サブスクリプションに必要な「顧客中心」の考え方とは?
近年よく聞くようになった「サブスクリプション」。仕組み自体は昔からあるものですが、2010年代に大きく成長し、広く定着したビジネスモデルです。うまく運用すれば定期的に安定した収益を得られることから、サブスクに興味のある会社も多いのではないでしょうか。
サブスクでは継続して使ってもらうことが大切ですが、そのカギは顧客中心の考え方にあります。このマインドセットを持てるかどうかはサブスクを成功させるための最初の分岐点です。サブスクを始めたいと考えているなら、ぜひ読んでみてください。
サブスクに必要な考え方とは?
サブスクは契約が続く限り収益を得られますが、解約されたら収益は得られません。継続して収益を得るためには解約されないこと、つまり「継続してもらうこと」が大切です。
そこで、自社がいいと思うものよりも、顧客にとっていいものを考えることが重要になります。つまり、製品(サービス)中心から顧客中心へ考え方を変える必要があるのです。
顧客にとってプライシングの明確なサブスクは始めやすいものです。中には「サービスが使い放題」というものもあり、お得感に惹かれて始める人もいます。「合わなければ解約しよう」というお試し感覚の人もいるでしょう。このように新規顧客を得やすい反面、解約しやすいとも言えます。そのため、解約されないよう満足して使い続けてもらうことが大切です。
顧客のニーズは変化するため、同じ内容のサービスでは対応できなくなるかもしれません。ときには内容を柔軟に変化させながら、顧客の満足するサービスを提供することが重要です。
満足してもらえれば信頼が増し、「上位のプランに乗り換えよう」「オプションを追加しよう」ということもあるでしょう。顧客を確保した状態でよりよいサブスクに変化させていくことで、このようなさらなる収益が望めます。
チェックポイントは3つ
顧客中心性:顧客の感じる価値を中心に考えたビジネスモデルか?
柔軟性:変化する顧客価値を把握し、柔軟に対応できる仕組みやマインドセットがあるか?
継続性:顧客と中長期的な関係を築き、長く使い続けてもらおうというマインドセットがあるか?
■顧客中心性
ただ自社の売りたいものを売るのではなく、顧客の求めるものを提供するビジネスモデルであることが大切です。自社のできることをアピールするというよりは、「顧客の求めることや潜在的なニーズに対して、自社の技術やノウハウを用いてできることはないか?」というアプローチで考えるといいでしょう。
さらに、顧客の満足度や改善点などのフィードバックを得る仕組みを作ることも重要です。
■柔軟性
顧客から得たフィードバックはサービスに生かしていきましょう。サービスの内容、プライシングなどの重要な部分も、必要に応じて柔軟に変えていくことが大切です。顧客に価値を提供し、その結果を次に生かしてさらに良いビジネスモデルを構築するというサイクルを作りましょう。
■継続性
このように顧客が満足し続けるサイクルができていれば、離脱や解約が少なくなるでしょう。その結果、長期的・継続的に収益を得られる仕組みとなります。
顧客を中心に考えてビジネスモデルを変化させていくことは地道で手間のかかることです。しかし、長期的に価値を提供できれば顧客からの信頼も築かれます。信頼があるからこそ離脱しにくく、継続した利用も期待できます。
サブスクにはプライシングも重要
顧客を中心に考える必要があるのは、価格においても同じです。顧客の使い方に合わせ、価格の異なる複数のプランを提示することで、さまざまなニーズに応えられるでしょう。
プライシングが明確であれば顧客は安心して利用できます。さらに、会社としても将来の収益を見通しやすいでしょう。プライシングの主な例には以下のものがあります。
まとめ
サブスクリプションの収益は継続的な利用があってこそ
継続して使ってもらうためには顧客にとっての価値を把握し
サービスに生かすというサイクルが大切サービス内容だけでなくプライシングにも反映させる
顧客にとっての価値を考えて、サービスを柔軟に変化させることに抵抗を抱く方もいるでしょう。しかし、顧客のニーズが変化する以上、一つのビジネスモデルを変化させないことはむしろリスクにもなりかねません。顧客の声を聞きながら変化させることで満足度を高め、継続的に利用してもらえるサブスクを作りましょう。