マガジンのカバー画像

省エネ基準の計算方法

14
住宅の省エネ基準の計算方法についての解説です。 外皮平均熱貫流率(UA値)、冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)、暖房期の平均日射熱取得率(ηAH値)の計算についてご説明します。
運営しているクリエイター

#外皮平均熱貫流率

省エネ計算の土間床等の新計算法は損?

省エネ計算の土間床等の新計算法は損?

4月から省エネ基準の計算方法の一部が変更になりました。

基礎・土間床の計算方法も変更になっています。
(従来の計算方法も当面は使用していいことになっています)

従来は基礎壁と土間床外周部は一緒に計算していました。
また、基礎壁からの日射熱取得量は考慮する必要はありませんでした。

新計算法では基礎壁と土間床外周部を分けて計算します。
基礎壁は熱損失量と日射熱取得量の計算が必要になります。
土間

もっとみる
省エネ基準の計算方法:2021年4月から計算方法が変わりました

省エネ基準の計算方法:2021年4月から計算方法が変わりました

省エネ基準の外皮平均熱貫流率(UA値)、平均日射熱取得率(ηA値)の計算方法が2021年4月から一部変更になりました。(技術情報 Ver.3系)

なお、旧計算法(技術情報 Ver.2系)は経過措置として2022年3月まで使用することができます。

計算に関する主な変更点は以下の二つです。
窓の取得日射熱補正係数の計算方法が変更になりました。

また、土間床・基礎断熱の計算方法が変更になりました。

もっとみる
省エネ基準の計算方法:基準をクリアしない場合

省エネ基準の計算方法:基準をクリアしない場合

4月1日から省エネ性能の説明義務制度が始まり、建築士が建築主に省エネ基準の適合性を説明することになりました。

今後は省エネ基準をクリアする住宅が増えると思われますが、現時点では基準をクリアすることは義務ではありません。
そのため、省エネ基準がクリアしていなくても問題はないのですが、どのような措置をしたら基準をクリアできるかは提示しなければなりません。
そのため、基準をクリアしない場合でも基準をク

もっとみる
省エネ基準の計算方法:外皮平均熱貫流率(UA値)

省エネ基準の計算方法:外皮平均熱貫流率(UA値)

今回は外皮平均熱貫流率(UA値)の計算についてご説明します。

まず、外皮平均熱貫流率を計算するための手順は、ここまで説明してきた以下のマガジンをご参照ください。

熱損失量まで計算してしまえば外皮平均熱貫流率の計算は簡単です。

計算式は以下のようになります。
外皮平均熱貫流率 = 総熱損失量 ÷ 外皮面積の合計

総熱損失量は各部位の熱損失量の合計です。
小数点第3位を切り上げて、小数点第2位

もっとみる
省エネ基準の計算方法:熱損失量

省エネ基準の計算方法:熱損失量

ここまでに面積や熱貫流率(U値)についてご説明してきました。

今回はこれらを使用して熱損失量を計算する方法をご説明します。

各部位の熱損失量の計算式は以下のようになります。
熱損失量 = 面積 × 熱貫流率 × 温度差係数

土間床や基礎断熱の場合は、熱貫流率ではなく線熱貫流率に変わります。
熱損失量 = 周長 × 線熱貫流率 × 温度差係数

温度差係数温度差係数は隣接する空間との温度差を勘

もっとみる
省エネ基準の計算方法:熱貫流率(U値)

省エネ基準の計算方法:熱貫流率(U値)

前回熱抵抗(R値)の計算方法についてご説明しましたので、今回はこれを使って熱貫流率(U値)の計算方法についてご説明します。

熱貫流率は部位の断熱性能を表します。
数値が小さいほど断熱性能が高くなります。

材料の断熱性能は熱抵抗で確認できるのに、なぜ熱貫流率が必要なのでしょうか。
熱抵抗は単体の材料の断熱性能しか計算できません。
それに対して熱貫流率は複数の材料を組み合わせた断熱性能を計算するこ

もっとみる
省エネ基準の計算方法:準備編

省エネ基準の計算方法:準備編

いよいよ4月から省エネ性能の説明義務制度が始まります。

説明義務制度の対応に苦慮されている建築士の方は多いかもしれません。
説明義務制度では省エネ基準の外皮平均熱貫流率(UA値)、冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)、一次エネルギー消費量の計算が必要です。
そこで簡単ではありますが、省エネ基準の計算方法について順を追って説明していきたいと思います。

省エネ基準計算について一度で説明することはで

もっとみる