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【アンドレ ・グランディエのベルサイユのばら】 #800文字以内で推しを語れ


生まれてきて よかった……!!


かっこいいなぁって思う人、ベルサイユのばらのアンドレ・グランディエはその最初に思いつく人。

物語の中心人物でありながら主人公の周りではどうしても一歩下がらずを得ない立場のアンドレ。強烈な個性も社会的な地位もないアンドレ。誰が誰をどう思いどう生きているか、そんな葛藤の中で過ごす物語の大半。強い力も強い意思も持てずただただ自分の拳を握り続ける。そんな彼が失いたくないものに気づき始めた頃、彼の体に変化が訪れます。

この作品の特徴として主人公が複数います。オスカルにマリー・アントワネット、地位のある者たち。そこに平民のアンドレが加わる。ここからの展開は見事としかいいようがなく、歴史とリンクしながら作品は大きく動いていきます。

物語の後半部分の始まりは間違いなくアンドレの物語。目の見えなくなっていくアンドレが生々しい血をどくどくと作品に注いでいきます。血。文字通り、血。真っ赤に生きる血の証明。薔薇の棘に縛られた人々の呼吸が変わっていく。アンドレの目に焼き付いている姿。金色の髪を翻し、駆け抜ける姿を追って、彼は最愛を抱きしめた。

アントニオ猪木以上にアントニオ猪木。裸になって初めて見えた本当の自分。光を失って初めて見えたもの。本当の自分は健やかに笑って愛する人を見つめていますか?

いくぞーーーー!!
1、2、3、ダァーーーーーーーーーーーッ!!!

あのナヨナヨうじうじしたアンドレの本当の姿は形容しがたい強さを持っていて、迷わない。ジョジョの奇妙な冒険の第5部のブチャラティなんかはアンドレの強さに近いかも。覚悟が、その強さが身体を前へ歩ませる。

視力が戻った時、アンドレの見ていた世界からオスカルの視線へ物語が移ります。この構成、すごいなぁって。構成も全てアンドレの捧げる愛を表現するために捧げられてるのよね、きっと。凄すぎる!!

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