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鳶が鷹を生む:トンビがタカをうむ #47 辞書の生き物

トンビがタカを生む

 平凡な親からすぐれた子供が生まれることのたとえ。両方とも同じタカ目タカ科の鳥でトンビは平凡な鳥の代表、タカは優秀な鳥の代表ととらえています。

托卵:たくらん

 実際にトンビがタカが生むことはありませんが、オオヨシキリやホオジロの巣からカッコウが巣立つことがあります。

 これはカッコウがオオヨシキリなどの巣に卵を産んでヒナを育ててもらう習性によるもので「托卵:たくらん」と呼ばれます。卵をヒトに任せてしまう行動からの命名です。

 カッコウの卵の模様は託する鳥の卵に似ており、カッコウは卵を1つ産んだ後、巣から1つ卵を出してバレないようにするそうです。

 さらに、カッコウの雛(ヒナ)は他の卵より早く生まれ、生まれるとすぐに他の卵をお尻で押し出して巣から落としてしまい、親の愛情を独り占めしてしまうとのこと。本能とはいえ生き残るための能力は逞しいですね。

出藍の誉れ:しゅつらんのほまれ

 「トンビがタカを生む」と類似の意味の言葉として「出藍の誉れ」があります。「青は藍より出でて藍より青し」とも使われます。

 青色の染料は藍(アイ)の葉を材料に作られますが、原料となった藍の葉より青くなることから、弟子が師よりも優れた才能を発揮することのたとえとして使われます。

 「出藍の誉れ」は弟子が師匠を超えることで、「トンビがタカを生む」は親子の関係で子供が親より優れていることを表しており、類似の意味ですが、上回る相手が異なりますので、使う場合は注意が必要です。

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