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ヤドカリ #179 辞書の生き物

ヤドカリ

 前回はカニでしたが、今回はヤドカリです。その名の通り、巻貝の殻などを家として暮らしています。貝の家を借りているという生態から、漢字では「宿借」または「寄居虫」という字があてられています。

 カニは自分の大きさに合った穴を掘って住処(すみか)にしていますが、ヤドカリも自分の体にあった大きさの貝殻を探して住んでいます。
 体が大きくなると、少し大きめの貝殻を探して引っ越しをします。
その際に、両腕のハサミで貝殻の大きさを測ったり、中の掃除をしたりします。住む家にはこだわっているようです。

 ヤドカリはペットショップでも売られており、飼う人も増えているようです。水をきれいに保ち水温をコントロールしてやると10年くらい長生きするものもいます。貝殻を入れておくと途中で引越しの様子を眺められるかもしれません。

 引越しにちょうど良い大きさの貝殻は自然界では見つけにくいこともあるようで、ヤドカリ同士の奪い合いになることもあります。
 負けた方はしかたなくペットボトルのカップや小さなケースなどのゴミを仮の宿とすることもあります。

 タイの公園管理局が増えすぎて貝殻が不足していたヤドカリのために、巻貝の寄付を呼び掛けたことがありました。
 ヤドカリの世界も人と同じく住宅難で、優良物件は高騰しているようです。


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