山中でくたばりかけた話

朝からダム行きました。

2箇所行きました。

今、山の中で暮らしているので、ダムは比較的近いところに点在しています。

とはいえ10キロくらいはあります。

自転車で行きました。

土曜日に行きました。

1箇所目のダムを見終わり、2箇所目に行こうとした時、急に左膝が痛み出しました。

金曜日の夕方、仕事中に左膝を強打したのです。

今頃痛み出すとは。

痛みに耐えながら2箇所目に向かいました。

自転車を漕ぐのが辛くなってきて途中で休憩を挟むようになりました。

今思うと、膝が痛み出した頃に帰っておけばよかったのです。

でも今日は快晴です。明日は雨予報です。

だから頑張りました。

かなり痛かったです。

その後、家に帰ってきて、今度はコインランドリーに洗濯しに行きました。

大変でしょう。山の上での生活は。
寮には洗濯機がありませんから。

山の中に住んでいるので、最寄りのランドリーは距離にして8キロほど、標高差は500メートル近くあります。

下りは簡単ですが、登りは大変です。

チャリに乗って道路を走ると、自分がドライバーの邪魔になっているという後ろめたさはどうしても感じてしまいます。

ですから今回は別の、車が通らないであろう細道から帰ることにしました。

……

ここからが本題です。

初めて使う道なので迷いました。

僕は地図をあまり頻繁に見ないので、間違っているのに気づくのには遅いです。

道に間違えた時、日没までの時間はあまりありませんでした。

それに森の中なのですでにかなり薄暗かったです。

焦りますよねそりゃ。膝も痛ェし。

その焦りが因果にも僕に地図の確認を怠らせた結果、

山道をインナーロー(チャリの変速で1番軽いもの)に切り替えて必死こいて登った先で道に間違えたのに気づきました。

絶望しました。

この現実を受け入れたくありませんでした。

いずれ本来の道に合流できるだろうという、何の根拠もない期待をして、引き返すことなく進みました。

これが登山において最も愚かな行為なんです。

……

引き返す勇気を持て(至言)

間違った道をなお進むのは勇敢だからではない。
それは蛮勇ですらない。
臆病者の証なのである。

間違いと知りながらも進み続けると、本来進むべき道が見えました。

だいぶ下の方にね。

Googleマップで見るとこんな感じ。

ここで僕はさらに愚かな行動に走ろうとしました。

チャリ担いでここを降りよう。
これで元の道に戻れるんだ。

……

無理に決まってんじゃん!

ただでさえ手負いなんだよお前は。

手ぶらで降りても危険なのに。チャリ担ぐだぁ?

寝言は寝ていえタコ!

ここでやっと、来た道を引き返すことにしました。

勇気と無謀は違います。

降りて滑落でもしたら最悪死にますし、間違いなく怪我する。何より、大切な自転車はタダでは済まないでしょう。

引き返して元の道からさっきの崖を見上げると、

まぁチャリ担いで降りるにゃ骨が折れますね。(物理的にも折れる危険あり)

……

山での遭難は判断力が機能しなくなることが多いです。

せっかく登った道が間違った道だったなんて信じたくないけど、

間違いだと分かった時点で降りるべきなんです。

間違いを認める勇気、これ大事。

日没とか帰りのバスの時間などに焦る気持ちは分かりますが、その焦りが死をも我が身にもたらしうること、ゆめゆめお忘れなきよう。

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