父の日に

今年、年男である父から「龍の絵を描いてほしい」という要望がありました。父が何かしらの絵を欲しがるなんて、珍しいこともあるものだと思いました。調子でも悪いのかと思って尋ねたら、次の時までは生きてるか分からないから、と返事がきました。わたしは、そっか、と思いました。父は今年で72歳で、持病もそこそこあり、あまり健康そうには見えません。

そのようなわけで父の日に龍を用意することにしました。
おそらく父にとっては、娘が描いたということが大事なのだと思うので、上手く描けなかったところは見逃してもらおうと思います。

さて、わたしは龍を描いたことがないので、それに架空の生き物とあってはモデルも存在しないので、画像を有料サイトからダウンロードして、それを印刷し、トレーシングペーパーを使って画用紙に転写することにしました。


鉛筆で転写した龍

転写がこんなに便利だとは……

さて、次は背景です。辰年といえば、守り本尊は普賢菩薩のようなので、組み合わせてもいいかと考えたのですが、普賢さんは白い象さんの上に乗っているので、やめておきました。象から降りて頂くのもどうかと思いますし、かといって、一枚の紙の上に、象と龍と菩薩さまを並べたら、もはやどれが主役なのか分かりません。


背景を迷った末に、月にすることにしました。
アクリル絵の具で空を黒く塗っていきます。


たまたま、金色と銀色の絵の具があったので、着色します。


線が薄くなっちゃったかな? と思い、上から重ねて、これはダメかも、となり、途中で断念しました。余計なことをしてしまったとかなり後悔しました。
テカテカしていたほうがいいかな、と考え、ツヤだしを塗りました。

画像はちょっと傾いてしまいましたが、額を買って、中にいれました。一応、形にすることができて、ほっとしました。

久しぶりに絵の具の匂いを嗅ぐことができて、幸せでした。
父を守ってくれたら嬉しいと思います。

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