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省エネ基準の計算方法:面積

前回省エネ基準計算の準備についてご説明しました。

今回は面積の計算についてご説明します。
面積計算は意外と面倒で時間がかかります。

前回熱的境界部位分け方位分けについてご説明しました。
面積計算はこれらに沿って行います。

寸法の採り方

まず面積を計算するためには、図面などから寸法を確認する必要があります。
どこからどこまでの寸法をとるのかは部位によって異なります。
基本的に水平方向は壁心、垂直方向は床レベル、天井高さレベルとなります。
実際には部位によって寸法の採り方がありますので、以下ホームページをご参照ください。

窓・ドアの寸法は原則開口寸法になりますが、出来寸法や呼称寸法を用いることもできます。

面積計算

寸法を元に面積を計算します。
面積は四捨五入して小数点第2位までとします。

外壁
外壁は窓・ドアがあればその面積を引いた実際の面積(実面積)を計算します。

屋根
屋根断熱の場合は屋根の面積を計算します。
屋根に窓があればその面積を引いた実面積を計算します。
屋根の面積は水平投射面積ではなく、実際に外気に触れている部分の面積になりますのでご注意ください。

基礎断熱、土間床
基礎断熱や土間床は熱損失量を計算する場合、面積からではなく長さから計算します。
ただし、外皮面積は計算する必要があります。
なお、外皮面積は水平方向の床面積で、垂直方向(外壁の面)の面積を考慮する必要はありません。
基礎天端高さが0.4mを越える場合は、その越えた部分は外壁として考慮する必要があります。
この場合は、垂直面を外壁として面積を考慮します。

出窓
出窓がある場合、壁面からの突出が0.5m以上あれば、突出部を外壁・屋根・由香として考慮する必要があります。

面積の計算式を残しておく

面積を計算したときの計算式は残しておきましょう。
これは計算後に計算が間違っていないかをチェックできるようにするためです。

また、窓の寸法が変わった場合は、窓だけでなく外壁の面積も計算し直さなければなりません。
計算式を残しておけば外壁面積の再計算を簡単に行うことができます。

面積計算には時間がかかる

面積計算には以外と時間がかかります。
これは部位分け、方位分けを行っている関係で、面積を分けて計算しなければならないためです。
また、窓は数が多く、外壁などの面積は窓やドアの面積を引いた実面積を計算しなければなりません。
屋根断熱の場合は、屋根の形状によっては面積計算が複雑になります。

また、総二階ではない住宅や組み込み型の車庫がる住宅では注意が必要です。
住宅の形状によっては1階にも天井や屋根がありますし、2階に張り出し床があります。
これらを考慮することを忘れないようにしましょう。

注文住宅の場合、各部位の面積は住宅によって異なるため、基本的には毎回計算しなければなりません。
そのため、面積計算を効率よく短時間に計算するかは重要です。


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