディアンがでてくるシーンのもので、コープラントが作曲したというよりは、当時のモチーフと思われます。1984年ロス・オリンピックにて、アメリカの歴史のエキシビジョンとしても器用された曲です。シンセのフィドル音色でお楽しみください。

「天国と地獄」オッフェンバック お馴染みの曲なのですが、黒人俳優の相棒がてんてこ舞いするシーンでは、リズムを「スウィング」させています。思わず、指パッチンをしてみたくなるようなビートと、目の玉が飛び出そうな可愛い顔とのハーモニーを堪能してくださいませ。

「セレナーデ」シューベルト メロドラマシーン

「我が母の教えたまいし歌」ドヴォルザーク ハイスピードアレンジ 車レースシーン

「ヤンキードゥードゥル」アメリカ民謡 日本では「アルプス一万尺」として知られている曲です。こちらもレースシーン、黒人俳優登場時なので「スウィング」もしくは、気分で「シャッフル」させてます。

モチーフ重複防止の配慮


1/21須賀川公演と1/30ニコニコ大会 同日でないものは、重複しています。

同日上映の作品↑のモチーフのみを一覧にした表。
この他にタイムコードと音色の指定をメモした構成表も自作しています。↓


タイムコードをいれた構成表

シンセの音色 アサイン(PCでいうプログラム)した音色 右手はピアノ、左手は爆弾。その場合の音の変わり目の位置なども指定できます。フェイバリットボタンで、その都度、手動でオペレーションしています。

音色をガイドするように表を作成してシンセに貼っています。

説明を担当される山崎バニラさんとは、何度も共演経験があり、阿吽のコンビネーションで、当日はきっと私たち自身が一番、アウトプットを楽しむことが予想されます。

ラリーの作品は、大変希少ですので、上映を心待ちにされている方も多いと思います。一生懸命つとめます。ご来場をお待ち申し上げております。

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