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一緒に運動したいよね

 長男は、スポーツ全般を見るのが、

大好きです。


 その集中力と言うか、

見たいという欲求は素晴らしく、

・競技内容

・参加チーム

・選手名

・過去の成績

・順位

など、あらゆる内容に

対しての興味が尽きません。


それを知っている家族や知人も、

舌を巻くほどの知識量です。


でも、私は、そんな長男を、

素直に誇らしいと思えません。


長男は自閉症。


運動・知能の面で、同世代より劣る。


つまり、大好きなスポーツが

やりたくても、

・一緒にやれる仲間

・環境

が、ないのです。



今、リハビリも兼ねて、

プールに通っています。


プールは、長男は本当に大好きで、

毎週行くのを楽しみにしています。


ただ、そこに同世代の子たちは居ません。

長男と同じく、「リハビリ目的」で

いらっしゃる年上の人たちがいます。


そこに一緒になって泳いでいる長男。

本当に嬉しそうで、

充実した表情を見せてくれます。


 私は、プールサイドで、

そんな笑顔の長男を見るたびに、

「みんなと一緒にやれる環境を、

用意してあげたい」

と、思います。


だからと言って、

健常な方たちと一緒にやるのは、

正直に言って難しいのです。



毎週金曜日。

三男が、サッカー教室に通っています。

私もサッカーをやっていて、

見るのもやるのも大好きなので、

三男を送って、そのまま

残って成長を見ています。


その場に、たまに長男も付いてきます。

そうすると、私と長男で、

傍らでサッカーをします。

そう。

長男が何か運動をするときの相手は、

・家族

なのです。


それが悪いとは言いません。

ただ、やれることに限界があります。

サッカーにしても、

2人でボールを蹴ることはできても、

試合のようなことはできません。


そんな中、先日、三男のサッカー教室の

隣のコートで、社会人の人たちが、

フットサルをしていました。


例によって、長男はニコニコしながら、

夢中になって見ています。


ちょうどその時、私は一緒に

居なかったのですが、

長男に「一緒にやるかい?」と

声をかけてくださったようなのです。


長男は何と言って良いか分からず、

その場から離れてしまいました。


私がそれを知ったのは、少し後。

長男:さっきね。あそこの人たちから、

  一緒にフットサルやらない?

  て言ってもらったんだ。

  まだやっているし、一緒に

  やってこようかな。

私:そっか。良かったね。

 でも、今日はもうすぐ三男の

 サッカーも終わりだから、

 次の機会にしようか?



違います。これは建前。

本心ではありません。


心配だった。不安だったのです。

・まったく知らない人たちの中、

フットサルがやれるか?

・迷惑がかからないか?

・参加しても思うようにできず、

「やらない」と言って、

すぐに帰ってこないか?

・好奇の目で見られやしないか?


そんな考えが心を埋め尽くし、

「良かったね!行っておいで!」

と、笑顔で送り出して

あげられなかった。


 長男を信じて、

応援してやれない、

ダメな父親です。


また、長男が

・自分で決められない

と言うことも、私にとっては

申し訳なかった。


病を理由に、長男にはどうしても

手をかけてしまいます。

その結果、

・親がいないと何もできない

状況を、

「親が作ってしまっている」

そう、知らされました。



帰り道。

私:長男。

  今日は誘われて嬉しかったね。

  今度誘われたときは、

  パパに聞かなくて良いよ。

  「自分がやりたいかどうか?」で

  決めな。やりたいなら、

  「やりたいです」と言って、

  一緒にやっておいで。

長男:うん!そうする!

  だって、僕もみんなと一緒に、

  やりたいから!

  ありがとう!


私の、精一杯の言い訳です。


障がいを持った子どもたちにとって、

・運動不足

・肥満

は、深刻な問題です。


これは、

・運動ができる環境がない

というのも、大きな理由だと、

私は考えています。

もちろん、

整備された地域もあるでしょう。

私の地域も、

・平日の夕方(学校が終わった直後くらい)

であれば、いくつかあります。

ただ、共働きや兄弟がいる世帯には、

なかなか難しい話。



・ないなら、作れば良い


帰りの運転中。

不意にそう思いました。


最後まで読んでいただき、

本当にありがとうございました。

 

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