2019年11月のマンガランキング（電子書籍版）をオススメついでに分析します。

8年ほど前は紙のマンガめちゃめちゃ買ってたなぁ…としみじみ思います。
雑誌・単行本合わせて月50冊程買っていたのに、今では月に3冊も買えば多い方です。全て電子書籍に変わりました。じゃ電子書籍の売れ筋コミックス調べてみよう！と思い立ったのでやってみました。この記事では最近どんなマンガが売れてるの？がわかりますよ。

ということで電子書籍版の販売ランキングデータ（コミックシーモアさんより拝借）を基にして購買層の傾向や内容に関してほんの少し分析してみます。ランキングはコミックシーモア様より拝借。

先にお伝えしておきますが、僕の目的はシーモアさんの売り上げを伸ばす事でも分析することでもなく、面白いマンガを紹介することです。本来であれば全電子書籍サイトの販売数を統合して分析するところでしょうがご容赦ください。最後にマンガも紹介してます。
ではいきましょう！それでは『オススメの呼吸！十一の型！』

2019年11月総合ランキング（1位から40位）

いかがでしたか？
総合ランキングの内訳を見る限り電子書籍の購買層は女性がかなり多いようですね。根拠は言わずもがな、40位までに男性誌や少年誌で連載している作品が少ない事が挙げられます。40作中12作と比率で見ると30％でした。
具体的に男性誌の作品を挙げると、
１位『鬼滅の刃』　アニメ19話の作画がやばすぎて涙出ました。
４位『解禁』　女性3人だけの家庭に25歳の男性介護士が来て…。
５位『薬屋のひとりごと』　え？これ推理物なの？って意外性あり
８位『これも全部あの夏のせい』読んでみます。
11位『エロスの種子』読んでみます。
12位『あせとせっけん』今年一番面白いまである。後々記事書きます。
17位『金魚妻』不倫漫画。僕には合いませんでした。
18位『死役所』ドラマ化の影響もあるのでしょうか。
19位『１１２２』公認不倫漫画。公認にした事で気持ちに変化が…
24位『ハイキュー』 現代バレーボール漫画の雄。
29位『転生しちゃったよ（いや、ごめん）』よくある転生モノ。原作は良作
30位『私の少年』少年と大人の女性の胸キュンストーリー
しかもこの作品の中でバトル物は『鬼滅の刃』と『転生しちゃったよ（いや、」ごめん）』の２作品のみとなっています。少し悲しくなりました。
さらに注目すべきは恋愛系作品の多さでしょう。しかも、純粋な恋愛物ではなく特殊な設定、BLや不倫系など非日常の設定に関心が集まっていることがわかります。
その他には『ジェンダーレス漫画』とでもいえばいいのでしょうか…線が太すぎず、トーンも濃すぎない作画が好まれている印象です。

男性向け漫画の現状について分析してみましょう。

結果をみると、電子書籍市場において「男性向けマンガの売上が低下」、「女性向けマンガの売上が上がっている」ということがわかります。
11月発売の男性向け漫画のタイトル数を調査してみると、10月との変化は特にみられませんでした。そもそも作品のリリース数が少ない訳ではないという前提で、原因を推測してみましょう。下記は先月のリリース一覧。（https://tsutaya.tsite.jp/feature/book/release/comic/201911/22_index）。

男性向けマンガの売上が低下している要因はいくつもありますが、特に大きなものは以下の３点でしょう。
１点目は漫画世代（20代後半から40代前半）の高年齢化が進み、漫画に触れる機会が減った事。『私の友人にもLineマンガとピッコマの無料枠だけでいいや』という人が明らかに増えました。熱心なマンガファン、ライトなマンガファン共に減少しているように感じます。
２点目は無料で楽しめる他の娯楽ができた事。スマホの存在もかなり大きいでしょう。マンガを買って読む or 無料のスマホゲーム。どちらの比率が高いかは聞くまでもないでしょう。漫画村があった頃は無料で漫画に触れる機会もありましたが、今ではその機会も減っている状況です。漫画村についても思うところがあるのでいつか書きましょう。
高校生はマンガ無料とかにすれば面白いかもしれませんね。
３点目は書籍購買層に女性が多い事。
この傾向は2017年後半ぐらいから続いていて、出版業界は20代から40代の女性層の購買力によりに支えられています。
2018年の調査データをまとめた記事がありましたので気になる方はご覧ください。（『honto+』  https://honto.jp/article/2018halfyear.html）
と原因をざっくり仮定しました。
本来であれば漫画世代の購買データ、男性の隙間時間動向などの調査データから検証するべきでしょう。丁度良いデータが見当たらなかったため検証まで行いませんが…。出版業界の広告費減少によるエンゲージメント低下などもあるかもしれませんね。有用なデータを発見したら追記します。まぁ普通に考えるとそうだよなぐらいの感覚でみてもらえると良いかと思います。

思った以上に前置きが長くなってしまったので余談はここまで。
次回のランキング時は近年のヒットマンガに関して深めに掘り下げることにします。


ここからが本題、ランキングの中から面白いマンガをいくつか紹介していきましょう！その前に女性編、男性編のランキングを一気に見ていきます。

201911月女性編

201911月男性編

というラインナップでした。

各ランキングから１作品ずつお勧めします。
総合36位『獣人さんとお花ちゃん』
　表紙の雰囲気とタイトルから普通のTL漫画じゃないとわかっていたけど、、、なんか高い壁あるんだけど、、、ここシガンシナ区なの？と思うような導入が新鮮でした。
設定としては「昔獣人作ったんだけど、人間に手を出さないように壁の向こうで管理してるわ。壁の向こう危ないからね！」って言われてるのに、ヒロインが壁の向こうに行っちゃって獣人と恋愛するって話です。人間同士の恋愛に飽きた未来人の方々には是非手にとってもらいたい作品です。心理描写もリアルで、獣人が魅力的に書かれているのも良いです。

女性12位の『あせとせっけん』
『これから毎日一週間…君の匂いを嗅ぎに行きます！』から始まるフレグランスラブストーリー。今年読んだ漫画の中で一番記憶に残った作品。
1話の1コマ目からインパクト大で、こんなこと言われたら普通の女の子は『何コイツ、キモ』と、感じてもおかしくないですが、そこは特に気になりません。
あらすじは、化粧品＆バスメーカーに勤める「汗っかきコンプレックスの女の子」と「超高スペックの鼻を持つ商品開発部の男の子」が女の子の体臭（臭い訳ではなく魅力的な匂い）に惹かれて出会い、関係を深めていくのだが…。という斬新な出会い方のお話。
汗かきの自分にとってはヒロインの感情が痛いくらいにわかる。コンプレックスへの共感がこの話への感情移入をブーストしてくれているんだと感じました。匂いの表現に幅があるとさらに面白くなりそう。
コンプレックスに悩む方もそうでない方も是非。Webで３話ぐらいまで無料で読めます。

男性10位『終末のワルキューレ』
『神VS人間 最終闘争（ラグナロク）開幕』絶望的最終決戦マンガ。
昨年から話題になっているのでご存知の方も多いでしょう。
話の流れとしては、1000年に一度行われる人類存亡会議にて、
神々『もう人間いらなくね？いても害悪だよ。滅ぼしちゃお』
女神『ちょっと待ってよ！人間にチャンス頂戴！ラグナロクやろうよ！』
神々『別にやらんでもいいでしょ。はい滅亡決定』
女神『人間に負けるの怖いの？神様のくせに、ダサすぎw』
神々『ふざけんじゃねぇ！ビビってねぇし！ラグナロクしてやるよ！』
という流れで神VS人類の存亡をかけた13番勝負が始まるんですが、神サイドからはトールやゼウス、人類サイドからは呂布やアダムなど登場キャラも一々男心をくすぐるバトルマンガなのです。
セリフ回しもいちいち痛快で、「人間が神様に勝てるわけないだろ！」と思いつつ「どうやって勝つのかな？」と考えながら読むのが楽しい。ドラゴンボールや血界戦線、ドリフターズなどが好きな方はハマると思います。

まだまだおすすめしたいものも多いのですが、長くなってしまったので今回はここらで終わりにします。noteの初めての記事ですが、次回以降は構成を練って読みやすくしていきますのでよろしくお願いします！

それでは次の記事で！