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WSET L3を理解する


Central Otago, NZ

Points
1. 教材を理解するー配布された冊子は全て重要!
2. 「何を聞かれるのか?」を理解することでで勉強の姿勢が変わる
3. 丸暗記だけでは通用しない「How」「Why」の存在

この記事ではWSETが何を学習者に求めているのか、またそれを理解するためのツールについて考えてみたいと思います。
WSETのL2を受講された方はご存知かと思いますが、L2では品種が主役となっています。L3ではここからさらに、テキストの表紙に書いてあるように

ワインを解明する:スタイルと品質をひも解く


まさにこれに尽きます。

授業で散々口すっぱく言われたのがStyle, Quality, Price(SQP)です。

Style そのワインのスタイルを決定している要因は何か?
Quality ワインの品質はどのように決められているのか?
Price なぜワインは高価(安価)なのか?

これに紐づく要因をひたすら考える。それがWSET L3です。
そこで考えるのに重要な以下の点を深掘りして行きたいと思います。

1. 教材を理解する -配布された冊子は全て重要!
Text book 

言うまでもなく最重要アイテムです。一見薄いですが、本当によくまとまっていて、エッセンスが詰まった一冊と言っても良いと思います。
一方で、読めば読むほど説明が足りないところや日本語のニュアンスが曖昧なところがあるので、そう言ったところは授業で講師の先生に逐次確認した方が良いと思います。

Study Guide

WSETの試験の概要や例題、解答例、テイスティングシートが入っている冊子です。勉強中あまり開かないかもしれませんが、実はWSETが何を聞いてくるかを理解するためには重要な一冊です。
特にセオリーの試験の例題は何をどのように答えるべきかを理解する上で非常に重要なパートになります。
私は試験当日の移動の時間も再度どのように攻略するかをこの冊子で確認しました。

Specification

薄っぺらい冊子です。笑
しかし、これはWSET L3における学習範囲=試験範囲が記載してあります。
ここに載っている単語などはテキスト上で太字になっており紐づいているのですが、必要に応じて試験範囲なのか確認しておく必要があります。

SATのシート

系統的テイスティングアプローチ、すなわちSystematic  Approach to Tasting(SAT)です。
SATのシートは公開されています。
このシートに書いてあることは丸暗記が必要です。
実際のテイスティング試験(30分、赤・白)で必須ですし、記述のセオリーでもドライテイスティングでスタイルを記述することを求められる可能背があるからです。

(Slide のコピー集)

これは授業で使用されるスライドのコピーしたものを冊子になったものです。私の行っていたスクールでは配布されました。
私は授業で先生が言ったことやポイントはここに書き込んでいました。
テキストの内容通りというよりも授業の流れに沿った構成になっていましたので、授業を振り返ったりするには便利でした。

2. 「何を聞かれるのか?」を理解することで勉強の姿勢が変わる

WSETで重要なのは上記でも述べたように、「SQPを説明できること」です。
簡単に言うと、ワイングラスにワインが入っています。そのワインはなぜその味わい・スタイルなのか、なぜその品質なのか、その根拠を述べていください、といったような具合で。

このことを意識していると例えば授業でフランスのボルドーの赤ワインはカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー、カベルネ・フランがブレンドされる。と言う事実を知ることだけでは終われないことに気がつきます。

なぜ、このぶどう品種が栽培されているのか
なぜ、ブレンドされるのか
その結果、品質はどうなるのか?価格は?

など色々と考えることが出てきます。
その視点で授業を聞いたり勉強をすると非常に効率が良くなるかなと勉強してて思いました。

3. 丸暗記だけでは通用しない「How」「Why」の存在

WSET L3の特徴であるHowとWhyについて触れたいと思います。

HOW
WSET L3ではこのHOWもかなりしつこく聞かれます。
そのワインはどのように造られているのか、ほかのオプションはあるのか、なぜ生産者はその方法を選んでいるのか、赤ワイン、白ワイン、ロゼ、甘口、発泡性、酒精強化酒…聞こうと思えばいくらでも聞けそうです。

これらに対してしっかり描写、説明することが求められます。
例えば、このワインはなぜバニラの香りがするのか?どのように、どこからバニラの香りがきているのか、瞬時にワインからバニラの香りがする可能性を考える必要があります。

WHY
これはイギリスというか欧米っぽい考え方だなと思うのですが、何についても「理由」や「根拠」があり、因果関係を説明せよということです。いわゆるロジカルシンキングのようなものだと思いますが、日本人としては慣れるまでに時間がかかる方もいらっしゃると思います。

畑で果実ができていきなりワインになるわけではありません。誰が、何を、どのように、何をしたら、そういうワインができるのか、他にどういう可能性や方法があってそういうスタイルになっているのか。
そう言ったことを最終的には白紙の状態から説明できるようになる必要があります。

スクールの先生もmultiple(選択式問題)はみなさんよくできますが、やはりこの筆記のセオリーの記述が一番ハードルが高く合格に満たない方も多いとのこと。ここは最初の方から考えるくせをつけたいところです。

いかがでしたでしょうか。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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