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りゅうけん考#10 「両立で知る誤謬」

今回テーマは、両立する事実についてです。

前回の記事で、ガラスは、硬さと脆さという力学的性質を持つ物質であると説明しました。

硬くて脆い性質(硬脆性)という言葉がある通り、物質の硬さ(hardness)と脆性(brittleness)は相反する性質ではなく、両立する性質といえます。

「両立する」とは、英語で consistent です。(なぜ英語にしたの?)
「両立しない」は、英語で contradictory といいます。(だからなぜ?)

「両立しない」とは、「2つの命題は、両者が同時に真であり得ない(または両者が偽でありえない)」という状態をいいます。

両立しない例の代表格は、韓非子の矛盾にあります。

楚人有鬻楯與矛者。譽之曰、吾楯之堅、莫能陷也。又譽其矛曰、吾矛之利、於物無不陷也。或曰、以子之矛、陷子之楯何如。其人弗能應也。(コピペ)

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「両者が偽でありえない」命題です。

つまり、上記2つの命題は、「両立しない」といえます。

なお、「三角形の角は丸い」は矛盾、「丸い三角形」は、撞着語法です。

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ある事実について、両立するのか・しないのかを知れば、論理的な思考の誤りを減らすことができます。

例えば、以下の文は論理的な文章といえるでしょうか?

「大学教授が言っているのだから、正しい。」
「多くの経験者が言ってるのだから、正しい。」

それでは、相反する命題が両立するかどうか見ていきましょう。

「大学教授が言っているのことは、正しい。」
     ↕
「大学教授が言っていることは、間違っている。」

「多くの経験者が言ってることは、正しい。」
     ↕
「多くの経験者が言っていることは、間違っている。」

どうです? いずれの命題も両立しますよね?

つまり、「大学教授が言っているのだから、正しい。」や「多くの経験者が言ってるのだから、正しい。」は、論理的な文章ではないということです。

ロジカルシンキング(論理的思考)も同様です。

「だから」で結び付けられる前後の文章(命題)が、両立する事実であるかを判断してみることで、論理的思考の誤りを減らすことができるのです。


豚子(本名)

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