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埒が明かない:ラチがあかない #82 辞書の生き物

 三代目の獣医師「ぼっけもん」が生き物に由来する言葉やことわざを紹介します。辞書には生き物の名前が付いていたり、生き物に由来する言い回しが多く残っており、日本人と生き物の強いつながりを示しています。
 今日も馬にまつわることわざです。

埒が明かない

 埒が明かないとは、事態が進展しない。決着がつかないことを表します。「(らち)」は、囲いや仕切りのことで、主に馬場の周囲に設けた柵のことを言います。

埒が明く

 元々は、「かたがつく」、「物事が決着する」などの意味で、「埒が明く(らちがあく)」とポジティブな意味で使われていましたが、現在では否定的なイメージで「埒が明かない」と使われることが多くなっています。

「埒」が進展や決着の意味で使われるようになった由来には、いくつか説があるようです。
 1つの説は、奈良の春日大明神の祭礼では神輿(みこし)の周りに埒を設けて人が近づけないようにし、神主が祝詞(のりと)を読み終えると埒を外して(「埒開け」して)人々が出入りできるようにしたためというものです。


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