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甲箱を作る #227 辞書の生き物

甲箱

 甲箱は「香木」と入れる「香道」用の蓋つきの四角い箱のことですが、茶道や宗教儀式にも使われています。

甲箱を作る」とは、猫が背を丸くしてうずくまり、甲箱のような格好になっている様子を示す言葉です。同じように、人が背を丸くして坐っているさまにも使い、「甲箱坐り」とも言います。

甲箱蟹

 北陸地方で獲れる冬の味覚の代表は「ズワイガニ」ですが、そのメス甲羅の形から「甲箱蟹」と呼ばれます。

 ズワイガニは漢字で「楚蟹」と書きますが「楚:すわえ、しもと」は細い木の枝のことで、ズワイガニの細い足を表現した言葉がなまったもののようです。

 ズワイガニは、山陰地方では「松葉ガニ」、北陸地方では「越前ガニ」とも呼ばれブランド化されています。

 ズワイガニの甲羅に黒い粒粒が付いているのを見たことがあると思います。これは「カニビル」という寄生虫のヒルの卵ですが、単に産卵場所として甲羅を使っているだけですので、カニには影響はありません。鍋に入れて食べても問題はありませんが、気になる人は取ってから茹でましょう。

 カニビルの卵が付いている方が、カニの実入りが良いとも言われていますが、関係はなさそうです。
 

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